常夏のハワイと言っても、れっきとした夏がある。ハワイのDIVA歌姫たちの歌声が、ハワイの太陽のきらめきにも増して一層輝いて聞こえるシーズン。この季節にぴったりのホットな女性アーティストの最新アルバムをご紹介します。
毎年、母の日ショッピングの白熱ぶりがローカルニュースに取り上げられるほど、ハワイの一般家庭内での母親の地位は絶大であり、感謝と尊敬の意を表す大事な日である。古代ハワイアンの時代には、実の子どもをあえて交換して育てる「ハナイアリィ」という養子縁組が行われてきた。現代でも、忙しい母親の代わりに子どもを育てるのは祖母の役目だったり、また、近所のアンティ(おばちゃん)が夏休みに子どもたちのグループをまとめて面倒見たりと、いわゆる、育ての母と言われる人たちが多いように感じる。
また、宗教、思想も多種多様な人種のるつぼであるハワイの中で、共通項なのは、母親への尊敬の念が強いことだ。今回は、地元の幅広い層に人気のあるママ的存在のナヘナヘ(やさしい)音楽3選。
まずは、シスタ・ロビの愛称で親しまれるロビ・カハカラウ。伝説のバンド「ザ・ハワイアン・スタイルバンド」のリードボーカリストとしてデビューして以来、不動の人気を維持している女性シンガー。ドイツ生まれハワイ育ち。音楽家族に育ち、5カ国語を操る才女で、ハワイ大学でハワイ語の教鞭を執った経歴も持つ。ハワイアン・スタイルバンド時代からの長年の音楽ホア(友達)、ジェフ・ラスムッセンとのハーモニーは絶品。特にスモーキー・ロビンソンのカバー曲「クルージン」はハワイの旅の途中で聞いてほしい。私自身もカウアイ島のハナレイで迎えた朝に聞いた時、格別だった。ハワイ滞在に音楽は必須だ。
伝説のバンド「ザ・ハワイアン・スタイルバンド」のリードボーカリストとしてデビュー後、現在はソロアーティストとして、地元でも「シスタ・ロビ」の愛称で絶大な人気を誇るロビ・カハカラウ。ジェフ・ラスムッセンとのデュエットで奏でる、スモーキー・ロビンソンのカバー曲「クルージン」、ジョン・デンバーのカバー曲「サンシャイン・オン・マイ・ショルダー」はアイランド風な逸品。彼女の美しくキュートな声は、まさに永遠のディーバとお呼びしたい。
続いて、女性ユニット「ケアヒヴァイ」の解散後、ソロとして活動を広げているマイラニ。アルバムタイトル「マナワ」はハワイ語で「タイム」という意味。マイラニの過去、現在の想い出、未来への想いを綴った作品。最近は、親友でクムフラのカウイ・ダレリとのハワイ文化の継承活動にも精力的で、イオラニ宮殿の敷地内で開催された修繕チャリティーイベント「オラ・カ・ハー」も大成功を収めたが、今後のマイラニの音楽家以外の活動も応援したい。
KEAHIWAIという女性ユニットとしてデビュー。その後、いくつかの女性ユニットに参加後、現在は、ソロ活動を中心に行っている。ソロとしては2枚目のアルバム「MANAWA」は、母親となって制作した作品で、未来に向けたメッセージもたくさん詰まっている。オアフ島のカハルウの海を眺めながら作ったという「ハママ・イ・カ・イウ」は大推薦曲。フラ・コミュニティーの皆様に是非踊っていただきたい一曲。
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最後は、ミス・アロハフラの受賞経験もあり、ナ・ホク・ハノハノアワードの常連受賞者のナタリー・アイ・カマウウ。音楽とフラの家系出身のナタリー、最近は、ご主人のイオラニとの夫唱婦随度もさらにアップし、フラやハワイ文化を教えるための来日も多い。また、大好きなファッションの世界でも自身のブランドを立ち上げ、プリティー度も益々加速中。ちなみに、私が担当している番組にゲスト出演の際は、ご夫婦のことを「ハミングバーズ」、ナタリーのことを「プリティ」とご紹介して久しくなった。
ロビ、ナタリー、マイラニ3人のディーバの歌声は、やさしく包み、癒してくれるという母性的安らぎの要素と、元気を与えてくれる力強い母性的エネルギー要素がたくさん詰まっている、いわば、ハワイアン・アイナ(ハワイの土地)の不思議なマナ(力)なのだ。
過去10年間にリリースした作品「‘E」「‘I」「‘A」の集大成としてリリースしたベスト盤「EIA」。感嘆詞的なタイトル3つの組み合わせはハワイ語で「HERE」の意味。ナタリー自身もこの偶然には驚いたそうだ。その10年にわたる音楽活動が、今のナタリー・アイ・カマウウというディーバを作ったのだから自然な成り行きと言えるだろう。「ノー・クウウイポ・イ・カ・ウア・ノエ」は、今も大恋愛中の旦那様、イオラニ・カマウウとのゴージャスでやさしいハミングバーズ・ソング。最近、ワイキキのホテル「モアナ・サーフライダー・ウエスティン・リゾート&スパ」に贈った曲「モアナ・メモリーズ」も公式発表し、話題となった。
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ハワイ在住14年。ラジオDJ、MC、ライター、イベントディレクター、コンサルタントと多方面で活動中。最近では、ハワイについての講演会も行っている。豊富なネットワークを持っているのも特長。国立新潟大学理学部卒業。
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(’Eheu Summer 2014号掲載)
※このページは「’Eheu Summer 2014」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。