ハワイ現地発!最新生活情報&おすすめ観光情報サイト

男性レオ・キエキエ(ハワイアン・ファルセット)アルバムのご紹介

ハワイアン音楽の世界では「レオ・キエキエ」と言われるハワイアン・ファルセットという歌唱法が伝統文化のひとつ。いわゆる、高音域で喉を開いて息をうまく使いながら、柔らかい細い声で歌う歌唱法ですが、お勧めの男性レオ・キエキエアルバムをご紹介します。

ハワイという土地は、人間の五感を刺激する場所だと思います。五感が刺激されると脳にハワイという記憶として残ります。最も顕著な例は、目をつぶってハワイアンアルバムを聞くと、居ながらにして、椰子の木、灼熱の太陽、涼しい海風、花の清々しい香りなど、ハワイで体験した感覚や映像が蘇りますが、その記憶を呼び起こすエッセンスは、「レオ・キエキエ(ハワイアン・ファルセット)」という独特な歌唱法かと思います。外見は強面の男性シンガーも、歌いだすと、高音域の柔らかい細い声で優しく包み込んでくれる「あの歌い方」です。今回は、おすすめのレオ・キエキエ男性アーティストをご紹介します。

ハパの新作『トゥアヒネ』

まずは、21年前に結成、日本でも人気のハワイアン・ユニット 、ハパの新作『トゥアヒネ』。ハパという意味は、ハワイ語で半分ということ。つまり、白人とハワイアンのユニットだからハパ(半分)。スタイリッシュなメインランドの文化とアロハスピリットあふれるハワイアン文化という異なる環境から生まれたブレンド音楽は、逆に新鮮な「音の調和」を生み出し、数々のヒット曲を生んで来ました。今回のアルバムの『トゥアヒネ』は、ハワイアン神話でマノア谷に住む虹の女神「カハラオプナ」の母上でミスティレイン(霧雨)の精のこと。

メンバーのバリーいわく、「娘のカハラオプナを大事に思っている母親トゥアヒネ。制作している間、これは僕自身の母親にむけた敬愛の曲だってことがわかってきたんだ」。今作は、3代目ボーカリストとして、30年来の友人でオアフ島カイルア出身のロン・カアラアウを迎えた新生ハパの作品です。

TUAHINE

TUAHINE/HAPA

バリー・フラナガンのオリジナル曲『トゥアヒネ』ほか、ギャビー・パヒヌイの名曲『ヒイラヴェ』、カハウアヌ・レイクトリオの名曲『プア・リリレフア』、フランク・カヴァイカプオカラニ・ヒューエットの名曲『カワイレフアアアラカホヌア』など、スラックキーギターとハワイアンファルセットの組み合わせが聞かせどころの名曲を収録。アルバムのジャケットカバーは、「セピア色のフラダンサー」の写真集で有名なキム・テイラー・リース。
www.hapa.com

イカイカ・ブラックバーンの新作『マリウ』

続いて、ハワイのグラミー賞と呼ばれているナ・ホク・ハノハノ・アワードで、昨年、数多くの賞を受賞したバンド「ナ・ホア」のメンバー、イカイカ・ブラックバーンの新作『マリウ』。マウイ島ワイルクに住む現役の消防士であるイカイカ。息子のカマレイと共作の『カ・プア・メリア』は息子の母親であり、自分の妻であるシェリーさんをラハイナに咲く芳しいプルメリアに例えた極上ラブリー曲です。

maliu

maliu/IKAIKA BLACKBURN

2013年のナホク賞で4部門を受賞した「NAHOA(ナ・ホア)」のメンバー、イカイカ・ブラックバーンのソロアルバム。ちなみに「イカイカ」は、ハワイの男の名前のポピュラーネームで「強い」という意味。今作は、本人の結婚式に妻へ捧げた曲『マイ・ワイフ』や日本への演奏旅行の際、遠く離れた妻を想い、作った『クウ・ペー』など、典型的なローカルボーイの優しい気持ちが込められたハワイアンラブソング多数。ハワイアン・ファルセットで歌われるラブソングは、聞く人をメロメロに溶かす効果もあるので、気をつけてね。
www.facebook.com/ikaika.blackburn

ニール・ヤマムラの待望の新作『ナ・メレ・プメハナ』

最後は、デビューアルバム『セレニティ』(2007年)のレオ・キエキエがあまりにも素晴らしく、スタジオリム制作のハワイ発FMラジオ番組でもパワープレイした日系アーティストのニール・ヤマムラの待望の新作『ナ・メレ・プメハナ』。マウイ島ハレアカラのアップカントリーの街ハイク生れ。パイナップル農園主の父親と学校の先生である母親を両親に持つ生粋のマウイ人。シャイで大人しい性格と本人談ですが、太陽の家ハレアカラの麓で培った澄んだ、美しいハワイアンファルセットを一度聞けば、誰でもその声に魅了されると思います。

また、彼のレオ・キエキエの音域を広げた貢献者はハワイを代表する女性シンガー、メルビーン・リードさん。優しく包見込んでくれる、ハワイアン・ファルセットの魅力をぜひご堪能くださいね。

NA MELE PUMEHANA

NA MELE PUMEHANA/NEAL YAMAMURA

現在はホノルル市内のライフガードでもある日系シンガー、ニール・ヤマムラの新作。タイトルの「ナー・メレ・プメハナ」は、「僕のお気に入りの楽曲たち」という意味ですが、本人談によると、ライブで「歌ってくれと言われるリクエスト回数が多い楽曲」を集めたとのこと。ワイキキ、プア・オレナ、パパリナ・ラヒラヒなど、人気フラソングも収録。ピュアで素朴な澄んだレオ・キエキエはオリンピック金メダル級。聴く人をメロメロに溶かすこと間違いなし。アルバムは、www.mele.comで購入可能。

 

徳重玲子(STUDIO RIM HAWAII代表)

徳重玲子ハワイ在住14年。ラジオDJ、MC、ライター、イベントディレクター、コンサルタントと多方面で活動中。最近では、ハワイについての講演会も行っている。豊富なネットワークを持っているのも特長。国立新潟大学理学部卒業。
www.studiorimhawaii.com
http://facebook.com/reiko.rogers
twitter@PELEREIKO

(’Eheu Spring 2014号掲載)

※このページは「’Eheu Spring 2014」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

ライトハウス・ハワイのおすすめ記事

ギャビー・パヒヌイの銅像がビーチ・ウォークに!

2018.02.23

今年10回目を迎えたシリル・パヒヌイ主催の「ギャビー・パヒヌイ・ワイマナロ・カニカピーラ」。その公式Tシャツの販売収益金により、近代スラック・キー・ギターの父、ギャビー・パヒヌイの銅像がワイキキ・ビー...

ハワイアン音楽の期待の新人、「ケアウホウ」と「クーカヒ」

2018.02.22

ハワイのグラミー賞と呼ばれる「ナー・ホク・ハノハノ・アワード2017」で、ノミネートされた9部門を総ナメという快挙を成し遂げたトリオバンド「ケアウホウ」。一方、最優秀オルタナティブアルバム賞を獲得した...