ハワイの「マラマ」を直撃レポート! 第4弾の今回はレストランとカフェに注目しました。人気店や話題店、最新カフェなど、ハワイのコミュニティーやビジネスをサポートするお店を徹底取材。おいしく食べて飲むことがサステナブルにつながるお店をご紹介します!。
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店の前に冷蔵庫を設置!
食料が必要な人たちをサポート
サーフボードに乗った豚さんロゴの『The Surfing Pig Hawaii』。カルアピッグで知られる『Kono’s』の姉妹店として、2018年にカイムキに開店し、今ではイリマアワードを受賞する人気店に。店内は地元アーティストの絵を展示販売したり、スタッフが撮影したオアフ島の大自然を飾ったりと地元感たっぷり。
彼らがパンデミックの間にとったマラマな行動は、店の横に冷蔵庫を置いたこと! その冷蔵庫の中に毎日食料を入れ、必要な人は誰でも持ち出せるようにしたのです。ご存じ、カイムキはグルメタウン。「周りのレストランにも声を掛けたところ冷蔵庫は常に食料で満たされ、約2年以上にわたり多くの人をサポートすることができた」と言います。
今後も、できる限り地元農場の食材を使う他、ソースをハワイの業者から仕入れるなど、地元同士のつながりを強めて助け合っていきたいとのこと。ローカルビジネスとコミュニティーがウィンウインの関係こそ持続可能の秘訣ですね。
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地産地消のプラントベースカフェ
地元ビジネス販売に場所も提供
2020年2月にオープンした『’Ōlena Cafe』のコンセプトは「ファーム・トゥ・テーブル・フード」。「’Ōlena」は、ハワイ語でウコンのこと。オーナーのジャッキーさんは「もともと祖母が沖縄でウコンを育てていて、70年前に母を連れてハワイに移住しました。ウコン作りを受け継ぎ、今はカネオヘにある小さな農園で私と娘が育てています」と。そのフレッシュなウコンを、さまざまなスタイルにアレンジしたオリジナル料理やドリンクが並ぶのが『’Ōlena Cafe』なのです。ウコンの他に、カフマナファームやクププレイスなどの野菜や果物、ハワイ島ハカラウ地域の紅茶やコーヒーなど、ハワイ各地からの食材もふんだんに使われています。
そもそも、「新鮮で健康的なプラントベース&ヴィーガンのカフェが少ないと思っていた」のが店を開くきっかけに。ベーコンをココナツで作り、「ベジタリアンやビーガン向けのメニューをそろえる」などの基準を満たし、「オーシャンフレンドリーレストラン」にも認定されています。
一方で、ローカルのスモールビジネスもサポート。クッキーやブラウニーをファーマーズマーケットで販売する『Ulu&Kalo Bakery』の商品を置き、ヤシの葉で帽子を作る『COCO KEALOHI』の帽子を店内で販売する他、オアフ島の海で集めた貝殻やシーグラスで作ったジュエリーをオンラインで販売する『Keiko Jewelry』の商品ピックアップ場所にもなっています。またオーダー水着の『Namikai』の受け付け販売も請け負うなど、実店舗を持たないスモールビジネスをできる限りサポートしています。
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無薬飼料飼育の豚と無農薬野菜のファミリーディナーイベント開催
ハワイの海洋生物に触れるタッチタンクやサステナブルアートを作るケイキアート、週6日実施するハワイアンカルチャークラスなど、マラマな活動に取り組むカハラホテル&リゾート。各レストランはオーシャンフレンドリーレストランに認定されています。その一つが、オーシャンフロントに位置する『プルメリアビーチハウス』。
マウイ島出身のジョナサン・ミズカミ総料理長は、ヨーロッパ、米本土のフランス料理を中心とする名店や、ハワイの『アラン・ウォン』などを経て、2020年1月に着任。彼が目指すのは、「世界各国で磨いた技術によってハワイの食材をここでしか味わえない最高の料理に仕上げて味わってもらうこと」と言います。料理には、オアフ島はもちろんのこと、テレビ界で活躍するオプラ・ウィンフリーが経営するマウイのオプラズファームやハワイ島などの農場からのよりすぐりの食材を使用しています。
そんなミズカミシェフが昨年に続いて、この夏に予定しているのがハワイの恵みを満喫するスペシャルディナー。ワイアナエにあるマウンテン・ビュー・ファームとタッグを組み、抗生物質やステロイドなどを一切使用せずに育てた豚や、土壌作りから徹底した無農薬野菜などをたっぷり使ったファミリースタイルのディナーメニューを8月24日(水)に提供します。
この他にも、KCCカリナリースクールで講義を行うなど若手育成にも力を入れていて、カハラブランドだからこその影響力を活用し、あらゆる視点からローカルサポートに努めています。
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フードランドのテーマを掲げ、地元農家、アーティスト、企業を支援
親会社であるフードランドのテーマは、「フード、ファミリー、フレンズ&アロハ」。ハワイで唯一家族経営の大型スーパーマーケットとして、地産のもの、地元の農家やアーティスト、製造会社をサポートするという姿勢で、長年ハワイのコミュニティーのためにさまざまな取り組みをしてきました。その傘下にある『イレブン』も、2021年のオープン以来、同様にローカルの農家をサポート。あらゆる角度から「地域社会への貢献」を目指しています。
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ハワイへの感謝を込めてペイストリーやギフトカードの寄付を継続
6月にアラモアナセンターにオープンした『Mana Sandwiches』。大きなイチゴを上質なヘビークリームに挟んだフルーツサンドなど毎日約30種類がショーケースに並びます。
親会社の『BRUG Bakery』は、2014年からハワイのNPO法人にペイストリーやギフトカードでの寄付活動を始め、60以上のNPOに継続的に寄付を行ってきました。そのきっかけについて、オーナーのミホさんは、「先天性内足症という障害を持って生まれた息子の足を治療、手術、その後の手厚いケアで完治させてくれた上、支払いも不要だったシュライナー病院への感謝」と。最初に寄付したのはもちろんシュライナー病院。加えて、公立学校にもペイストリーやギフトカードなどを寄付してきました。
そんな『BRUG』や家族を愛し支えてくれた人とハワイへの感謝で立ち上げたのが『Mana Sandwiches』。原料の果物や卵などは最大限地元産。「今後店舗が増え、生産が追いつかないくらい地元の農家さんから買うような仕組みを作りたい」と言います。
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農産物もスイーツもお酒も!20以上のパートナーをサポート
ダウンタウンのニューアメリカンレストラン『Fête』は、ロビン・マイイ・シェフが今年、料理界のアカデミー賞とされるジェームズ・ビアード賞の「ベストシェフ」に選ばれたことでも注目を浴びました。
開店当初から核としているのは「ファーム・トゥ・テーブル」。20以上のコミュニティーパートナーから農産物、肉、チョコレート、チーズ、ハチミツ、パン、コーヒーなどを調達して地元をサポートしています。
ホノルルで生まれ育ったマイイシェフが目指すのは「この島の味と食材を最高の状態で提供すること」。どの料理にも少なくとも一種類は地元産の食材を使用。「季節やタイミングによって最もおいしいハワイの食材を使った料理をお客さまにおすすめしています!」と教えてくれました。
リポート:ライトハウスハワイ編集長 大澤陽子
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海洋環境の保護を目的に国際的な規模で活動するNGO「サーフライダー・ファウンデーション」が、海洋環境に考慮しているレストランをオーシャンフレンドリーレストランに認定しています。ハワイで認定されているレストラン一覧はこちらをチェック!
※このページは「ライトハウスハワイ 2022年8月号」掲載の情報に基づいて作成しています。最新の情報と異なる場合があります。