CATEGORY

ハワイ食べある記

ハワイ随一のグルメ通として知られるショーン・モリス氏による人気連載コラム『ハワイ食べある記』。毎号、ライトハウス・ハワイの特集記事と絡めたイントロダクションから始まり、ユニークなショーン節でハワイのグルメスポットをチェックすることができます。

  • 2019.11.14

Kazuma @ ヴィンテージ・ケーブ

    僕は睡眠障害とまったく縁がない。多分立っていても寝られると思う。そんな僕が一番困るのがシアターだ。アクションとかドキドキさせられる映画が見られるムービーシアターではなく、オペラやミュージカル、演劇などを鑑賞する劇場が厄介だ。どんよりとした空気漂うあの薄暗い空間にいると、知らず知らずのうちに睡魔に襲われる。まぶたがとろ~んと重くなり、意識は朦朧とし、いつの間にか僕の大きな頭はこっくりこっくり。ガクンとビックリして目覚めるのも束の間、同じことを何度も何度も繰り返す。しかし、それに増して恥ずかしいのは、出張旅行の帰りの飛行機の中で自分のいびきに驚いて目覚めることだ。一体全 […]

  • 2019.11.14

アイランド・ヴィンテージ・ワインバー

    僕がハッピーアワーというコンセプトを楽しめることは滅多にない。ましてやそれをよく理解することもできない。第一、ハッピーアワーが開催されている時間帯は大方仕事をしているし、Eメールやレポートに目を通し、ミーティングや撮影を終えた頃には、そういう巷のハッピーな数時間は終わってしまっている。だから、僕にはレギュラープライスを払うしかチョイスがないのだ。第二に、旅行者以外で昼間の2時半に酒を何杯も飲む人なんているのだろうか?もちろんランチで飲むグラス1杯のワインのことを言っているのではないが。みんながみんな8時5時の仕事をしているのではないということは僕だって承知している。 […]

  • 2019.11.14

ジョリーンズ・マーケット

    僕が今仕事でやっていることは、学生時代に得意だったものと随分違っている。本当は英語よりも数学に強かった。ホノルルの小学館アカデミー風の塾でチューターとして子供たちに算数を教えていたことさえあった。しかし、大人になって広告・広報の畑で仕事をしだしてから、事は一転してしまった。今では、年間広告費や歳入の予算編成よりも、プレスリリースやフードコラムのライターとして知られている。それがいいことなのかどうかは今もよくわからない。しかし何れにしても、やりはじめたことがまったく違う結果に収まってしまうことがあるのだということを学んだ。 チャイニーズ・カルチュラル・プラザ内に新しく […]

  • 2019.9.30

和風ダイニング「きくゑ」

    子供の頃、僕にはいろんなルールが定められていた。早寝早起きをし、健康的なものを食べ、ジャンクフードはほどほどにし、絶対に嘘をつかず、人は公平に扱い、夜9時以降は電話もエレクトロニクスも使わないなど、数え上げればきりがないほどたくさんあった。矛盾しているのは、人は大人になると、そういう子供の頃に決められていたルールをほぼすべて守らなくなることだ。実際のところ、僕自身スマホいじりを夜9時前にやめることはまずないし、最後に自分の意思で夜9時前に就寝したのがいつのことだったか思い出せない。考えてみれば、どうも僕には反抗的なところがあるみたいだ。賞味期限を1日過ぎた牛乳はへっ […]

  • 2019.9.20

ラヴィ

    初めてのマイホームを買ったときのワクワク感を僕は今でも憶えている。あの頃の僕らには、大きな夢がいっぱいあった。楽しい“ペンキ塗りパーティ”まで計画していたのだが、やってみると現実は随分違っていた。楽しいどころか、ペンキはあちこちに飛び散るものだということを今更ながら発見。髪の毛や顔や腕にこびりついた白ペンキを垢すりみたいにゴシゴシ擦り取る毎日だった。そして最近はと言うと、わが家の家計は修理・改装に牛耳られている。夢に描いたあの素敵なマイホーム完成への希望は薄れる一方だ。もしも本当にお金持ちだったら、トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキやザ・リッツ・カールト […]

  • 2019.9.5

オノ2ガイズ

    僕は以前、カマアイナ割引を受けるのにどうして居住証明が必要なのか不思議に思っていた。着古したハワイアンプライドTシャツにボードショーツ、足丸出しのビーサンといういでたちで、ふんぞり返って歩いている姿を見れば、一目でロコだとわかるはずだ。重度の日焼けで真っ赤になった真っ白の肌にでっかいハイビスカス柄の派手なアロハシャツをまとい、ウエストポーチを腰に巻いたペアルックの旅行者とは紛れなく違うではないか。しかしこうして筆を走らせていると、なんかその理由が明らかになってきた。僕はアロハシャツというものをまず着ることがない。なぜかと言うと、メンズバッグを肩に掛けた色白の僕がアロ […]

  • 2019.9.5

ハナ-レイ・アット・22カイルア

    日本人であるということ。それは僕にとって、とめどなく謝り続けることを意味する。相手の過ちであった場合でさえも許しを請うのは、唯一日本文化だけだろう。いつだったか日本のあるカフェで、ウェイトレスの人に勘定書を持ってきてくれるよう頼んだことがあった。彼女は、僕が気づいていなかったテーブルの上に置かれてた勘定書をそっと指差し、「すみません、お見えにならなかったようで。お気づきいただけるように置かなかったことをお詫びします」と謝った。彼女が言わんとしたことはおそらく「あなたはコウモリみたいに盲目で、明らかにそこにあるものが見えないほど視力がダメになってしまっています(つまり […]

  • 2019.8.1

ベセル・ユニオン

    僕は、ガイドつまり手引き書の意味を基本的に理解してはいるのだが、どうもうまく使いこなせない。特にそれがコンピューターとかスマホのガイドだったりすると、設定中に凍結してしまったり、ガイド自体が古くなっていたり、説明がわかりにくかったり、ヘルプボタンを押すと未解決のまま別のページに移動してしまったりする。セルフガイドはばかげている、と僕は思う。そもそも第三者(著者)からの手助けなのだから、セルフヘルプではなく、単なるヘルプに過ぎない。“セルフ”と言うから問題が生じるのだ。自分で何かをするということは、他人のヘルプなしでやるということ。つまり自分でするのだ。   […]

  • 2019.7.19

ティービーディー… 

    年をとるということは、大変なことだ。近視なので遠くが見えるコンタクトレンズをずっと使用してきたのだが、年とともに近くのものがぼやけて見えるようになり、老眼用レンズもはめることにした。それはよかったのだが、いちいち片目を閉じて使い分けなければならないのが厄介だ。(ちなみに、どうして目を細めるとき、背中を丸くしてしまうのだろう?)この調子で行くと、10年後、僕の体はどれほど働きが鈍ってしまっているのだろうかと想像すると無性に心配になってくる。僕のPR会社のクライアントであるレストラン「TBD…」で最近何度か食事をしたのだが、こういう五感に訴えるマルチセンサリ […]

  • 2019.7.10

デック

    ハワイのモノの質の向上には目まぐるしいものがある。アイランドスリッパ、シグ・ゼーン、マナオラ 、ファイティングイール、ビッグアイランド・キャンディーズ、ハワイアンホーストなどフォワードルッキングな製品やコンテンポラリーあるいは時代を反映したスタイルを展開する多くのローカルブランドが次々と名をあげている。ひと昔前までは、旅行者のカップルが飛びつく派手なハイビスカス柄のアロハシャツ(結局ローカルはそんなものを着ないのだとすぐに気づいてしまうのだが)のように、メイド・イン・ハワイのものはやたら安っぽいものばかりに思えたのを憶えている。茶色の紙で包み、ラフィアをリボン替わり […]

  • 2019.6.27

アロハ・ステーキ・ハウス

    僕の両親は投資の下手な人たちだった。8トラックカートリッジテープやベータマックステープレコーダー、さらにはヒロの辺鄙な場所に土地を買うなど、まったく賢くない運用ばかりしていた。最近、今は亡き継父が僕に残してくれたそのヒロの土地を買いたいという人が出てきたのだが、オファーはわずか数千ドルにも満たなかった。資産家が亡くなると相続をめぐって大もめになることが多い。家族が崩壊してしまったという話もよく聞く。だから僕はそれを羨ましいとは思わない。   財産のない家に生まれ育ったおかげで、僕は勉強に励み、一生懸命働く大人になった。少なくとも自分的には、おおかた自力でこ […]

  • 2019.6.27

ワイキキティー

    ウエストラインが1インチ増えるごとに、僕はデブネタのジョークを笑えなくなってきている。笑うどころかむしろそれを恐れるようになっている。もしもグランドキャニオンに落っこちたとしたら、途中で挟まって動けなくなってしまうかもしれない。でも仕方がないのだ。なぜかと言うと、ただ単に僕は根っからの食べもの好きなのだから。アーティスティックなプレゼンテーション、うっとりさせられるフレーバーコンビネーション、意表を突いたテクスチャー、珍しい食材。一体全体誰がそれを拒むことができるのだろう?人は巨大な渓谷の狭間を見るために何千マイルも旅するかもしれないが、僕はむしろお腹の中の狭間を埋 […]

  • 2019.5.16

凜花

  僕はときどき、本土や海外の大学に留学していたらどんなだっただろうと思いを巡らすことがある。もしもアイダホとかネブラスカのようなアジアとあまり繋がりのない土地に行っていたら、かなりホームシックにかかっていただろうと思う。米は手に入りにくく、肉とポテトあるいはコーンが主食の生活に嫌気が差すだけでなく、カルチャーショックですっかりダメになってしまっていただろう。   僕は白人の血を引くアメリカ人だ。しかし、白人よりもアジア人としての認識の方が高い。その証拠に、僕たち夫婦は本土を旅行しているとき、少なくとも1日1回は和食を食べる。毎日和食だったとしても僕は平気だ。平気どころか喜 […]

  • 2019.5.3

マウイブリューイングカンパニー

    日本人であることには、何かとストレスがつきまとう。平均的日本人は、日本に行く前に必ず家族や知り合いにあげるお土産を買い揃える。そして日本に行ったら行ったで、今度はハワイの家族や知り合いのためのお土産を買わなければならない。僕みたいに年に4・5回行く者にとって、それはまるで助けてくれるエルフのいないアジア人サンタクロースみたいだ。幸いにも僕の場合、仕事柄日本人に会うことが多く、また日本から帰ってくるロコの知り合いも結構いるから、あげるだけでなく、もらうこともよくもある。だからうちの台所の戸棚は、クッキーやらラスク、えびせんなどで常に溢れている。 最近は、レストランでも […]

  • 2019.4.26

ソウル豆腐ハウス

    僕は、アジア人の中で美の要素を一番持っているのは韓国の人たちだと思う。美容整形にはまり込んでいる人が多いのは確かだが、概して顔色がすごく綺麗だ。女性もそして男性も(少なくとも、美女かと思わんばかりの美貌を持つK-POPの男の子たちは)びっくりするほどゴージャスだ。ただ僕が理解に苦しむのは、なぜ多くのアジア女性たちはあれほどまでに美少年たちに狂ってしまうのか、ということ。僕もあんな風に女性的な美を放つようになったら、追いかけ回されるのだろうか。そんなことに思いを巡らせていたら、韓国の人たちをあんなに華麗に見せている要因は一体全体何なのか、やたら気になり出した。 そこで […]

  • 2019.4.26

ラブ&ライムズ

  40歳を優に超えた今日この頃、僕は加齢に伴う痛みをあちこちに感じている。ちょっと寝違えをしただけで体のどこかが痛くなったりする。人は、さすがフードライターだけあって随分太ったね、なんて言いながら、まるで僕がラッキーブッダの仏像であるかのようにぽっこりお腹をさする。写真を撮るときは、息を思いっきり胸いっぱいに吸い込まない限り突き出た下腹が引っ込まない。そして肌はと言えば、あちこちに出現するシミで、草間彌生さんの世界観がゆっくりゆっくり広がっている。 年をとるのは本当に嫌だ。だから、急速に進む老化現象をなんとかスローダウンさせるべく、僕は最近食べるものにより注意を払うようにしている。 […]

  • 2019.4.26

キング・レストラン&バー

先日、ある新レストランでランチをしていたとき、行儀の悪い子供を連れた家族客のせいで嫌な思いをさせられた。子供たちは駄々を捏ねるとき、あんな小さな体からどうして出てくるのだろうと思うほど大きな金切り声を上げる。かわいいけれども一瞬にしてモンスターに早変わりする子供たちの面倒を、長い夏休みの間、四六時中見なければならない世の親や祖父母の人たちのことを想像し、僕ならきっと気が狂うだろうなと思った。僕には子供がいない。いてもいいかなと真剣に考えるときもあるのだが、癇癪を起こして手に負えない子供を目にするたびに、やっぱり辞めておこうと思う。友だちの子供たちといても、たとえほんの2・3時間でもすっかりくた […]

  • 2019.4.26

ファーム・トゥ・フォーク・マノア

エクササイズで何がつらいかというと、上向きの体操が多いことだ。腹筋、懸垂、腕立て伏せ… どれも重力に逆らうものばかり。それよりも僕は、下向きの動作が好きだ。座る、横になる、物を置く、食べものをお腹の中におさめるなど、ずっと簡単だ。 それに下向きは、万有引力という自然界の法則に従っているからはるかにナチュラルだ。僕はルールを守るまじめなタイプ。だから、脂肪分とカロリーの摂取量を抑え、合成保存料とかを含まないヘルシーなものを食べるようにすれば、もしかしたら下向きテーマを維持しながら、多少なりともより健康的な方向に進路調整できるのではないかと思っている。 2・3ヶ月前に開店した「ファーム・トゥ・フォ […]

  • 2019.4.26

パリ・ハワイ

僕は、英語は横柄さに基づいた言語だと思う。日本人は自分たちの国のことを“ニホンあるいはニッポン”と呼ぶが、英語では、その昔マルコポーロが“ジパング”と称したことから“ジャパン”となっている。また、中国人たちは祖国を“チョンクオ”と呼ぶが、英語では“チャイナ”だ。これはまるで、例えば僕が紹介された“ミツコ”という女性を、名前がうまく発音できないばかりに“メアリー”と呼ぶようなものだ。そんなことを言い出したらキリがないのだが、oughを含む単語も難儀だ。cough、rough、though、through、thought。どうしてみんなこんなにも発音がバラバラなのだろう。フランス語も厄介な言葉だ。 […]

  • 2019.4.26

ザ・リップル・オブ・スマイルズ

音楽、特にウクレレを弾くことには薬用効果がある、と多くのブログで唱えられている。心和むその音色なのか、それともポジティブな音波なのかは知らないが、とにかくヒーリングに繋がるということは僕も信じる。モーツアルトやヴィヴァルディなどのクラシック音楽が植物を成長させる、いやさせないという議論が白熱するこの世の中、何だってあり得るだろう。エネルギーというものは、ポジティブであろうとネガティブであろうと感染するものだ。疑問に思うなら、政治家に対する不満を言って見ては?きっとみんな寄ってたかって、それぞれネガティブな意見を付け足すだろうから。 しかしそれよりも僕には、素晴らしい料理を見つけては面白おかしく […]

  • 2019.4.25

ハムジパク

ウキウキ気分で過ごしたホリデーシーズンの余韻まだ冷めやらぬのに、目の前にはタックスシーズン再来という厳しい現実が。断腸の思いで税金を納めたのは、ついこの間のことだったのでは?今年もまたそれを繰り返さなければならないのだろうか。僕には物事を単純化してしまうところがあるということは認める。しかし、納税申告書はあまりにも複雑すぎるのではないだろうか。まるで数学のテストみたいだ。誤答を出せば多額を払わなければならないし、まったく解答しなければ刑務所送りになりかねない。だから、このテストがパスできる少数の人たち、すなわち公認会計士を多額を払って雇うしかない。そして彼らは、出来上がった申告書を手渡し、間違 […]

  • 2019.4.26

カフェ・アジア

僕たちアジア人は、正月に関してどうしてこうも迷信深いのだろう?初詣に行ってお守りを買い、不老長寿・幸福を招ぶとされる縁起の良いものを食べ、お正月が過ぎれば元の鞘に収まってしまうとわかっていながらも、とりあえず家中の大掃除をする。僕はときどき、おせち料理を作ったり、探したりするのが面倒になり、何かほかのもので代替することがある。長生きのためには健康を促進する果物や野菜のスムージーがいいし、幸せにはジューシーなリブアイとロブスターが十分にその役割を果たしてくれる。そして若々しい美肌にはコラーゲン鍋なんかがもってこいだ。考えてみれば、鍋料理の材料は正月に相応しいものばかりではないか。ということは、お […]

  • 2019.4.26

ノエ

ホリデーシーズン中の人々の金銭感覚が僕にはどうも理解できない。一年に一回感謝を表し、プレゼントを贈り、(2・3ヶ月もすれば忘れてしまうのではあるが)一応なんらかの決意をする季節だ。今年一年なんとか無事に切り抜けられたという大義名分のもとに、多額をプレゼントに使い、高級ワインやシャンペンの栓を抜く。さらには、まるで来年はお金を持っていることが流行らなくなるかのように、贅沢三昧の食事に出かけたりする。とはいえ、この時期は確かに外食にベストだ。ありとあらゆるグルメ食材が巷に出回る。たまたま旬だからなのだが、消費者の財布の紐が緩むからというのもその理由だ。 フォーシーズンズ リゾート オアフ アット […]

  • 2019.8.20

焼鳥 あんどう

今年は、大きな変化の一年だった。その多くが不幸な変化だったのは残念だ。職種替えや転職をした人をたくさん知っている。多数が自らの選択ではなかった。また、何人もの親しい友人が突然亡くなった。料理界では、アンソニー・ボーデイン、ジョナサン・ゴールド、ジョエル・ロブションら名シェフが亡き人となった。そしてここハワイはと言うと、ル・ビストロ、サニーサイド、モカジャバ、ワイラナコーヒーハウス、ザ・ダムコック、グロンディン・フレンチ・ラテン・ビストロ、ヤウアチャ、幸の鳥、サンジェルマン&ディーライトベーカリーが閉業した。新レストランも登場したことはしたのだが、結局期待外れが多かった。 しかし、“グラスは半分 […]

  • 2018.11.28

章(Akira)和食レストラン

  僕は映画マニアだ。Tsutayaに負けないくらい膨大な数のDVDを持っている。中には海外のものもあるが、大半はアメリカ映画だ。当然ながら、僕は食べ物をテーマにした映画に特に興味がある。ただ困るのは、そういう映画を映画館で見ると、ストーリー中に出てくる食べ物が今すぐにでも食べたくなってしまうことだ。「UDON」を見て、玉子を落とした熱々のうどんが無性にすすりたくなったのを憶えている。アメリカのドキュメンタリー映画「二郎は鮨の夢を見る」は、僕にも鮨を夢見させた。そして、何がなんでも銀座の「すきやばし次郎」に行きたくなった。しかし、2年待ちと知って絶望的な気分に。結局、先日惜しくも亡く […]

  • 2018.11.28

マック24/7

  アメリカ人の食事は、だいたい炭水化物とタンパク質、そして彩りとして、または(罪悪感を減らすために)お愛想として添えられたほんの少量の野菜で構成されているのが普通だ。典型的なアメリカンブレックファーストと言えば、ベーコン、ソーセージ、卵、パンケーキ、ペストリー。植物由来の材料は、せいぜいデニッシュに入った甘いアプリコットジャムくらいだろう。 そしてディナーはと言うと、スパゲティミートボール、ミートローフとマッシュポテト、マカロニ&チーズ、ハンバーガー、ホットドッグ、チリドッグ、フライドチキンとビスケット、そしておおまか白と茶色のもの尽くめだ。ケチャップとレリッシュだけがかろうじて野 […]

  • 2018.11.28

ラングーン・バーミーズ・キッチン

  富と遺産は、呪われた宝になりかねない。お金持ちの親が亡くなった後の財産相続で、親の世話をしたわけでもなかった者がより多くの取り分を主張したがために兄弟姉妹間で裁判沙汰になるほど大揉めになったというのは、かなり頻繁に耳にする話だ。そんなことを聞くたびに僕は本当に悲しい気持ちになる。それなりの生命保険をかけておけば、おそらく生前よりも死後の方が価値が高いだろう僕のような貧乏人の場合、喧嘩する原因がないからそれはある意味幸いなことかもしれない。いくら頑張ってもなかなか資産が殖やせず、おまけに親もお金の使い方のヘタな人たちだったこともあって(8トラックカートリッジテープ、ベータマックステ […]

  • 2018.9.28

パーヴェ・ドーナツ・ストップ 

  朝ごはんにケーキ?!僕の母なら(そして大抵のお母さんたちも)きっとそう叫ぶだろう。確かに、朝からケーキを食べるなんて以ての外に思える。子供のころは、それがなぜ悪いのかさっぱりわからなかった。大人になった今でも、完全に納得しているとは言いない。ホイップクリームをのせたパンケーキやフルーツをのせシロップをかけたワッフルはありなのに… 糖分が18グラム以上だから?それともフルーツ入りだからいいのだろうか。   レストランの朝食ビュッフェにも、必ずといっていいほどパンケーキやワッフルが並ぶ。それだけではない。デニッシュやチョコレート(!)クロワッサン、マフィン(カップケーキのパ […]

  • 2018.9.28

山田チカラ

    僕が学校で嫌いだったことのひとつは、義務教育制度ゆえの面白くもない教科書や本を山のように読まされたことだ。ページをぼんやり眺めながら、何ページ読んだか、あと何ページ残っているかを何度も何度もチェックしていたのを憶えている。大人になった今では自分の好きな本が読めるのだが、今度は読んでいる時間がない。読みたい本はいくつもあるが、特にずっと長い間そう思ってきた本のひとつは、世界的に有名な食物と調理化学の権威ハロルド・マギー氏著の「On Food and Cooking」だ。1984年に出版されたこの本は、食品化学、調理科学、食の歴史を、材料間に起こる化学反応や正確な温度設 […]

  • 2018.9.6

カフェ・モリーズ

  災害から復興する日本の早さに僕はいつも頭が下がる。例えば、地震。一旦揺れが治れば、人々は何事もなかったかのように普段の生活に戻る。電気は通っているし、電車ももちろん運行している。それとは反対に、僕らハワイの住民は災害の対応に慣れていない。今年はじめに起こったミサイル誤報事件がいい例だ。災害への備えが日頃からできていないから、放射能を避けられるわけでもないのに、下水道に隠れたり、マットレスでドアをバリケードしたり意味もないことをやってしまった。考えてみれば、核兵器による攻撃やその後の放射能から逃げられる場所などなく、しかも残るは10分か15分くらいとなったら、一体全体僕らはどこへ行 […]