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ギャビー・パヒヌイの銅像がビーチ・ウォークに!

今年10回目を迎えたシリル・パヒヌイ主催の「ギャビー・パヒヌイ・ワイマナロ・カニカピーラ」。その公式Tシャツの販売収益金により、近代スラック・キー・ギターの父、ギャビー・パヒヌイの銅像がワイキキ・ビーチウォークに完成しました。ギャビー・パヒヌイの「クレアナ」な音楽人生をご紹介します。

ギャビー・パヒヌイの銅像
ワイキキ・ビーチ・ウォークに今年春にお目見えしギャビー・パヒヌイの銅像

ハワイ語では、物事を継承する「使命」のことをクレアナと言いますが、地元の人がよく口にする言葉です。親のしつけ、学校教育、クプナ(年配者)の教えの中で、この言葉を聞きながらハワイの子どもたちは育ちます。ハワイの公共の場所に立つ銅像もクレアナ精神の証だと思います。
 
ギャビーの銅像は、ワイマナロの自宅の裏庭に集った人々が、カニカピーラ(それぞれが歌ったり踊ったりする)スタイルで楽しむ中、ポップス(ギャビーの愛称)が登場し、喝采を浴びて意気揚々と演奏している姿がうまく表現されています。
 
今やスラック・キー・ギターの教本的な楽曲「ヒイラベ」。それをレコーディングしたのは1946年。スラック・キー・ギター奏法を次世代に伝えるための歴史的な記録物となりました。

 

ベスト・オブ・ザ・ギャビー・バンド
ベスト・オブ・ザ・ギャビー・バンド1972-1977
ギャビー・パヒヌイ(1921-1980) の晩年期にあたる1970 年代にレコーディングした楽曲のベスト盤。ハワイアン・ルネッサンスの貢献者。晩年、19世紀~20世紀初頭に書かれた楽曲の録音を数多く行った。イポ・レイ・マヌ、ヘエイア、レイ・ナ二、カウアイ・ビューティ、フラ・オ・マキィなど、13曲収録

また、彼の人生の晩年期である70年代は、米国の公民権運動やベトナム反戦運動に刺激され、少数派の権利を守る運動が世界に波及。ハワイでも先人文化の音楽やカヌーによるポリネシアン伝統航海術の再評価が進み、いわゆる、ハワイアン・ルネッサンスとして、ハワイ文化の復興が起きましたが、それに貢献した一人でした。

夕方になるとワイキキでは各方面からライブ音楽の音色が聞こえてきます。トレード・マークのオーバー・オールの右ひもを外して、ギターを抱えるギャビーの銅像からも、特徴ある温かみのある歌声と優しく包まれるようなゆるやかなスラック・キー・ギターの音色を感じることができます。
 
ここには、まさに彼のクレアナ精神が息づいています。

徳重玲子(STUDIO RIM HAWAII 代表)

徳重玲子◎ハワイ在住17年目。ラジオDJ、MC、ライター、イベントディレクター、ビジネスコンサルタントと多方面で活動中。ハワイについての講演会も行っている。イオラニ宮殿の日本語ドーセント。国立新潟大学理学部卒業
www.studiorimhawaii.com
facebook.com/reiko.rogers
twitter@PELEREIKO

 
(’Eheu Autumn 2017号掲載)
 
※このページは「’Eheu Autumn 2017」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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