ハワイのカイルアは、オバマ元大統領がクリスマス休暇で訪れることでも有名。ハワイ・オアフ島東岸にあり、いつもトレードウインド(貿易風)の吹くカイルアは、同じオアフ島のホノルルよりも平均5度ほど涼しいと言われ、どこかワイキキとは違った雰囲気を持つ、のんびりしたローカル・タウンです。高級住宅地であるためにお洒落なセレクトショップや、アットホームなレストランも多いので、ぶらりと散歩してカイルア観光を楽しむのもおすすめ。
全長3km、きめ細かい白い砂浜とエメラルドグリーンの海が広がるカイルアビーチは、波も穏やかで、小さな子供連れのファミリーが、波打ち際で砂遊びやシュノーケリングをするなど、ゆったりした時間を過ごしています。安定したトレードウインドで、ウィンドサーフィンやカイトサーフィンのメッカにもなっています。
隣接した住宅街に沿ってあるラニカイビーチは、ハワイ語で「天国の海」という意味を持つビーチ。カイルアビーチ、ラニカイビーチともに、その美しさで全米1位のビーチに選ばれたこともあります。観光客ではなく、地元住人がほとんどという静かなビーチは、日本では味わえないビーチ体験を約束してくれます。
全米で最も美しいビーチとの呼び声高い、カイルアビーチ、ラニカイビーチからほど近くのカイルアの町はハワイ・オアフ島の中でも人気の観光スポット。町の条例で高層ビルの建設が規制されているカイルアは、都会的な雰囲気のワイキキと違って、トロピカルな花々が咲く閑静な住宅街が広がり、どこかゆったりした時間が流れています。カイルアタウンではマカダミアソースのパンケーキの「Boots & Kimo’s(ブーツ・アンド・キモズ)」が観光スポットとしても有名ですが、その他にもおいしい店、オシャレな店がたくさん。ワイキキからカイルアへ行くバスを使って、1日かけてビーチとタウンをゆっくり観光して楽しんでみるのもおすすめです。
(ヘンリー英=文・写真 / 有希庵=イラスト)
電車のないハワイでの移動には、クルマしかない。レンタカーするほど頻繁には移動しないし…という方には、ぜひ「ザ・バス」をおすすめする。ハワイのバスは、オアフ島ほぼすべてを網羅しており、気軽に低料金でどこにでも行けるのが魅力。今回は、ザ・バスで人気のローカルタウン「カイルア」観光へ。現地では、自転車でのんびりタウン散策。きっと新しい発見があるはずだ。
カイルアへのバスは、アラモアナセンター山側にあるバス停「カイルア行き56番」のバスに乗る。56番か57番に乗車すればカイルアに辿り着くが、ワイキキからなら、まずアラモアナ行きのバスに乗り、乗り換えるのが良いだろう。
バスはセンター内を大きく回り込むように走り、海側バス停で一旦停車し、数人の客を乗せて再び出発。しばらく海側の大通りを走り、高層ビルの林立するダウンタウンを抜けるとやがて車窓の外には色濃い緑の風景が広がる。バスはぐんぐんと山間の坂道を登っていく。この道がパリ・ハイウェイだ。
やがてトンネルを抜けると下り坂になり、はるか眼下にカイルアの町と真っ青なカイルア湾の絶景が広がる。そのうち、「KAILUA / HAMAKUA」の電光掲示が表示され、車内アナウンスが流れる。
バス停に到着し、バスを降りるとそこはカイルアの町の中心部。自動車ディーラー、スーパーマーケット、スターバックスの横を通り過ぎ、交差点を渡った先にあるペデゴ・カイルアに向かう。ここでは観光客向けに電動自転車のレンタルやツアーを行っている。
レンタルした電動自転車に跨り、ハンドルのグリップを回すと、すーっと加速する。ペダルを回しても、そのままモーターに身を任せても、疲れ具合に応じて走り方を選べるのはうれしい。早速、Kailua Roadをビーチへと向かおう。カイルアは町の条例で高層ビルの建設が規制されているので閑静な住宅街が広がる。家々の玄関先にはトロピカルな花々が咲く。車だと見過ごしてしまいそうな風景を時には気軽に立ち止まって楽しめるのも自転車ならではだ。
バス旅のマナーと同じように、自転車旅にもマナーがある。それはカイルアの地元住民の日常生活に配慮し、自分は旅人であるという気持ちで行動すること。例えば地図を確認する時など、途中で立ち止まる時は他の車や歩行者の往来の邪魔にならない所で行う、道一杯に並んで走らないことなどなど…。自転車に乗る時は歩道と車道の段差に気を付ける、自転車レーンがある道路では車道を走る、曲がり角では必ず手信号で意思表示するのも大切だ。
やがて自転車はカイルアビーチの海岸に近付いてきた。左手には話題のセグウェイをレンタルするセグウェイ・オブ・ハワイ、そして食料品を売っているカラパワイ・マーケット&デリが突き当たりに見えてくる。道を渡るとやがてカイルアの海岸に到着する。自転車を柵に自転車ロックでしっかりと施錠し、ビーチの砂浜に向かう。全米ナンバーワンにも選ばれた美しいカイルアビーチでは、犬の散歩、カイトサーフィン、ウィンドサーフィン、シーカヤック、ピクニックなど、皆思い思いに楽しんでいる。混雑していないのでゆったりできる。カイルアはウィンドワード(風の土地)と言われるだけあって、サイクリングで少し汗ばんだ身体に貿易風が心地良い。
さて、ビーチに来たのと同じKailua Road を町の中心部に向けて戻ることとする。アパート群の中を貫くAoloa Streetを通ってオーガニック食品やローカルフードを扱うので有名なダウン・トゥ・アース・カイルア店へ。オリジナルのエコバッグやTシャツなども購入することができる。デリカテッセンにあるオーガニック食材をふんだんに使ったピザも人気だ。
店の裏手には自然豊かなハマクア湿地が広がる。ここは野鳥保護区で多くの野鳥が生息している。店内で買ったコーヒーを店外のチェアに座ってゆったり飲みながら、風景を見ると心が癒される。
一服を終えて、再び自転車を走らせ地元の雑貨を扱うカイルア・ゼネラル・ストアへ。ナチュラル調の外観が店内の品揃えを想像させる。店長のスティーブンさんいわく「特に観光客に人気なのが地元で作られた自然派石鹸、地元デザイナーがデザインしたTシャツ、キャップ、タオル」だそうだ。
次はハワイアン・ドレスを扱うムームー・ヘブンへ。店長のナンヒーさんが案内してくれる。「ムームーを現代風にリメイクしたドレスが特徴なの。他にもドレス制作で残った生地を使ったポーチやエコバッグも作っているのよ」。20ドル以上の買い物をすると好きな柄のエコバッグをもれなくプレゼントしてくれるそうだ。ハワイをテーマとした雑貨や食器、アート、そしてアロハシャツもあるので男性も必見だ。
さて、次はバス通りを渡り、手作り感いっぱいの小さなお店マドレ・チョコレートへ。ここではハワイ産のカカオを使ったハンドメイド・チョコレートを店内で作っている。パッションフルーツやココナッツなど色々な種類があって楽しい。定番のダークチョコは、特にカカオの深い味わいが楽しめる。観光のお土産にもおすすめの一品だ。
チョコレートを買い、次に向かったのは日本人のユキさんとサトミさんがハワイで共同経営するセレクトショップのブルー・ラニ・ハワイ。オーナー自らがデザインしたというハンドメイドのジュエリーや素敵なドレスがお店一杯に陳列されている。日本人オーナーがしっかり目利きした品揃えなので安心して買い物をすることができる。
さて再び自転車を町の中心部へと進ませる。カイルア・ビレッジというショッピングセンター内に一旦自転車を停めて歩いてみよう。ラニカイ・バス&ボディは自然派化粧品で有名なブランドである。プルメリアの花の精油を使ったスキンケア商品などが観光客にも人気だそうだ。
あちこち観光してお昼に近付き、少しお腹も空いてきた。そこで、健康ジュースで有名なラニカイ・ジュースへと向かう。社長のパブロさんいわく「日本人観光客のお客様にとても好評なのが、このマナ・グリーン・ボウルです」。ホウレンソウ、ケール、ショウガ、スピルリナ、パイナップル、バナナ、そしてシリアルがたっぷり入った、かなりボリューム感のあるもの。健康的で美味しく、朝食代わりにもなる。
自転車での観光は大変機動力が高く、効率的にカイルアの町を散策することができた。半日が過ぎたので、そろそろホノルルに戻ることとしよう。自転車をレンタルしたたペデゴ・カイルアに戻り、自転車を返して、バス停から56番、57番のザ・バスに乗ってホノルルに戻った。
心地良い疲労感を味わったので、部屋に帰ったらシャワーを浴びてから「ダウン・トゥ・アース」のデリカテッセンで買ったピザをつまみに、ラナイで海に沈む夕日を眺めながらビールでも飲もうか。
ハワイ産のカカオを使ったハンドメイド・チョコレートの店。パッションフルーツやココナッツ入りなどいろいろな種類があって目移りしそう。定番のダークチョコは、特にカカオの深い味わいが楽しめるのでおすすめ。
100%ハワイ生まれの自然素材を使った、体にも心にも環境にもやさしいナチュラルボディーケア商品の店。マンゴーココナッツやパイナップルなど、ハワイらしい香りのボディーソープの他、プルメリアの花の精油を使ったスキンケア商品が人気でカイルア観光のお土産にもおすすめ。
1997年設立以後、健康志向の人の間で話題になり、今ではハワイ・オアフ島に6店舗を展開するジュースショップ。地元のオーガニック食材を使ったしぼりたてジュースやスムージー、新鮮食材たっぷりのシリアルボウルが食べられます。
地元で作られた自然派石鹸や、ローカルデザイナーが手掛けたTシャツ、ベースボールキャップ、タオルなど地元の雑貨を扱うセレクトショップ。カイルア観光のお土産を探しているならぜひ寄ってみて。
ビーチでも街でも着られる使い勝手の良いドレスや、ローカルデザイナーによるアクセサリーなどが所狭しと並ぶセレクトショップ。日本人オーナーがしっかり目利きした物ばかりなので安心して買い物できそうです。
衣にもち粉を使用したカリカリもちもちのハワイ風唐揚げ「モチコチキン」専門のフードトラック。丼でも単品でも注文可。
オーガニック食品やローカルフードを扱うハワイのスーパーマーケットのカイルア店。デリでご飯を調達すれば安上がり!?
アロハシャツをリメイクしたドレスやポーチなどが人気のお店。
海の美しさが有名なカイルアは、実はナチュラルビューティーの似合う、ゆったりとした時間が流れるおしゃれタウン。青い海だけではもったいない!あなたのカイルアを探してほしい。
ハワイ・オアフ島のカイルアが日本人観光客に知られるようになったのは、ここ15年ほどだろうか。白砂と青く澄んだ海が人気を呼び、瞬く間に人気観光地の仲間入りをした。だが、カイルア観光の魅力は海・ビーチだけにとどまらない。
(Text: Fumiko Nakata, Photos: Taku Miyazawa)
目の前に、深い緑をたたえたコオラウ山脈が、静かに雄大な姿で横たわっている。カイルアに向かう主要道路から外れて、細くなった道を少し不安になるくらいしばらく進んだ後に、やっとこの場所は現れる。とうの昔、王族の避暑地として大切にされていたこの大地に、コオラウ山脈はただただ静かにそびえ、その手前に以前はプライベートだったゴルフコースが美しく芝を整えて広がっている。
「The Olena /ザ・オレナ」はクラブハウス内のそんな景色を心ゆくまで楽しめる場所にある。敷地内には今もたくさんのハワイのネイティブプランツが息づき、大切にされている。2018年4月にグランドオープンしたこのレストランは、ハワイ島産の牛肉やカウアイ島産の卵など、食材は可能な限りハワイ諸島から取り寄せ、地産地消をモットーにしている。ローカルシェフの手により、ハワイの伝統料理も取り入れた個性的なメニューが楽しめる。既に地域住民にはおいしさが知られているのか、平日にもかかわらず朝食に数多く訪れていた。
シンプルでスタイリッシュな内装とゆったりとしたテーブル間隔、ホスピタリティー溢れる接客で、静かに目の前の緑を愛でながら、おいしい料理を堪能したい。
「ムームーヘブン」のオーナーデザイナーであり制作者のデブ・マシャは、グランドオープンして間もない新店舗で、にこやかに、そしてエネルギッシュに出迎えてくれた。
ニューヨークで仕事をしていた頃から好きで集めていたテキスタイル。ハワイに移住後も、様々なカルチャーから影響を受けたテキスタイルは彼女の心を捉えた。古着ショップで手に入れた鮮やかな色柄、独特な模様、手の込んだ刺繍が施されたムームー。それらを活かす形でベッドカバーを作り始め、スカート、そしてドレス作りを始めたのは18年前。店舗に並ぶオリジナルのドレスは全て一点物で彼女の手作り。ものを作ることが幸せの源、と語る彼女のアイデアはまだまだ尽きそうにない。
Island Bungalow Hawaii
続いてカイルアで訪れたのはショップがオープンしたばかりで優しいピンク色のワーゲンバスが目印の「レイナイア」。友人へのプレゼントから口コミで広がった人気の手作りアクセサリーだ。素材にもこだわり、土台は金属アレルギーの人も大丈夫な14金フィルド、パーツは天然石と自身で集めたハワイの貝。付けると気分が上がる、個性が引き立つデザインを、といつも考えながら作るモチーフは、細かい細工で模倣は難しい一点物。大学からハワイに住んで22年。ハワイの魅力が詰まったアクセサリーが今日も生み出され続ける。
他にも個性的な店舗が多数あり、感度の高い女性が集まるスポットとして観光客にも人気だ。
▼センスとアイデアが息づく心躍る一点物を求めて
ウィミニ・ハワイ
光の差し込む明るい店内はすっきりと白でまとめられ、カフェやスクールで素材となる植物たちの心休まる香りで満たされていた。「アアラ・ハーバルバー」は米国最大のアロマテラピー協会「NAHA」の公式認定校である「オハナ・ヒーリング・インスティテュート」内に併設されたオーガニック・ハーブティーバー。生徒に提供していたハーブティーが評判を呼び、ハーブティーバーを開くに至った。素材となる植物は旬にこだわり、厳選した信頼できる契約農家から手に入れるか、自身で野山に探しに行く徹底ぶり。100%オーガニックで、ハワイでは薬草として扱われていたものも含まれている。ハーブティーのメニューは、月の満ち欠けが体調に及ぼす力を伝える「マヒナ・ティー・ブレンド」、アーユルヴェーダの教えに沿った「アーユルバービック・ハーバルティー・ブレンド」、人体の中枢を成すチャクラに働きかける「チャクラ・ティー・ブレンド」。その日の気分や体調により、感じる味が微妙に違うから不思議だ。
ハーブや精油など、自然由来のものを上手に生活に取り入れることを目指した学びのコースも充実している。アロマテラピーを学ぶコースは、古来よりハワイに伝わる植物療法「ラアウ・ラパアウ」に基づいたコースや、香りから感じ取ることで自分を知るコースなど、植物の力と癒しが身近になる気付きと学びの体験が新たな自分を見つけてくれる。
学んで日常生活に取り入れることは大切。米国最大のアロマテラピー協会「NAHA」の公式認定校で唯一日本語でその講習が受けられる。オンライン学習教材も充実しているので長期滞在が難しくてもOK。
ワイキキから車で約40分、ザ・バスやオプショナル観光ツアーでも訪れることができるカイルア。全米ナンバーワンに選ばれたことがある白砂と風が特徴のカイルアビーチはローカルや観光客で連日賑わい、街にはオーガニックやビーガンレストラン、老舗から最近スタートしたばかりの個人オーナーのショップも数多くあり、ナチュラルなおしゃれタウンとして人気でおすすめ。朝早く出かけて一日かけて心ゆくまで散策したい。
※このページは「Lighthouse Los Angeles 2016年1月16日」号および「’Eheu Summer 2014」号、「’Eheu Fall 2018」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。