(Text: Ayumi Kekamaikamalukoa)
ハワイアンミュージックというと、海を前にダンスと共に楽しむイメージがありますが、ハワイの音楽も最近はかなり進化しています。その音楽の祭典が、メレ・メイと呼ばれる音楽月間。そのクライマックスはハワイのグラミー賞と呼ばれるナ・ホク・ハノハノ賞の授賞式と、翌日のウクレレピクニック・イン・ハワイです。またイベント以外でも音楽を楽しめる場所は意外に多彩。この時期ハワイに来るなら、ぜひ音楽と共に。
今年で4回目を迎える「メレ・メイ」。ハワイ語で「5月、ハワイアン・ミュージックの月」という名前が付けられた音楽の祭典だ。4月25日(金)のキックオフ・セレブレーションを皮切りに、文字通り5月いっぱい、ワイキキを中心に、隣島を含むハワイ各地でコンサート、フラショー、ワークショップなどが開催される。
HARA(ハワイ・アカデミー・オブ・レコーディング・アート)が、楽曲や作曲家のみならず、文化としてのハワイ音楽を広く知ってもらいたいと2011年に始めたこのイベント。5月の間は米国本土はもちろん、世界各国からハワイ音楽ファンが詰めかけ、多くのミュージシャンたちが奏でるハワイ音楽を楽しめるフェスティバルとなっている。
今年のメレ・メイでは、毎週日曜日に名門ホテル、ハレクラニでランチタイム・コンサートが開かれる。憧れのリゾートで繰り広げられるコンサートでハワイを思う存分楽しめそうだ。5月10日(土)には、ヒルトン・ハワイアン・ビレッジで、ナ・ホク・ハノハノ受賞候補者と過去の受賞者によるコンサートが開かれる。ナ・ホク・ハノハノ・アワードの前哨戦といったところで、こちらも注目が集まる。
24日(土)には、ハワイコンベンションセンターでメレ・メイのメインイベントともいえる、第37回ナ・ホク・ハノハノ・アワード・ショーが行われる。1年間に活躍したミュージシャンたちが、部門ごとに表彰され、受賞の栄誉を受ける年に1度の記念すべきアワード。音楽関係者はもちろん、ハワイ中の人々が楽しみにしているイベントだ。
メレ・メイでは、活躍するミュージシャンや音楽関係者によるワークショップも人気だ。ウクレレやスラックキーギターといった楽器の演奏法や、作曲法、音楽教育、プロモーションについてなど、多岐にわたる講座が用意されている。講師陣は人気のミュージシャンだから、音楽ファンにとっては垂涎もの。教える方にとっても、自分の知識やテクニックを直に伝えることができる、貴重な場になるという。
一歩ふみこんでハワイ音楽をじっくり学ぶも良し、ホテルでのコンサートを気軽に楽しむも良し。メレ・メイは、色々な楽しみ方ができそうな、音楽の祭典だ。
さて、そのメレメイの一部として今年から5月に開催されることになったのが、ウクレレピクニック・イン・ハワイだ。
「ウクレレや音楽を通じて家庭に世界にそして地球に平和が訪れますように」というメッセージとともに始まったこのイベントは、2009年の第1回から毎年2月に開催されてきた。ハワイと日本をはじめとするアジアのウクレレ奏者が腕を披露し、初回から5000人以上が各国から集まってウクレレと音楽を楽しむ祭典となった。
「今まで毎年2月に開催していたウクレレピクニック・イン・ハワイですが、今年はハワイの音楽月間『メレ・メイ』期間中の5月に開催することにしました。より多くのハワイの人たち、日本はもちろんアジア、そして世界中の人たちに集ってもらって、ウクレレの特色でもある親しみやすさと明るく優しい音色にハワイのアロハスピリットを感じてもらいたいと思っています」と話すのは、サザンオールスターズのベーシストとしても知られる主催者の関口和之氏。
ウクレレピクニック・イン・ハワイの前には、カカアコ・ウォーターフロント・パークに建設予定のウクレレ・ミュージアムのチャリティーコンサート「ウクレレ・ミュージアム・ファンドレイジング・コンサート」や世界中のアマチュア奏者が腕を競う「インターナショナル・ウクレレ・コンテスト」も開催される。
そのウクレレ・コンテストの優勝者と共に、ナ・ホク・ハノハノ受賞者2組も、ウクレレピクニックに出場することになっており、受賞者にとっては受賞記念コンサートになる格好だ。
イベント中には、協賛各社提供の高級ウクレレやウクレレ関連商品が当たる抽選会もあるという。もちろんウクレレメーカーの出店もあるので、ウクレレファンにとっては必ず足を運びたいイベントになるだろう。
ウクレレピクニック・イン・ハワイの収益金は、すべて、カカアコ地区に建設予定中のウクレレ・ミュージアムのために使われる。この博物館は、ウクレレの歴史や、ウクレレがいかにしてハワイ音楽に影響を与え、貢献してきたかが一目でわかる常設展や、子どもや若手ミュージシャンのためのワークショップも開催できる場所になるという。
このウクレレピクニック、入場料は無料で、ハワイのクラフト、食事や飲み物を扱う店も出店され、子ども用のアクティビティーもあるので、ウクレレファンならずとも、音楽にあふれたハワイらしい1日を味わえる格好のイベントになるだろう。ワイキキ方面からシャトルバスが運行される予定なのもうれしい。
(’Eheu Spring 2014号掲載)
(Text: Ayumi Kekamaikamalukoa)
間もなく、音楽に彩られる1カ月「メレ・メイ」がやって来る。しかし「メレ・メイ」期間でなくても、ちょっと耳を澄ませば、あちこちでハワイアン・ミュージックを耳にする機会があることに気付くはずだ。例えばホテル。プールサイドのバーや海辺のラウンジで、夕方になるとバンドが心を和ませる旋律を奏でる。時にはフラダンサーも一緒に登場し、夕暮れのひとときを、よりハワイらしい時間に変えてくれる。
また、ライブ・エンターテインメントを定期的に実施しているレストランやバーなどには、世界各国から訪れる旅行者だけでなく、音楽好きのローカルたちも足を運び、お目当てのミュージシャンたちを応援しながら、お気に入りの音楽を楽しむ。そのほか、無料の音楽イベントも数多く開かれるので、気軽に出かけてみると、意外や意外、有名ミュージシャンの演奏が目の前で楽しめてしまうのは、ハワイではよくあること。毎年夏には、ホノルル動物園やワイキキ水族館、ビショップ博物館などでも、ピクニック気分で音楽が楽しめる有料のイベントが開催されるが、まずは左のリストを参考に、本物のハワイアン・ミュージックに触れてみてはいかがだろう。
バーエリア(予約不要)で、毎日7:00pm〜9:00pmにハワイアンミュージックのライブ演奏あり。月〜木曜はソロ、金〜日曜はミュージシャン2人とフラのコンビ。
レストランの名付け親のシリル・パヒヌイをはじめ、ショーン・ナアウアオなど、実力派ミュージシャンが毎晩日替わりで登場。時間は6:00pm〜9:00pm。
ジェリー・サントス率いるオロマナや、ヘンリー・カポノらが週末に登場。金曜日の花火を目の前で鑑賞しながら、コンテンポラリー・ハワイアンが楽しめる。
毎週火〜土曜の7:30pm〜11:00pmに定期演奏があるほか、月に1回、月曜日に地元ジャズミュージシャンによるライブが行われることも。
マノアDNA(水曜日)、タイマネ(金曜日)など、一流ミュージシャンの演奏が、プールサイドのバーで行われる。演奏は通常5:00pm〜8:00pm。
毎晩5:00pm〜8:00pmにライブ・エンターテインメントを実施。ジョニー・ヘルムらが定期的に出演している。海の間近で音楽とドリンクが楽しめる。
ハワイアンミュージックを中心に、毎日3組のミュージシャンによる生演奏が、プールサイドで楽しめる。日曜日は2:30pmからスタート。
毎日6:30pm〜9:00pmに、ハワイアン・ミュージックのエンターテインメントを実施。エリック・リー、ジェレミー・ヒロカワらが出演。土、日曜はフラダンサーも登場。
エンターテインメントは毎日5:30pm〜8:30pm。有名なフラダンサー、カノエ・ミラーさんのステージは、毎週金、土曜のみ。その他は、ミス・ハワイが日替わりで登場。
毎日6:00pm〜9:00pmに、店内でライブ演奏を実施。金曜のマノアDNAをはじめ、シンプル・ソウル、ジェイソン・レアフアなど、注目のミュージシャンが出演。
海風に吹かれながら、ビールを手に音楽を楽しむならここ。各種イベントの他に、ベン・べガスらのハワイアンやジャズ、R&Bなどが楽しめる。
毎週木曜日6:30pmより、ゲストミュージシャンの演奏をライブストリーミングする「パケレ・ライブ!」を実施。金曜日は、ハーブ・オータJrらも常連の特別ライブが行われる。
週末を中心に、ヘンリー・カポノ、マウナルア、カペナなどのグループが演奏。4:00pm〜6:00pmと明るい時間帯なので、サンセットと共に音楽が楽しめる。
目の前にアラワイ・ヨットハーバーが広がる絶好のロケーション。カクテルラウンジでは、ディーン&ディーンらによるバラエティーに富んだ音楽が聞ける。
カパフルにある、地元の若者に人気のローカルレストラン。ここを訪れる有名ミュージシャンも多く、遭遇率も高い。毎週木曜日6:30pm〜8:30pmにはワイプナが出演。
アラモアナセンター4階ホオキパテラスにあり、いつも音楽好きのロコで満員。日替わりで2〜3組のミュージシャンが演奏し、盛り上がりをみせる。
最高のハワイアン・エンターテインメントを提供するため、中庭でイベントを実施。クウイポ・クムカヒら一流ミュージシャンとフラダンサーたちによる、正統派の歌と踊りが鑑賞できる。
(’Eheu Spring 2014号掲載)
ハワイで5月は「Mei(メイ)」と表され、英語のMayとは似たようでちょっと違う。だから、ハワイの5月はアメリカの中でもちょっと違う。世界的に有名になったハワイアンミュージックのアワード「ナ・ホク・ハノハノ賞」の開催に合わせ、ハワイ全体が音楽月間に入る。そこかしこでライブや音楽イベントが催され、ハワイアンミュージックを楽しむには絶好の機会となるのだ。
5月の「メイ」にちなんで、この1カ月間にハワイで開催される各種の音楽イベントやライブを総称して、「メレ・メイ」と呼ぶ。ハワイ語のメレにはいくつかの意味があるが、主な意味は「歌」「歌詞」。つまり、音楽を楽しむ5月が「メレ・メイ」なのだ。そのクライマックスとなるのが、ハワイアン音楽のアワード(賞)である「ナ・ホク・ハノハノ賞」の授賞式。ハワイのグラミー賞と呼ばれるハワイアンミュージックの祭典だが、数年前からインターナショナルアルバム部門も新設され、日本をはじめ世界中からハワイアンミュージックのアーティストがノミネートされる。今や世界中から注目されるアワードなのだ。
ナ・ホク・ハノハノ賞の由来は1978年にさかのぼる。当時、世界で唯一ハワイアンミュージックだけを放送していたラジオ局「KCCN-AM」が、局内のアワードとして考案したのが始まりだ。ナ・ホク・ハノハノとはハワイ語で「名誉の星」という意味。ハワイアンミュージックの功労者を讃える賞だった。1978年の第1回の受賞者には、ハーブ・オオタ、メルビン・リード、ブラザース・カジメロなどが名を連ねた。
1982年には、音楽業界のレコーディングプロたちが運営する栄誉ある賞となり、ハワイアンミュージックに関わる誰もが憧れる賞へと成長していった。ハワイの音楽の世界での地位向上という思いを常に忘れず、またビル・ムラタ記念奨学金をはじめとした教育事業へも貢献して後進の育成にも意を注いでいる。
現在は、最優秀ハワイ語楽曲賞、最優秀ハワイ語パフォーマンス賞、最優秀ハワイアン・アルバム賞など30部門を数え、各界の名士が集う授賞式はハワイ全土にテレビ中継される。ハワイの人々はその夜を「ハワイアンミュージックに包まれる夜」と呼んでいる。
2015年は、ミュージシャンでありクムフラ(フラの師匠)でもあるケアリイ・レイシェルが、約10年ぶりとなるオリジナル・アルバム『Kawaiokalena』で最優秀アルバム賞や最優秀楽曲賞、最優秀男性ボーカル賞など7部門を受賞。最優秀エンジニアリング賞も入れると合計8冠という快挙に、会場は沸きに沸いた。
注目のインターナショナルアルバム部門では、日本からノミネートされた對馬健太郎さんのアルバム『Kepani』が受賞。「実はハワイに来るのは今回が初めて」という授賞式でのスピーチで会場を盛り上げた。
また、2015年からは「ナ・ホク・ハノハノ・アワード ノミネーション&ミュージック・フェスティバル」が日本で開催されるようになった。2016年は本番に先立つ4月10日に舞浜アンフィシアターで開催。ナタリー・アイ・カマウウ、ジョン・クルーズら「ナ・ホク・ハノハノ」の常連アーティストたちが日本で演奏し、このステージでノミネートも発表されることになる。
2011年からは、「ナ・ホク・ハノハノ」が開催される5月を音楽月間とする「メレ・メイ」がスタートしており、普段は生で聴けない有名ハワイアンミュージシャンたちが、ハワイのさまざまなステージでパフォーマンスを繰り広げる。月間スケジュールをチェックすれば、各会場ごとに有名アーティストが名を連ねることがわかる。フラやウクレレのワークショップもあり、なかには人気の現役ミュージシャンがウクレレやスラックキーギターの演奏法や作曲法などを教えてくれる講座も。ハワイアン音楽ファンにとっては垂涎ものだろう。
どの会場もリゾート感たっぷり。おいしい食事やカクテルと共に有名ミュージシャンの演奏を聴けば、ハワイアンミュージックの虜になること間違いなし。5月はハワイで過ごす。そんな予定がスケジュールに加わることだろう。
(’Eheu Spring 2016号掲載)
※このページは「’Eheu Spring 2014」および「’Eheu Spring 2016」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。