聖地ハワイでのフラ舞台

フラ

Pua Ali‘i‘Ilima(クムフラは、メリーモナークで審査員も務めるヴィッキー・H・タカミネ)

真夏のホノルルで繰り広げられる
聖なるフラ舞台とケイキ(子ども)たちの勝負フラ

(Text & Photo by Miyuki Seto)
 

Hula Halau‘O Leilani(神奈川のハラウ。ソロ部門に出場した琴音ちゃん)

7月第3週目の週末、オアフ島で2つの大きなフラ・イベントが開催される。ひとつは、「この木何の木」で有名なモアナルア・ガーデンの巨木の下で神聖なフラが踊られるフェスティバル。もうひとつは、ハワイの子どもたちの“メリーモナーク・フェスティバル”と言われるケイキ・フラ大会だ。どちらも見応えたっぷり、この時期にホノルル滞在するなら見逃せない。


【プリンス・ロット・フラ・フェスティバル】

音が鳴るウリウリというフラ楽器を用いて踊られるカヒコ(2011年のプリンス・ロット・フラ・フェスティバルより)
Na Pua‘ala o ka Palikapuni‘iaekauanoe(ミドル・スクールのフラ大会で優勝したハラウ)

もちろんハワイはフラの本場。だから、メリーモナーク・フェスティバルに代表されるフラの競技会が一年を通じて数多く行われる。でも、毎年7月に開かれる「プリンス・ロット・フラ・フェスティバル」は、緊張の中で見るフラ大会やワイキキの夜を楽しむショーとは一味も二味も違う。かつて王族がフラを楽しんだ歴史的な緑地公園で、巨木の下に作られた土の舞台。そこで木漏れ日の中踊られるフラには、ハワイ人としてフラを大切にする精神が込められている。

かといって、堅苦しいイベントではない。当日はビニールシートやお弁当持参で多くの家族連れが訪れる。
  

プリンス・ロットを讃えるセレモニーから、フェスティバルは始まる(2011年のプリンス・ロット・フラ・フェスティバルより)

プリンス・ロットとは、1863年から9年間ハワイを治めたカメハメハ5世のロット・カプアーイヴァのこと。宣教師らによって禁じられたフラをカラカウア王が復活させた話は有名だが、実はカラカウア王よりも早い時代に、ロット王もフラ復興に力を注いだのだ。彼は、フラが廃れないよう、自分の別荘でパーティーを開き、フラと音楽で客人をもてなしたという。その舞台となったのが、モアナルア・ガーデンだ。

 

ティーリーフのスカートで踊るトラディショナルなカヒコ(2011年のプリンス・ロット・フラ・フェスティバルより)
Ka Pa Nani‘O Lilinoe(クムフラはリリノエ・リンジー。オアフ島パール・シティのハラウ)

プリンス・ロットに倣い、“競い合いではなく、楽しむ”のが、このフェスティバルの主旨。毎年、10~12ハラウ(フラ教室)ほどが参加し、古典フラのカヒコを中心にそれぞれ25分ほどの持ち時間でフラを披露。クムフラが恩師から受け継いだ古典や、昔から人々に愛される名曲が多く踊られ、フラ好きにはたまらないフェスティバルだ。

◎ プリンス・ロット・フラ・フェスティバル / Prince Lot Hula Festival
▶ 会場:モアナルア・ガーデン(ワイキキから車で約20分)
▶ 日時:7月19日(土)9:00am~4:00pm
▶ 入場料:無料(ただし、寄付金として3ドル)

 

【クイーン・リリウオカラニ・ケイキ・フラ・コンペティション】

少女のアウアナ群舞1位になったカウアイ島のハラウ(2013年クイーン・リリウオカラニ・ケイキ・フラ・コンペティションより)
Halau Ka Lei Mokihana o Leina‘ala(ケイキ・フラ界で頭角を表すカウアイ島のハラウ)

そして、7月の同じ週末、3日間にわたり開催されるのが「クイーン・リリウオカラニ・ケイキ・フラ・コンペティション」。ハワイ最後の女王、リリウオカラニがハワイの子どものために尽力したことから、その名が掲げられた。6~12歳限定の、ハワイ最大のキッズフラ大会だ。ただし「子どものフラなんて」と思ったら、大間違い。ハワイ各島から集まったハラウによる、気迫のこもったカヒコや情感たっぷりのアウアナは、見事なものだ。予選会を勝ち抜いた日本の子どもたちも出場。栄誉ある1位を目指して繰り広げられる子どもたちのフラ決戦は、メリーモナークに負けないくらい熱い。

マウイ島の少女たちのアウアナは、優雅そのもののフラだった(2013年クイーン・リリウオカラニ・ケイキ・フラ・コンペティションより)
Halau Kekuaokala‘au’ala‘iliahi(それぞれ有名ハラウで踊っていた夫婦が開いたマウイ島のハラウ)

 

ソロ部門では、マスター・ケイキ・フラとミス・ケイキ・フラが選ばれる(2013年クイーン・リリウオカラニ・ケイキ・フラ・コンペティションより)
Halau Kekuaokala’au‘ala‘iliahi(2013年マスター・ケイキ3位のクルーズくん)

◎ クイーン・リリウオカラニ・ケイキ・フラ・コンペティション / Queen Lili’uokalani Keiki Hula Competition
▶ ニール・ブレイズデル・アリーナ
▶ 7月17日(木)6:00pm(ソロ)、18日(金)6:00pm(カヒコ)、19日(土)1:00pm(アウアナ)
▶ 1日20ドル前後(当日券もたいてい買える)

(‘Eheu Summer 2014号掲載)
 

フラ・ホオラウナ・アロハ
日本人フラ愛好者のための聖地ハワイでの祭典

 
フラの聖地ハワイで、日本のフラ愛好者のために開催されるフラの祭典「フラ・ホオラウナ・アロハ」。意味は、フラを通しての友情と愛。今年13回目を迎えるこの大会では、経験年数や年齢を問わず、フラを愛する人なら誰でも、思い思いのフラを踊ることができる。ハワイの伝統文化・フラの真髄に触れるアロハ・スピリットに満ちたイベントだ。

昨年グループ・ワヒネ部門で優勝したカロケメレメレ・フラ・スタジオのダンサーたち

毎年7月に開催される「フラ・ホオラウナ・アロハ」、13回目となる今年は、7月12日(土)・13日(日)・14日(月)の3日間にわたり開催される。「フラ・ホオラウナ・アロハ」は、2001年9月11日の米国同時多発テロ事件以後、激減した観光客を再びハワイに誘致するために企画された。
 
毎年7月に開催される由縁は、日本とハワイが天の川を越えて結ばれるように、七夕の月に日本とハワイがハワイの伝統文化のフラを通して交流するイベントとして発足したことから。当時、フラは既に日本でブームになっていたが、日本人が「メリー・モナーク・フェスティバル」などの伝統的なフラの祭典に参加することは不可能に近かった。
 
そこで、経験年数や年齢を問わず、フラを愛し、フラを一生懸命に学んでいる人なら誰でも参加できるフラの祭典「フラ・ホオラウナ・アロハ」が考案された。つまり、日本人のための聖地ハワイでのフラ大会だ。
 
現在、日本のフラ・ハラウ(フラの学校)は、全国で300以上あると言われているが、第12回の昨年は、30ハラウが参加した。参加者は初回の80人から6倍以上も増え、約500人が参加し、これまでに延べ5200人が参加している。

昨年ソロ・ワヒネ(インストラクター部門)で優勝したカロケメレメレ・フラ・スタジオのソリスト高嶋藍子さん

 

昨年ソロ・ケイキ部門で優勝したレイ・フラ・スタジオの加藤晴子さん


 

イベントは、エキシビション、コンペティション、ワークショップ、パーティーの4部構成。初日の7月12日(土)は、エキシビションが開催される。フラを学び、フラを楽しむ人たちが日頃の練習の成果を発表するイベント。審査や評価は一切ないので、楽しみながらフラを踊ることができる。
 
2日目、13日(日)のコンペティションは、今年もロイヤル・ハワイアン・ホテルのココナッツ・グローブで開催される。この地は、かつてハワイ王国の王族の遊び場として使われた場所でもあり、カアフマヌ女王の別荘があったところ。そんなハワイアンにとって重要な意味を持つ場所で開催されるコンペティションは、競技会ながら温かい雰囲気が漂う楽しい祭典。毎年この日のために練習を積んだダンサーたちが優勝杯を目指して華やかに競い合う。
 
12年の歴史を振り返る

昨年グループ・クプナ部門で優勝したレイ・フラ・スタジオのダンサーたち

第1回から参加し、一昨年、昨年と2大会連続で最高得点賞を受賞した東京の「レイアロハ・フラ・スタジオ」の木村やよい先生は、
「娘のしゅりが7歳の時、第1回大会に参加しました。まるで家族のように皆さんが迎えてくれて、とても温かい印象でした。回を重ねるごとに参加者が増えていますが、このイベントの根底にあるアロハ・スピリットは、初回からずっと変わらないと感じています。
 
第10回目でしゅりがソロ・ワヒネ部門で優勝し、更に思い出深い大会となりました。彼女は踊っている時の観客の温かさや、青い空、優しい風が心地良いと言っています。競技会なのに踊っている幸せを感じられるのは、この大会ならではの素敵なところです。
 
大会アドバイザーのクムフラ(フラの師匠)、フランク・カヴァイカプオカラニ・ヒューエットさんは、『これからもケイキ(子どもたち)を大切に育ててくださいね』と優しい言葉をいつもかけてくださいます」と語る。
 
同じくこの大会の家族的な温かさが好きだと言うのは、昨年ソロ・ケイキ部門とグループ・クプナ部門で優勝した名古屋の「レイ・フラ・スタジオ」の澤田麻美子先生。「私も初回から参加しているので思い出が沢山ありますが、これまでの大会で一番印象に残っているのは、第1回に参加したワークショップです。当時日本では、ハワイの著名なクムフラの指導を受ける機会は、ほとんどありませんでしたから、クム・レイアロハに出会えたことは、私の人生 において大きな出来事でした。

ワークショップではレイメイキングなど、ハワイでしか体験できない教室が開かれる

 

ハワイのクムフラによるワークショップでは、本場のフラを取得できる

私は『フラ・ホオラウナ・アロハ』と共に成長させていただいています。初めは私だけの参加でしたが、次第に生徒と来られるようになり、その生徒たちがエキシビションに参加するようになりました。コンペティションにはまず私が参加しましたが、昨年は生徒たちをその晴れ舞台に立たせることができました。この大会で多くの方の温かさと愛情に触れ、皆さんのお陰で成長することができました。今年はエキシビションのソロ・ケイキカネに参加する子がいるので、今からとても楽しみにしています」と語る。
 
2人の先生が語るように、この大会の特長はアロハ・スピリットと大会に携わる人や観客の温かさ。さらにもう一つの特長は、クムフラやベテラン講師陣によるワークショップ。フラだけでなく、レイメイキングやハワイの伝統文化を学ぶことができる。
 

ハラウ同士の親睦を深め、アロハ・スピリットを共有するために開かれるイベント最終日のパーティー

最終日のパーティーは、有名なクムフラや一流アーティストと気軽に交流できる楽しい参加型イベント。「フラ・ホオラウナ・アロハ」は、フラを愛する人にとってまたとない機会を与えてくれる。

 

フラ・ホオラウナ・アロハ イベント日程

エキシビション(ホイケ)「アラモアナセンター」
フラを学び、フラを楽しむ人たちが、日頃の練習の成果を発表するためのイベント。審査も表彰もなく、誰もがリラックスしてフラを披露することができる。フラの聖地ハワイで生花レイを付け、地元の人たちの温かい声援を受けながらフラを踊れる。地元ハラウの出演や、ハワイアン・ミュージシャンのライブ演奏もある。
 
コンペティション「ザ・ロイヤル・ハワイアンココナッツ・グローブ」
事前選考を通過した日本のハラウによる、競技を目的とした大会。ソロ・ケイキ、ソロ・ワヒネ・ハウマナ(若い女性・生徒)部門、ソロ・ワヒネ・インストラクター(若い女性・先生)部門、グループ・ケイキ部門、グループ・ワヒネ部門、グループ・クプナ(46歳以上)部門の各部門に分かれて競われる。審査には、ハワイを代表するクムフラ(フラの師匠)たちが厳正な審査をする。競技会ではあるが、地元のダンサーやハワイアン・ミュージシャンも登場し、華やかな雰囲気。
 
ワークショップ
審査員を務めたクムフラやイベントに参加したアーティストなどから直々に指導してもらえる教室。アウアナ(現代的)、カヒコ(古典)の2種類のフラ、チャント、レイメイキングなど、本場ハワイでしか体験できない数々の教室が開催される。
 
フラ・ホオラウナ・アロハ・パーティー
イベント最終日に開催される、有名ミュージシャンによるライブパーティー。フラを通してアロハ・スピリットを共有し、ハラウ同士の親睦を深めるのが目的。豪華なゲストや著名なクムフラと一緒に踊れる貴重な機会でもある。ハワイならではの、参加して楽しむパーティー。
 

◎ フラ・ホオラウナ・アロハ / Hula Ho’olauna Aloha
お問い合せ(日本事務局)
☎ 03-5776-0304
▶ Webサイト:www.hoolauna.com

 
(‘Eheu Spring 2014号掲載)

※このページは「Eheu Summer 2014」および「‘Eheu Spring 2014」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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