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第47回【ハワイ州の離婚でアリモニー(扶養料)はどのように決められるのですか?】

Q. 結婚18 年のアメリカ人の夫との間に高校生の子どもが二人います。夫は多忙で転勤が多かったので、私は数年前にパートを始めるまで専業主婦でした。夫が生活費の大半を支払っており、離婚後に私がすぐに経済的に自活することは難しいです。他州で離婚した友人は元配偶者からアリモニーの支払いを受けているとのこと、ハワイのアリモニーの仕組みを教えてください。

A. 養育費(チャイルドサポート)は子どもにかかる生活費のために支払われるもので、アリモニー「alimony」は「spousalsupport」とも呼ばれ、配偶者への生活費のサポートの費用を指します。
 離婚後のアリモニーが争点になる可能性がある場合、離婚の訴状、もしくは訴状に対する返答に、アリモニーの支払い命令が必要だということを記載します。そしてアリモニーの支払いを含む全ての争点を交渉して合意、もしくは裁判で争うことになります。離婚の解決までには時間がかかることが多いので、アリモニーが必要な多くのケースでは、離婚が成立するまでの一時的なアリモニーをリクエストするために、裁判所で申し立てをします。
 しかし、州で定められた計算表がある養育費や明確なルールが存在する財産分与とは異なり、ハワイ州では、アリモニーの有無、金額、期間に関して計算表や明確なルールというのは存在しません。それぞれのケースの状況に基づいて、裁判所が判断を下すことになるので、養育費や財産分与とは違い、裁判所で争った場合の結果を予測するのが難しいと言えます。
 といっても、何の基準もないわけではなく、アリモニーに関するハワイの法令「Hawaii Revised Statutes § 580-47(a)」では、裁判所はアリモニーの支払いを命じるかどうか決める際、以下の13 のファクターを考慮しなければいけないことになっています。

1. 双方の財力
2. アリモニーを求める側の配偶者の自活する能力
3. 結婚の期間
4. 結婚の間の生活レベル
5. 各配偶者の年齢
6. 各配偶者の健康状態(精神的なものも含める)
7. 各配偶者の結婚の間の職歴
8. アリモニーを求める側の配偶者の就労能力や技術
9. 各配偶者の必要な生活費用(ニーズ)
10. 各配偶者の子供の世話をする責任と養育費支払いの責任
11. アリモニーを支払う側の配偶者がアリモニーを支払った上で自分の生活費を支払うことができるかどうか
12. 各配偶者の離婚後の経済状況
13. どのくらいの期間アリモニーが必要になりそうか

 これらのファクターに加えて、ハワイ州の判例では(1) アリモニーを求める側の配偶者が結婚の間の生活レベルをキープするためにいくら必要か、(2)アリモニーを求める側の配偶者がアリモニーなしで自分の生活費をどの程度支払うことができるか、(3)アリモニー
を支払う側の配偶者が結婚の間の生活レベルをキープするためにいくら必要か、(4)アリモニーを支払う側の配偶者がアリモニーを支払った上で自分の生活費を支払うことができるかどうか、の4つのファクターを考慮します。

アリモニーの支払い命令、金額、期間は状況次第、変更も可能
 ご相談者の場合、アリモニーが争点になる可能性があるケースといえます。しかし、実際に支払い命令が出るかどうか、そしてその金額や期間は、子どもたち二人の養育費や双方の収入や出費、今までの暮らしぶりなどによって変わってきます。また、これまでの仕事がパートタイムだったとしても、健康上や年齢などの理由で働くことが難しい場合を除いて、ハワイの裁判所はまずフルタイムで働く努力をしなければいけないとみなすでしょう。
 アリモニーの支払いはほとんどのケースで一定期間の支払いになります。その期間が終了する前でも、どちらかの配偶者が亡くなったり、アリモニーを受け取る側が再婚したりした場合は、通常支払い義務はなくなります。そのことも含め、支払い期間は離婚判決書に明記します。また、期間や金額は、一度裁判所の決定が下された後も、どちらかの当事者の経済状況が変わった場合、変更を求めることが可能です。

宮本直子
Naoko Miyamoto Attorney at Law

父親の転勤で高校3 年生よりアメリカ在住。1997年カリフォルニア大学バークレー校政治学部卒業。2000年ハワイ大学マノア校法科大学院(ロースクール)修了。2001年ハワイ州裁判所・ハワイ地区米国連邦裁判所弁護士登録。ハワイ州最高裁判所を経て2001年より離婚やその他の家族法を専門に扱うクライントップ& ルリア法律事務所で家族法専門の弁護士として勤務後、2022年9月に『宮本直子法律事務所』を開設。

宮本直子法律事務所
735 Bishop St, Ste. 310, Honolulu (Dillingham Transportation Bldg.)
TEL 808-444-7890
E-mail: info@miyamotohawaiilaw.com
https://www.miyamotohawaiilaw.com/japanese-page
※実際のアドバイスは個々の状況により異なりますので、詳細は弁護士にご相談ください。

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2026年5月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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