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どうなる?ハワイへの影響は?2024年のハワイの観光産業

ハワイ州観光局日本支局
ミツエ・ヴァーレイ局長

ハワイの産業の中で大きな割合を占める観光産業は、雇用や税収などにより私たちの暮らしにおいて重要な位置にあります。ハワイ州観光局日本支局のミツエ・ヴァーレイ局長に今年の活動方針を通して、2024年のハワイ、日本からの観光の未来像を伺いました。

昨年の日本人観光客の動向と今後の見通しを教えてください。

 2023年10月時点の統計でお伝えしますと、昨年は日本で「国内の魅力の再発見」という傾向が強まっていたことや円安が影響して、国内旅行が主流でした。海外であっても、韓国や台湾などの近場が多かったため、コロナ禍前と比較するとハワイへの観光客数の戻りは40%前後となっています。

 今年は、社会情勢や世界の動きにもよりますが、業界全体で60%くらいまで戻るのではないかと予想されています。2025年には80%、そして2026年までには完全な回復を見込んでいます。パンデミック前の日本からハワイへの年間渡航者数は157万6000人だったので、まず目指しているのは100万人です。

旅行者像や旅のスタイルは変わってきていますか?

 予約方法を含めて変化が見られますね。最初に戻ってこられたのは、ハワイとの関係性の強い、いわゆるリピーターの方々です。時間と家庭経済的にゆとりがある方が「やはり安心できるハワイに」ということで来られていて、スタイルでは個人旅行が多いですね。また、昨年11月はウェディング、ハネムーンの旅行者が増えました。

 この数年で特にワイキキはホテルの大改装や飲食店の新規オープンなどが続いて、変化が大きかったので「改めて王道ハワイ」という傾向もあります。ワイキキを散策しながら新しいハワイを体感して充実した時間を過ごすという方も多くいらっしゃいます。

 ハワイ州観光局としては、オアフ島とハワイ島をベースにしながら、カウアイ島やマウイ島にも足を伸ばしていただくためのプロモーションも行っています。

ハワイには日本人旅行者を対象にしたビジネスを展開する方も多く生活しています。そんな在住者の暮らしに、2024年の「ハワイ観光」はどう影響するでしょう?

 ハワイ州としても、レスポンシブルツーリズム、リジェネラティブツーリズム(再生型観光)という観光のあり方を打ち出していますが、今はさらにそのプログラムを強化しています。そのための予算も増えていますので、私たちも啓蒙・啓発に励んでいます。

 そこで重要なのが地元コミュニティーとの対話です。ハワイには、「マラマハワイ」を念頭に、旅行者に提供できるアトラクションやインフラが整っています。そんな中で、今年はハワイの日本人社会からの発信である「現地発」に力を入れていきます。ハワイに暮らすインフルエンサー、ユーチューバー、カメラマンやライター、そしてプロダクションチームがコンテンツを作って発信すること、皆でブレインストーミングをして、日本とハワイをより一層つなげていくことが大切です。このような考えを持つ居住者も増えています。

 発信する人、コミュニティーがこうした意識を持つことで、環境を守り、経済の促進にもつながっていくと考えています。

ハワイの環境も経済も持続可能となる観光の未来像をどのように描いていらっしゃいますか?

 ハワイ州としてはマウイの観光産業の損失は大きいので、長い目で見てサポートしていく必要があると思います。それには他の島の観光を安定させていくことが重要です。パンデミック後にアメリカ本土からハワイへのリベンジ旅行として観光客数が急上昇しましたが、数字的にも経済的観点でもそのピークは過ぎています。それを鑑みても今後は永続的な観光となる日本からの観光の復活はマストです。

 注力しているのは、ハワイ州が掲げる再生型観光に向けて、中長期的なエデュケーションを含めてまず意識から変えていくことです。参加型のプロジェクト、ケーススタディーを進めることで、ハワイを持続可能な島にしていくために、州を挙げて動いています。

最後に、ハワイの未来を見据えて、ハワイ州観光局は2024年にどのような活動を計画しているかをお聞かせください。

 やはりなんといっても日本からの観光のリカバリーです。そのためにとても大事なのは、業界パートナーとのコラボレーションだと考えています。コロナ禍でそれぞれの組織が大きなダメージを受けましたよね。これからは、より協力し合って新しい旅のあり方をしっかり伝えていく必要があります。

 商品開発、コンテンツ制作、体験、正しい情報を提供するために、私たちもしっかりトレンドを押さえ、見直し、勉強をしていかなくてはいけませんね。もっともっと多くファミリー層や学校などのグループにもハワイに来ていただきたいので「やっぱりハワイ!」と思ってもらえるように活動し、地元コミュニティーにも働きかけていくことが今年の方針です。

      (インタビュー/ライトハウスハワイ編集長 大澤陽子)

ハワイ州観光局の日本人観光客リカバリーに向けた取り組み

「旅、はじめるなら やっぱりHAWAIʻI」

https://www.yappari-hawaii.jp

ご褒美、親孝行、青春、自分磨き…再び旅に出るなら、心が望む、自分が本当にやりたいことにあふれたハワイへ行こう、という「心の解放」を提案! 

「Beautiful Hawaiʻi」

https://www.allhawaii.jp/htjnews/5637/

オアフ島、ハワイ島、マウイ島、カウアイ島の4島編と総合編の5本の動画で、「旅は、世界を美しくできる。」というコンセプトと共に、ハワイの美しい自然や伝統文化を通して、人生を豊かにするハワイ旅の魅力を発信。

「ココロつながるHAWAI‘I  〜Heart & Heart〜」

https://www.romance-allhawaii.jp/

日本ハワイウェディング協会と協業してハワイ挙式やハネムーン、記念日旅行などの「心と心がつながる体験」のストーリーを紹介するなど、ハワイのロマンスマーケットを活性化!

※このページは「ライトハウスハワイ 2024年1月号」掲載の情報に基づいて作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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