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ハワイ在住者が地域に貢献できること


ハワイでは、自然保全や文化継承などマラマな活動をする多くの非営利団体(NPO)が活躍しています。私たちハワイ在住者や旅行者が参加できるプログラムもたくさんあるのをご存じですか? ビーチや海洋環境、絶滅危惧種や固有種の保護など、ハワイの自然、歴史、文化を守る方法の一つが、ボランティアへの参加です。美しい海と山に囲まれて暮らす私たちができることとして、今年は、身近なところから地域貢献してみませんか?

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泳げるアラワイ運河に戻すために! 

元気アラワイプロジェクト

https://genkialawai.org

@genkialawaiproject

サステナブルに水質を改善!

 ゴミや有機物などの汚染物質が蓄積して汚れてしまったアラワイ運河。その運河を「7年以内に釣りや遊泳ができる状態に浄化すること」を目指して2019年に発足したのがNPO『元気アラワイプロジェクト』です。このプロジェクトを推進するEMハワイオフィスマネージャーの名護千賀子さんは「善玉菌によってアラワイ運河のヘドロなどを分解することで、生き物たちが戻ってきます。生物多様性が回復すれば、自己浄化できるようになり、きれいな水が保たれます」と言います。

 そのための手段が「元気ボール」と呼ばれる泥団子です。このプロジェクトは、善玉菌の集合体であるEMを入れた元気ボールを作ってアラワイ運河に投入する活動を実施してきました。投げ入れた合計数は1万6000個。環境にやさしい方法で持続的に水質を改善させていく活動により、カパフル側の運河のヘドロを58センチから12センチに減らすことに成功しています。

元気ボールをアラワイ運河に投入!

 元気ボール作りは、大きなバットに、EMと糖蜜、泥、水を入れて混ぜていきます。それをこねて丸めて出来上がり! 子どもの頃の泥団子作りを思い出しながら、和気あいあいとした中であっという間に完成しました。アラワイ運河への投入は、子どもたちが得意で、楽しそうに投げていました。

 2~3週間後にアラワイ運河の水を見ると、透明度が増しているのがわかります。小さな魚が泳いだり、海の近くではウミガメが泳いでいるのが確認されたこともあるそうです。

 近隣の小学校の先生と生徒、大学、企業やホテルなどがこのプロジェクトに参加してきました。グループはもちろん、個人でも参加できます。詳細は、genkialawai@gmail.comへ、日本語で問い合わせをしてみてください。

ボランティア活動の醍醐味

 ボランティアを通して、地域に貢献できる喜びに加え、普段は知り合えない地元の人たちとつながることができるのも嬉しい体験です。

 名護さんは「以前、参加されたカネオヘの方から、『カネオヘでも同じ活動をしたい』と言われたことがあり、こうして地域を大切に思うきっかけになって、この動きが広まっていけば嬉しいですね。アラワイ運河など皆さんそれぞれが地元の自然を自分の庭のように思えるようになることを願っています」と話してくれました。

 ボランティアは、参加することで気付きがあり、行動が変わるきっかけになると感じました。

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山から海までクリーンアップ活動を実施

808 Cleanup 

https://808cleanups.org

クリーンアップが不要なハワイを目指して!

 808クリーンアップは、ハワイの環境を守るために活動しているNPO。2014年、共同創設者でエグゼクティブディレクターのマイケル・ロフティンさんらがハイキング中に落書きを目にしてショックを受けたことをきっかけに「このままではいけない」と、同年に立ち上げた団体です。

 彼らは日々、山から海まで至る所のクリーンアップ活動を行っています。マイケルさんは「ボランティア活動に参加することによって人と人がつながり、地域のコミュニティーとつながります。それによってポイ捨や落書きをなくし、同時にハワイの生態系について学び守ることで持続可能な社会が築かれます。そうしてハワイの自然の美しさを回復させていくことがミッションです」と話してくれました。

 ゴールは、海も陸もきれいに保たれ、クリーンアップの必要がない世界になること。そして教育に注力して長期的に環境を回復させていくことだといいます。

ほぼ毎日ボランティアを実施

 マイケルさんによると、ボランティアの参加者数は年間でのべ7000人ほど。カイムキ、マカプウビーチ周辺、カポレイ・エバ地域、ワイアナエ、カネオヘなど、オアフ島内のさまざまなエリアで実施しています。スケジュールは、ウェブサイトのカレンダーで確認できます。毎日のように活動しているので、都合の良い日時と場所を選んで、申し込みフォームに名前と連絡先を入れるだけでOK! 年齢制限はなく、16歳以下は保護者が付き添えば参加できます。

 アプリをインストールすると、データを記録したり、クリーンアップイベントを作ったり、GPS対応で独自のボランティア ポートフォリオが作成されます。モチベーションも継続しやすいですね。 

カイムキの公園でボランティアに参加!

 今回は、プウオ・ミニ・カイムキ・ミニパークに、ライトハウスハワイ副社長も家族で参加しました。

 ここは、ダイヤモンドヘッドから海、ココヘッドまでを見渡せる絶景公園で、近所の人たちの憩いの場。かつてヘイアウがあった場所なのだそうです。この日の作業は、ハワイ固有種と在来種の植物を守るために外来種を取り除くこと。最初に、公園に咲くハワイ固有種のイリマの花と、紛らわしい外来種の見分け方などを教えてもらいました。

 みんなで「これは外来種?」などと確認しながら雑草を抜いているうちに、気付けばサンセットタイムに。海に沈む太陽を眺め、記念写真を撮って活動を終えました。夕方の2時間を有効活用して一仕事を終えたという爽快な気持ちで解散しました。

 1人で参加している人も多く、この日はほとんどが初参加でした。3歳と6歳の子どもを連れて家族4人で参加した本誌の副社長一家は、実は近隣住民。「自分の慣れ親しんだ地域のボランティアができて嬉しく思います。子どもも一つのアクティビティーのようにとても楽しんで参加していました。また、ハワイ固有種や外来種の植物を学べて、地域の方たちとも交流ができて楽しかったです」と話していました。

興味のあるプログラムをウェブサイトでチェックして、参加してみよう!

Surfrider Foundation(ビーチクリーンアップ)

https://oahu.surfrider.org

Mālama Maunalua(海洋環境保護)

Paepae o He’eia (養魚池の管理、保護)

詳細:https://www.allhawaii.jp/malamahawaii/community/631/

(日本語)

Mālama i nā honu(アオウミガメの保護)

詳細:https://www.allhawaii.jp/malamahawaii/initiative/3014/

(日本語)

Ka Papa Loʻi O Kānewai(タロイモ畑の保護)

Hawai`i Forest Institute(森林の復元、保護)

詳細:https://www.allhawaii.jp/malamahawaii/community/2051/

(日本語)

Plant Tree Hawaii(植樹)

https://www.plantatreehawaii.com

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<ハワイ州観光局からのメッセージ>

ハワイには自然や文化などを守るために活動する団体が多くあります。ハワイ州レスポンシブル・ツーリズム情報サイトでは、自然保護活動を行う団体、教育プログラムを提供するNPO、文化継承の取り組みを行っている施設などを紹介していますので、ぜひご参照ください。

※このページは「ライトハウスハワイ 2023年2月号」掲載の情報に基づいて作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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