サーフィンと座禅は、心がリラックスする瞬間が通じています
ハワイのお寺に配属されて引っ越して来たのが2015年。もともと海とは縁がなく、サーフィンへの興味どころか日焼けするのが大嫌いだったのですが(笑)、休みが平日でしたし、一人で特にすることもないという理由でサーフィンを始めました。最初は全然できなかったので楽しくなかったですね。でもユーチューブを見て習いながら海に通い続けるうちに少しずつ波に乗れるようになっていきました。
ハワイの海は本当に気持ち良くて、その中にいるだけでもストレス解消になります。それまで乗れなかった波に乗れるようになったりして成長を実感できると、どんどんのめり込んでいきました。今は、仕事の後にほぼ毎日サーフィンをしています。学生時代はスキーやゴルフの部活動をしていたのですが、どちらも始めは楽しくても練習がきつくなってくると、〝やらせれている〟という気持ちばかりが強くなっていきました。でも、サーフィンはどれほど続けても自発的に海に行って熱中することができる、初めてのスポーツとなりました。
サーフィンをしていくうちに気付いたのは、海の中で何も考えずに心静かに波を待っている状態は、私たちの教えである座禅に通じるものがあるということです。しかも、サーフィンをした後に程よく疲れた状態で座禅を組むと、欲のない状態となっているのでうまくいきます。「よし、精神統一するぞ!」と意気込むとよい座禅は組めないのです。
常にその瞬間を大事に、今を生きることを大切にしたいと思っているので、サーフィンを楽しめている今、本当に満足しています。ハワイの海でのサーフィンがあまりに素晴らしいので、いずれ帰国したらサーフィンでなく、その場所で今を楽しめるものを見つけると思います。
その前にもう少しレベルアップできたら、冬のノースショアでサーフィンを楽しみたいですね。
🏄♂️お気に入りサーフスポット
ほしの・まさたか
1986年新潟県生まれ。2009年、成蹊大学経済学部を卒業後、神奈川県の曹洞宗大本山總持寺へ仏道修行へ。5年間の座禅を中心とした修行後、僧侶の資格を得て、2014年、曹洞宗ハワイ別院正法寺に配属となり、ハワイへ移住。現在は修行時代の経験を活かし一般へ座禅指導も行う。
(2018年10月16日掲載)
※このページは「ライトハウス・ハワイ 2018年10月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。