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コアロハ・ウクレレの創業者、アルヴィン・オカミさんの男のロマン、愛、夢

来年、創業20周年を迎えるハワイのウクレレメーカー、コアロハ・ウクレレ。創業者であり、ミュージシャンである日系2世アルヴィン・オカミさんの男のロマン、愛、夢についてお話をおうかがいしました。

19世紀後半、日本を始め、世界の国からさとうきびプランテーションに従事するために多くの労働者がハワイへ渡りました。その後、任期を終え、自国へ戻る人もいましたが、「ここ、ハワイでがんばろう!」と生活の基盤を築いた方々の子孫が、現在、「〜系アメリカ人」と呼ばれています。そんな時代背景のなか、ハワイでは移民による多くの素晴らしい創造物が生まれました。そのひとつがウクレレです。ウクレレ誕生のきっかけとなったのは、ポルトガル人移民が持ち込んだプラギーニャという楽器。彼らはハワイ産のコアを使ってプラギーニャに似た楽器を作りましたが、その愛らしい楽器から発する音色に魅せられたハワイローカルはまるでノミが跳ねているようだと形容し、ハワイ語でウクレレと名付けました。その「ポロンポロン」という音色や愛嬌のある風貌の楽器は誰をも笑顔にするスーパー楽器だと思います。

アルヴィン・オカミ
アルヴィン・オカミ氏。手にするのは、新たなウクレレ制作の末に考案されたUKE S.Aの第1号モデル

さて、ハワイには現在、多くのウクレレ・メーカーがありますが、プロ&アマチュアプレイヤーに人気なのが創業19年のコアロハ・ウクレレ。創業者のアルヴィン・オカミ氏は20歳の時に「ウクレレの神様」と異名をもつオータさんバンドのオーディションを受け、シンガーとして採用され3年ほどワイキキ各所でシンガーとして活動した経歴の持ち主。そして手先が器用なアルヴィン氏が、20 年前にオータさんからの「世界一小さいウクレレを作ってみないか?」というリクエストに応え、実際に弾いたり、チューニングをすることができる16センチくらいのウクレレを完成。95年のウクレレフェスティバルで「ヒロ・マーチ」と「ジングルベルロック」を演奏した際、観客から大絶賛を受け、ウクレレクラフターの道を歩むことを決意。しかし、アルヴィン氏いわく、「手先が器用とはいえ、商業ベースにのせるウクレレ作りは大変。毎晩、妻のトリーシャとウクレレの構造の研究をしました。」とのこと。また、ブランド名の由来について、「ウクレレのKOA とハワイの挨拶ALOHA を合わせ、KoAloha と命名。その後友人のハワイ挙式でハワイアンソングを歌ってほしいと頼まれ、改めて、楽譜に目を通すと〝コアロハ・マカマエ・イポ〟というフレーズに気付き、その意味を調べるとコアロハ=あなたへの愛という意味があると発見し、改めて神のお告げなんだと感じたそうです。そんなマジカルな出来事からスタートした「コアロハ・ウクレレ」はハワイ、メインランド、日本のトップアーティストの間から、絶大な信頼を寄せるブランドに成長し、来年は20 周年となる節目の年。アルヴィン氏は長男&次男にコアロハ・ウクレレの経営を引き渡し、新たなウクレレ制作のインベーターとして、UKU S.A.(ウク・スペシャリティ・アメリカ)社を立ち上げ、ロープライス、かつ質の高い音色を出すウクレレを開発中とのこと。アルヴィン氏いわく、「コアロハ・ウクレレは職人のオール手作業ですが、ウク・スペシャリティ・アメリカでは手作業に代わる特別な機械を発明し、最後は、購入者が自分でウクレレを組み立てる仕組みになっているため、生産工程をセーブできます。よってコストを軽減でき、市場価格を安くすることが可能なのです」とアルヴィン氏。でも、これは、コアロハ・ウクレレの競争相手となるのでは?という質問に対して、「息子のアランも公認済。この安価&高品質ウクレレはウクレレの普及に役立ちますから」といつものアルヴィン・スマイル。還暦を迎えても夢とロマンを持ち続けるアルヴィン・オカミ氏の活動に今後も目が離せません。

 
BEAUTIFUL DAY'SBEAUTIFUL DAY’S
「ソロのオリジナルアルバムのリリースは、長年の音楽人生の夢だった」と語るアルヴィン氏。40年間に書きためた9曲を収録。8曲目に収録されているAMERICA’S SONGは、アルヴィン氏が大好きな自分の国「アメリカ」がまた以前のようなGREAT NATION ON THE EARTHとして、自他共に認められるようになることを願って制作。将来を担うご本人のお孫さんがコーラス参加、また、バックアップシンガーはマノアDNAが務めるなど聴き応えのある改作。また、東日本大震災復興支援ソング「なんでもできるYOU CAN DO IT, IF YOU TRY」や大好きなヌウアヌを歌うNU’UANUなどご当地ソングもあり。
www.koaloha.com

 

徳重玲子(STUDIO RIM HAWAII代表)

徳重玲子ハワイ在住14年。ラジオDJ、MC、ライター、イベントディレクター、コンサルタントと多方面で活動中。最近では、ハワイについての講演会も行っている。豊富なネットワークを持っているのも特長。国立新潟大学理学部卒業。
www.studiorimhawaii.com
http://facebook.com/reiko.rogers
twitter@PELEREIKO

(’Eheu Autumn 2014号掲載)

※このページは「’Eheu Autumn 2014」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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