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ハワイ音楽が受け継いできたものとは? 『ナ・ホク・ハノハノ・アワード』に見るハワイのアーティストたちのマラマ

今回はハワイの音楽に詰まったマラマにフィーチャーします。7月20日に3年ぶりに観客を会場に入れてシェラトン・ワイキキで開催された『第45回ナ・ホク・ハノハノ・アワード』。熱気に包まれた会場で、アーティストたちはパンデミックの間に募った思いを、ハワイへ、世界に向けて送りました。そのメッセージとは?

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ナ・ホク・ハノハノ・アワードとは

ハワイのグラミー賞とされ、栄誉ある賞として知られている音楽賞。主催はハワイ・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ(以下HARA)で、HARAによると、伝説や歴史、そして人々の記録を残すために始まったメレ(ハワイ語で「歌」)は、時代と共に進化しながら、ハワイ文化の永続のため、またハワイや祖先の言葉と心に直接結びつくために、重要な役割を果たしていると捉えられています。そんなメレとそれを守り伝えるアーティストやミュージシャンたちをたたえる賞が『ナ・ホク・ハノハノ・アワード』です。

 今年は、34カテゴリーの授賞が行われ、授賞式の合間には、今のハワイの音楽を代表する著名アーティストがコラボ演奏でステージを盛り上げました。

 この授賞式の様子は、ハワイのテレビ局で生放送された他、ライブストリーミングで全世界に向けて配信されました。

◆歴史

 HARAとナ・ホク・ハノハノ・アワードの起源は、1978年にさかのぼります。HARAの前身は、当時世界で唯一のハワイアンミュージックラジオ局であったKCCN-AMラジオ。そして、1982年に非営利団体ハワイ・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ(HARA)が設立されました。

◆HARAの使命

 歴史を尊重しながら、ハワイにおける音楽業界と音楽そのものを守り、育み、振興、促進そして発展させていくこと。さらに、音楽のコミュニティーを築いていくことを使命としています。

エイミー・ハナイアリイ-Amy Hānaiali‘i Gilliom-

〜ハワイ・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ(HARA) プレジデント

エイミー・ハナイアリイさんは、500名以上の会員からなるHARAのプレジデントで、ハワイを代表するアーティストでもいらっしゃいます。3年ぶりに有観客で第45回ナ・ホク・アワードを開催され、改めてその意義についてどのように思われましたか?

エイミー・ハナイアリイ:素晴らしい経験でした。エンターテイナーたち全員がこの日この場所で実際に会うことができてとても幸せでした。私たちは 1 つの大きな「オハナ(家族)」です。そんな家族が一堂に会して相乗効果が生まれた今回のナ・ホク・アワードは、純粋に興奮しました。同時に、改めてハワイの音楽の力を感じました。ハワイのアーティストたちはそれぞれパンデミックの間に多くの曲を書きました。私たちの音楽は今も盛り上がり発展し続けているのです。私たちはこれからもハワイの音楽を追求し、努力し続けていきたいと思っています。

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ジェイク・シマブクロ-Jake Shimabukuro-

〜ウクレレという楽器の即興性を生かし、あらゆるジャンルの音楽を演奏するスタイルで、ウクレレの無限の可能性を世界に広めたホノルル出身のウクレレ奏者で作曲家。

最優秀コンテンポラリーアコースティックアルバム賞受賞

>最優秀コンテンポラリーアコースティックアルバム賞受賞おめでとうございます! 4年を費やしたこのアルバム『ジェイク&フレンズ』はどんな気持ちで作られましたか? また、どのように仕上がっているのでしょうか?

ジェイク:アルバム『ジェイク&フレンズ』は、僕にとってとても楽しくてワクワクするようなプロジェクトでした。レコーディングスタジオで、さまざまなアーティストから彼らのプロセスを学ぶ機会を持てたことも貴重な経験でした。このアルバムは、全員が新しくてエキサイティングな何かを取り入れて作られたものです。こうしたコラボレーションのアイデアは、特にパンデミックの間、僕の日々の思考の中でとても大事なことでした。僕にとってこのアルバムは、みんなが一緒になってお互いをサポートすることの大切さを表現しています。

>ジェイクさんにとってウクレレという楽器を演奏することは、どんな意味、意義があるか、聞かせてください。

ジェイク:誰かに向けて演奏するときに僕がやろうとしていることの一つは、僕たち全員が同時に体験できる気持ちを表現することです。それができれば、人と人の距離が近くなって、平和、愛、理解が深まっていく感覚を、みんなで一緒に感じることができると思うのです。

>音楽を通して、地元コミュニティーに、さらに世界へ伝えたいことを教えてください!

ジェイク:ハワイ、そして世界中の皆さんへのメッセージは、お互いを愛し、支え合いましょうということです。それが未来の世代のためにより良い世界を作る方法だと信じています!

ナ・ホク・アワードは、アーティストが音楽を作ってシェアする場となるとても重要な賞です。地元の方たちが音楽、メレ(歌)を聞いてくれることに感謝しています。ハワイアンミュージックは、たとえハワイ語を理解していなくても、踊れて感じることができる素晴らしい音楽なので、世界のもっと多くの方に聴いていただきたいです!(ナ・ホク受賞ミュージシャン・HARA前プレジデント/パリ・カアイフエ)

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ケネス・マクアカネ-Kenneth Makuakāne-

〜ハワイ音楽業界の名プロデューサーであり、ソングライター。これまでに1500以上の名曲を作り、20余りのナ・ホク・アワードを受賞してきた。ハワイ島ヒロ出身。

最優秀男性ボーカリスト賞、最優秀ハワイアンミュージックアルバム賞などノミネート

>いつも授賞式に息子さんが同席され、ステージで一緒に演奏されます。次世代へ、音楽を通してどのようなメッセージを伝えたいですか?

ケネス:話すこと以上に聞く機会は多いものです。実は人を尊重するという謙虚さは、自分への敬意を倍にしてくれるのです。私たちの次世代には、音楽の源、音楽がどこから来たのかを尊重してもらいたいと思います。今を生きる人たち、先人たちから音楽を継承している人々に耳を傾けることで、彼らが亡くなったときに彼らが誰であるか、そして自分が誰であるかを、さらに次の世代に紡ぐ準備ができるはずです。自分の声だけでなく、あなた以前の全世代の声を引き継がなくてはなりません。それが私たちの音楽を、次世代、さらにその先の世代まで継承させる方法です。

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>カラニ・ペア – Kalani Peʻa-

2016年リリースのデビュー・アルバム『E Waleaエワレア』をはじめ、今回ナ・ホク・アワードを受賞した『Kau Ka Pe’a』など3回のグラミー賞受賞という快挙を遂げている。

最優秀男性ボーカリスト賞

最優秀楽曲作曲家賞受賞

僕は、ハワイ島ヒロのパナエワで育った幼少期から、ウィリーKなどの男性ボーカリストを見て目標にしていました。パンデミックの3年間は、ツアーや仕事を失い、パニックに陥りました。そして、今このように集まって自分たちの旅を始め、音楽が世界を癒していることを祝うために出航しました!

>クライヴィ-Kulāiwi-

それぞれがナ·ホク·アワードを受賞している実力派のカヴィカ·カヒアポ、 ショーン·ピメンタル、 レフア·カリマ(ナ·レオ)によって結成されたグループ。

最優秀アルバム賞や最優秀グループ賞、最優秀ハワイアンミュージック

アルバム賞、最優秀ハワイアン・エンジニアリング賞の4冠

カヴィカ・カヒアポ

私たちが多世代に渡って受け継いできて今していることは、その原点とつながっていなければなりません。これからの世代のために、文化に寄りそいながら音楽を作り続ける仲間とこうして一緒にいられることを誇りに思います。

レフア・カリマ

私たちのことを語る曲を書いてくれるハクメレ(作曲家)が、全世界にハワイとは何かを伝える曲を提供してくれ、このアルバム『Native Lands』ができました。そんなハクメレに心から感謝します。これからも曲を書き続けて、それを共有することによって、愛が育ち、アロハを世界中の人々とシェアしていけるはずです。

>ジョシュ・タトフィ

最優秀シングル賞、最優秀ハワイアンシングル賞、最優秀ハワイアンミュージックビデオ賞の3冠に輝いたジョシュ・タトフィ。受賞のたびに噛み締めるように感謝の言葉を口にしていました。

>ポーラ・フンガ

最優秀女性ボーカリスト賞、最優秀コンテンポラリーアルバム賞受賞のポーラ・フンガから、「ハワイの中も、世界も、みんな平等です。お互いを愛して思いやって!」とメッセージをいただきました。

>ヴァレア

最優秀新人賞を受賞したヴァレアは、オアフ島を拠点として活躍するトリオバンド。メンバー全員がボーカルを担当できる存在感のあるグループです。

          リポート:ライトハウスハワイ編集長 大澤陽子


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<ハワイ州観光局からのメッセージ>

公式ポータルサイト「allhawaii」では ハワイで活躍するアーティストの紹介、ハワイアンミュージックの歴史、ハワイアンミュージック関連の最新情報を紹介しています。 アーティストの紹介ページでは音楽を聴くことができるのでぜひご視聴ください!

※このページは「ライトハウスハワイ 2022年9月号」掲載の情報に基づいて作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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