今回ご紹介するのは、ハワイ・オアフ島東端にある、マカプウ岬。ワイキキから東へ車を走らせ、約30分。ハナウマ湾を望む風光明媚な海岸線のルートを走り、サンディビーチの先に見えてくる緑美しい丘です。この一帯は、パワフルなエネルギーが流れるスポットが連なり、島の東部をぐるりと見晴らす岬には、8つの輝く目を持つ女神マカプウが宿っていると言われています。
麓から丘の頂上まで舗装された道があり、頂上のマカプウ展望台までは徒歩30分。道は比較的なだらかで、一面緑の草原を見晴らすトレイルを登って行くと、徐々に視界が広がり、サンディビーチからカイルア沿岸まで、美しい海と山々に囲まれた大パノラマが360度に広がっていきます。
マカプウ岬の南側には「ペレの椅子」と呼ばれる奇岩があり、その昔、火の女神ペレがここに座ってしばし休息し、隣島へ旅立って行ったという伝説が残されています。マカプウ中腹の草原の小径を歩き、10分ほどで到達するその場所は、ペレの存在を今なお感じさせるかのように、熱く躍動感に溢れたエネルギーが流れています。
一方、マカプウ岬の北側には、ラビットアイランドとタートルアイランドを望む白砂の浜、そして珊瑚礁の海が広がっています。峠を越え、マカプウビーチへ下りて行くと、心地良い潮風ととともに、心がすっとするような清らかなエネルギーが、洋上から流れて来るのを体感できるでしょう。
マカプウ沿岸には、カフナと呼ばれる神官が、かつて禊ぎに使っていた美しい潮だまりがあります。「ヒーリングプール」の名で親しまれるこの潮だまりは、ラビットアイランドとタートルアイランドを正面に望む入江にあり、ちょうどジャクジーほどの大きさ。鏡のように澄んだ潮水をたたえ、気持ち良さそうに泳ぐ小魚の姿も見られます。足を浸すのも良し、身体ごと浸かるのも良し。ここには、すべてを受け入れ、気持ちよく洗い清めてくれる、浄化のエネルギーが流れています。そのため、古代ハワイでは、病める人や問題を抱える人がこの潮だまりに浸かり、カフナがその滞ったエネルギーを清めながら、治療を行ったと言われています。
この入江を見下ろす場所に、ヘイアウと呼ばれる神殿が2つ並んでいます。この地を護る男神と女神を祀ったものですが、ここに立つと、心身が癒されていくような心地がすることから、この一帯は癒しの場所として有名です。
実は、その癒しの源となっているのが、沖に浮かぶラビットアイランド。辺り一面黒い溶岩から成る地形の中で、なぜかこのラビットアイランドだけが、うっすらと白い岩肌。というのも、この島は花崗岩でできていて、その主成分は石英。つまり、クリスタルと同様の成分でできた島だからこそ、素晴らしい波動を発しているのですね。大自然のエネルギー、マナと常に繋がりながら生きていた古代の人たちは、それを自ずと知っていて、ここに神殿を建て、禊ぎをしたのでしょう。
先日、主宰するツアーでヒーリングプールを訪れた時のこと。潮水に足を浸し、滞っている感情が気持ちよく流れていく様子をイメージをしながら、静かに目を閉じていると、やがて、まぶたにふんわりと温かい光が。目を開けると、沖にラビットアイランドがぼんやりと白く輝き、その上には、みごとな虹が掛かっていました。まるで私たちを祝福するかのように。
ワイキキからハナウマ湾方面へ向かい、サンディビーチを過ぎて、峠を上る坂道の頂上に展望台、その手前にトレイルの駐車場へアクセスする入口がある。
マカプウの舗装されたトレイルを50mほど上り、ゲートの手前から草原へと下りる小径へ。そこからまっすぐ草原の中を歩き、約10分。
サンディビーチからマカプウ峠を越え、シーライフパーク前で、海側へ右折。駐車場から海へと下ったところ。2つのヘイアウは、駐車場から左手へ進んだ先にある。
ホノルル在住18年のヒプノセラピスト&フリーライター。東京女子大学心理学科卒業後、富士通を経てハワイに移住。現地情報誌の編集者、ライター&翻訳家として活動するかたわら、2003年より、ヒ―リングサロン『Moe Hawaii』を主宰。「心のエステ」をテーマに、退行催眠や前世療法などの個人セッションのほか、ヒプノセラピー(催眠療法)をベースにしたワークショップ型のヒーリングツアー「6つの聖地と秘境をめぐる、楽園癒しの旅」を開催している。www.moehawaii.com
(‘Eheu Summer 2012号掲載)