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親日家のミュージシャン、ネイサン・アヴェアウの平和の曲『INORI』

親日家のミュージシャン、ネイサン・アヴェアウが戦後70年、平和を願って作った曲『INORI』を紹介します

オアフ島の音楽一家に生まれたネイサン・アヴェアウの人生は、まさに音楽一色。音楽バンドに属していた祖父母はさまざまな楽器をこなし、父親は高校の音楽教師で合唱部やポリネシアン音楽の指導者、母親はピアニスト。音楽にあふれていたアヴェアウ家のロコボーイは幼少からピアノ、ギター、ウクレレのレッスンを受けましたが、10代の音楽少年を魅了したのはサックスでした。

しかし、大学入学後はベーシストとしてジャズバンド、打楽器奏者としてシンフォニー楽団に所属した後、最終的にエレキベースにハマったそうです。私が彼をラジオ番組で紹介する際に「音楽デパート人間」と称する意味がわかると思います。本人が「マイ・バスルーム・スタジオ」と呼ぶ自宅スタジオで制作するアルバムは、ボーカルからコーラス、楽器にいたるまで全て「自分演奏」なので、細かい箇所まで心地良く聞ける音楽が完成するのだと思います。

昨年、戦後70年という節目の年に多くの平和イベントが開催されましたが、太平洋戦線で多くの尊い命が失われた、ホノルル市の姉妹都市・長岡市でも、亡くなった方々の慰霊、70年間の平和への感謝、未来の平和への祈りを込めた「長岡ホノルル平和交流記念事業」が一昨年4〜昨年12月まで行われました。その一環である「長岡アロハフェスティバル」の平和交流事業トークショー&コンサートにお招きいただき、ネイサンを誘って7月、長岡市を訪問しました。

森民夫長岡市長、長岡アロハクラブ、長岡市民の皆様と熱く語り合った時に、4年前からワイキキビーチで慰霊と恒久平和を祈って開催している「長岡花火」に感謝の意を込めた曲を作ってほしいとネイサンにリクエスト。歌好きな森市長も新曲を楽しみにされていました。長岡を発つ日に生粋の長岡人二ツ家氏に案内していただいた手打ちうどん&そば『愛宕庵』で釜揚げうどんを上手にすするネイサンに「NAGAOKA HANABISONG」を再懇願。そして昨年、パールハーバー記念式典の2週間前、早めのクリスマスギフトのごとく、日本語で歌う新曲『INORI』がファイルで届きました。

Nathan Aweauと石田愛
戦後70年、ハワイと日本との友情から生まれた平和を祈る楽曲『INORI』(作曲:NATHAN AWEAU 作詞:石田愛)

作詞はハワイ在住3年目の石田愛さん。クムフラのサニー・チンが率いる名門ハーラウ、ナー・マモ・オ・プウアナフル所属のフラダンサーです。ネイサンは「過去10年に広島、長崎の平和記念公園を訪れ、いつか平和を歌う曲を作りたいと思っていた。昨年、長岡市を玲子と訪問し、長岡花火に込めた人々の想いに感動した。メロディーはすでに完成していたので、友人の石田愛さんに作詩を依頼した」。愛さんは、「長岡花火の歴史も勉強した。終戦後は、食べる物がなかったり、逢いたい人と離れ離れになった人も多かったと思う。今の時代は物も色々あって、会いたい人にも気軽に会いに行ける。だから、今を大切に生きようと思うことが、犠牲者への鎮魂になるし、復興者への感謝となると思う。それが永遠の祈りです」

私は、ハワイ発日本向けのラジオ番組で『INORI』をかけ続けますが、恒久平和を祈る日米合作楽曲として、多くの方に歌い継いでもらいたいと思います。

Nathan Aweau / ネイサン・アヴェアウ

Aina Hanau

Aina Hanau

9作目のソロアルバム。ボーカル、コーラス、楽器演奏をすべてネイサンが担当。彼の魂が込められた最新アルバム『アイナ・ハナウ』は、「母国」という意味。最愛のハワイ、タヒチ、初めての孫、ハワイ王国最後の君主、リリウカラニ女王、そしてホノルル市と姉妹都市の新潟県長岡市にインスパイアされた曲が収録されています。スタジオリムハワイでも販売中です。
www.nathanaweau.com

Io

Io

8 作目のソロアルバムは、2013年、ハワイのグラミー賞と呼ばれる音楽賞ナホクハノハノアワードで、アイランドアルバム賞を受賞、収録曲の『UHIWAI』は「両親の夫婦愛」を歌った曲で、最優秀楽曲賞を受賞。4年前に始めた日本語の勉強は毎日欠かさず行い、現在はカタカナ、平仮名の読み書きをマスター。サインの字はネイサンの直筆。日本語との出会いは幼少時、浜松市から移住をした近所の斎藤ファミリーとの交流でした。近年は、日本全国での公演も多いです。

 

徳重玲子(STUDIO RIM HAWAII代表)

徳重玲子◎ハワイ在住16年目。ラジオDJ、MC、ライター、イベントディレクター、ビジネスコンサルタントと多方面で活動中。ハワイについての講演会も行っている。イオラニ宮殿の日本語ドーセント。国立新潟大学理学部卒業。
www.studiorimhawaii.com
facebook.com/reiko.rogers
twitter@PELEREIKO

(’Eheu Spring 2016号掲載)

※このページは「Eheu Spring 2016」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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