今年はどこに旅行へ行こう? 旅を知り尽くしたプロに、2020年ぜひ訪れてほしいという旅先を語ってもらいました。
アクティブ派ものんびり派も、週末旅もロングバケーションも、アナタにぴったりの旅が見つかるはず。
次の休みが、待ち遠しくなってきた?
travel 01
バルセロナとグラナダ(スペイン)
スペイン2都市、建築に魅せられる旅
ハワイから米本土を経由して計23時間前後で(航空会社による)、スペインのバルセロナに到着。今回の旅のテーマは、建築です。
バルセロナは、アントニオ・ガウディの建築が街中に点在する街。その中でも最も有名なサグラダ・ファミリアは、建設開始から100年以上を経た今でも未完成の巨大なパシリカ(教会)。デザインのほとんどは、スペイン内戦の混乱で消失。その後、ガウディの残した外観のスケッチと、携わった人々の口伝えから図面を書き起こし、現在まで建築が進められています。外観は、自然や聖書の内容を象徴する彫刻が施され、外観とは対照的な近未来的な内装は、さまざまな角度から入る光とのコラボで美しく輝いています。
外観は、道路を挟んで写真を撮ると撮りやすいですが、全体を入れるためには広角レンズが必要。季節によって午後6〜午前0時の間、毎晩ライトアップされます。たくさんのステンドグラスがはめ込まれている美しい天井。エレベーターで塔の上部まで上ると、窓からフルーツの装飾を見ることができます。建物の中に入るには予約が必要。公式ウェブサイトから英語で予約ができます。
バルセロナから電車で約6時間半。イスラム建築最高峰と言われているアルハンブラ宮殿のあるグラナダに到着。アルハンブラ宮殿は、13〜15世紀にかけて繁栄したイスラム帝国、ナスル朝により作られた宮殿。宮殿の天井や壁には、アラベスクと呼ばれる幾何学模様の細かい装飾が施され、その模様はまるで宇宙を模したよう。どこを見てもため息が出るほどの美しさです。また、ナスル朝衰退後この地を支配したキリスト教の建築物も加わり、世界でも数少ないイスラム教とキリスト教の建築が融合した施設としても知られています。
スペインは「建築」「アート」「歴史」「宗教」そんなキーワードが気になる方におすすめの旅行先。次の休みは、ぜひスペインを訪れてみてはいかがでしょうか?
紹介者
トラベルライター 芦刈いづみさん
Web : la-pan.com
travel 02
東北地方(日本)
「定番」の一歩先、ディープな東北地方を回る
今回は数ある日本の旅行先から、昨年有名米国旅行雑誌でも取り上げられ注目を浴びつつある東北の魅力的な場所をご紹介します!
一つ目は青森・秋田に跨る十和田湖と、青森の奥入瀬渓流。奥入瀬渓流は美しい滝や清流、岩など、特別名勝や天然記念物の見所だらけの14kmの渓流で、マイナスイオンを浴びながら散策を楽しめます。渓流沿いには車道と遊歩道が整備されており、誰でも気軽に四季折々の美しい景勝地を散策できるのも魅力の一つです。紅葉がピークの10月中旬〜11月初旬、新緑の美しい5月が特におすすめの時期です。
二つ目は岩手県の。猊鼻渓と言えば舟下り! 往復で90分ほどのコースです。顔に見える岩や歴史あるポイントなど、船頭さんが詳しく見所を教えてくれて、民謡も歌ってくれます。中間地点の三好ヶ丘の名物が、「運玉」。「福」「縁」「寿」など願いが書かれた玉を投げて、穴に入ると願いが叶うと言われています。世界遺産・平泉から車で30分程度なので、平泉に行く際に、ぜひ併せて足を延ばしていただきたいですね。
羽黒山は(羽黒山・・)の一つで、山岳信仰の聖地と呼ばれています。特に羽黒山はミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで杉並木の参道が3つ星を獲得するなど訪日観光客からも注目されています。先日お連れした米国の方々も、美しく神聖な山の霊気に包まれる杉並木や五重塔に感動しっぱなしでした。山頂の三神合祭殿にたどりつくための参道(石段)は2446段!
宿坊(お寺や神社の宿泊施設)に宿泊すれば、より深い体験ができますよ。
最後に紹介するのは福島県の大内宿。江戸時代の宿場町の姿を残しています。多くの家が300年以上前に建てられたもので、タイムスリップしたような感覚になります。約500年続くというそば屋さんもあって、お店の内装も昔ながらの古民家でとても雰囲気がいいです。
紹介者
JNTO(日本政府観光局)
阿相良治さん Kay Cuellarさん
Web : www.jnto.go.jp/jpn
コメント:東北地方全体として、どこに行っても温泉があること、食事がおいしいことも大きな魅力です!
travel 03
メティア・クレーターとウパトキ国定公園(アリゾナ州)
直径1000mを超える巨大クレーター&原住民の住居跡を巡る
メティア・クレーター(メテオ・クレーター、バリンジャー・クレーターなどとも呼ばれます)は5万年前に宇宙から飛んできた隕石が激突してできた、巨大なクレーターです。直径が最大約1200m、深さは最大170mあります。クレーターへ向かう道は小高い丘になっていて、その丘の手前に博物館があり、そこでクレーターと博物館の入場料を支払います。博物館で予備知識を付けた後は、博物館裏の丘を登ると、この巨大なクレーターが見えてきます。鉄の柵で囲まれた展望台や自由に散歩できる歩道があるので、そちらからもこのクレーターを一望できます。
その他、クレーターの尾根の一部を回る45分のツアーもおすすめです。アクセスは、グランドキャニオンの南にある町、フラッグスタッフから車でI-40を東に30分ぐらい行き、Meteor Crater Rd.(Exit 233)を出て、さらに南に10分ぐらいです。
ウパトキ国定公園はメティア・クレーターからフラッグスタッフ方面にI-40を戻り、車で約1時間のところにあります。ここは12世紀頃に使われていた、赤土を材料にレンガを作り積み上げた古代アメリカ原住民の居住跡です。このウパトキ国立公園には、最も大きなウパトキプエブロを中心にたくさんの居住跡があります。ウパトキはホピ語で「背の高い家」、プエブロはスペイン語で「住居、集落」という意味です。
ウパトキプエブロ以外に数カ所プエブロがあり、各プエブロを回るトレイルがありますが、ほとんどが近くまで車で行けます。駐車場から各プエブロへは歩いて10分前後です。プエブロから見る景色は都会では見られない荒野です。また、西にはアリゾナ州の最高峰ハンフリーズピークが見られ、圧巻です!
自然を利用した集落、中庭では作物を栽培していました。敵からの防御ではなく、住みやすいことに重点を置いたようです。奥に見えるのがハンフリーズピーク。3月頃までは雪が積もっているのが見えるでしょう。登って建物の中に入ると、さらにその時代にさかのぼれます。窓や部屋から部屋への通路や物置らしき小さな部屋もあります。
紹介者
AMNET
清水 好さん
Web : www.amnet.jp
☎ 800-401-9650
travel 04
カンクン(メキシコ)
真っ青なビーチやセノーテ、古代文明も!
目の前に広がる、透き通るターコイズブルーの海。カリビアンリゾートの代名詞でもある、カンクン。透明度の非常に高い海でのマリンスポーツはもちろん、ユカタン半島の独特な地形の上に繁栄したマヤ文明の遺跡や、マヤの人々が聖なる泉としてあがめてきたセノーテなど、神秘的な見所が満載のおすすめデスティネーションです。
ユカタン半島内ジャングルの中に突如現れるピラミッド、マヤ文明の最大複合都市と言われる、チチェン・イッツァ遺跡は、ユネスコの世界遺産にも登録されており、毎日世界中からたくさんの旅行者が訪れます。マヤ人の、想像を超える高度な建造技術と天文知識を、ぜひ肌で感じてください!
紹介者
HIS ウエスト・ロサンゼルス店の皆さん
Web : top.his-usa.com
E-mail : westla@his-usa.com
☎ 1-877-447-8721
travel 05
コスタリカ・オサ半島
多様な生物と驚異の自然に出会う
国土の25%が保護エリアとなっている野生生物の宝庫コスタリカにおいて、最も手付かずで広いエリアが保護されているのが、南部のオサ半島。地球上で確認されている全生物種の2.5%の生息が確認されており、面積比で、世界で最も生物多様性密度が高い場所として有名です。
多様性に富んだこの驚異的なジャングルは、エコツーリズムを満喫できる絶好の場所。コルコバード国立公園ではバク、ピューマ、アリクイなどの大物野生動物と遭遇することも珍しくなく、大自然の中でのトレッキングも感動の連続です。また、海洋生物保護区となっているカーニョ島周辺でのシュノーケリングやスキューバダイビングも人気のアクティビティー。その他、乗馬やオーシャンカヤックなどアドベンチャーの好きな旅人、そして都会の喧騒から離れ、自然にどっぷり浸かって心身共にリフレッシュしたい方にはぜひおすすめしたいスポットです。
HIS専属・政府公認ガイドの上田さんが皆さんを全力サポートします!
travel 06
メキシカン・リビエラ・クルーズ
西海岸から気軽に行ける、ぜいたくな船旅へ
「クルーズ」と聞くと、まずカリブ海をイメージしますよね。フロリダからのカリブ海クルーズは通年で毎週出発していますが、ハワイから行きやすい西海岸発のクルーズ、それがメキシコの西海岸を巡る『メキシカン・リビエラ・クルーズ』!
例えばロサンゼルス港(サンペドロ)から出発するコースでは、夕方に出港するので、港には正午頃に到着できればOK。乗船したらまずランチを、そして出港時のセレモニーもお見逃しなく。お食事はもちろん、ショーやエンターテインメントも料金に含まれているので、思いっきり船上ライフをエンジョイできます。乗船すればお財布いらず。
毎日のスケジュールは船内新聞でチェックできるので、面倒なプランニングや現地でのレストラン選びも不要です。陸のツアーよりもラクラクですね。
メキシカン・リビエラ・クルーズは7泊のコースが一般的ですが、2月10日出発のRoyal Princessはなんと5泊。より手軽にクルーズの旅を楽しむことができます。この5泊の旅程では、高級リゾートのCabo San Lucasを1日半、ゆっくり満喫できます。海の潮流によってアーチ型に削り取られた奇岩、El Arcoは最も有名な見所の一つです。さらに、透明度の高い海で泳ぎ、白砂のビーチでくつろぎ、San José del Caboの歴史地区を散策…と見所が満載です。
船は英国・キャサリン妃が命名した14万トン強の大型船。内側を除く全てのお部屋がバルコニー付きです。素敵な人と素敵なバレンタインデーをぜひ洋上で!
クルーズの旅といえば、船内でのサービスが充実しているのが大きな魅力の一つ。レストランの利用や船内のシアターでのショーなども、お好きなだけ楽しめます。
紹介者
IACEトラベル
木村さん
Web : www.iace-usa.com/cruise
☎ 1-877-489-4223
travel 07
デスバレー国立公園(カリフォルニア州)
アメリカ屈指のスケールを誇る「死の谷」
デスバレーという名前は、ゴールドラッシュの1849年、ここに迷い込んだグループのうちの一人が、暑さと脱水症状により絶命したことに由来すると言われます。1913年に134℉(=56.7℃)の世界最高気温、29年と53年に年間降雨量0㎜を記録するなど、数々の世界記録を持ちます。まさに「死の谷」の名にふさわしいこの地にも3月は花が咲き、日中も暑くはなく(3月の平均最高気温80.6℉=27℃)過ごしやすい時期。訪れるなら12月〜3月がベスト。
おすすめポイントは、デスバレー全景を見下ろせるDante’s View Point。バレーの中は灼熱地獄でも、ここは標高が1669mのため、頂上は夏でも涼しく感じられます。もう一つはArtist Palette。マグマ活動により山肌がさまざまな色に変色し、画家が使うパレットのように見えることからこの名が付きました。共に大型キャンパーやトレーラーは入れないので確認を。
バスツアーで行くと効率良く見所を回り、日本語のガイドによる詳しい説明を受けられるので、事前勉強なしでも十分に現地の様子を知ることができます。個人で行く場合は、ロサンゼルスからは片道約4時間。上記の通り大型車両規制のある場所もあるので、大型の車を持つ人は、どこまで行けるのか確認しておきましょう。夏は車がオーバーヒートする可能性もあるので、十分な車両点検と水の用意を忘れずに!
デスバレー国立公園はアメリカで最も大きな国立公園の一つです。1〜5番目はアラスカ州内にあり、6番目がここデスバレー。つまり、アラスカとハワイを除くアメリカ本土の中で一番大きい国立公園なのです。また標高はマイナス86mから3368mにわたり、世界で7番目に低い標高の場所でもあります(世界一低い標高は死海でマイナス398m)。公園内の一番標高の低い場所はBadwaterと呼ばれる地です。
紹介者
JTB ルック アメリカンツアー
岩澤さん
Web : www.looktour.net
☎ 212-424-0800 、1-800-566-5582
(2020年1月16日掲載)
※このページは「ライトハウス・ハワイ 2020年1月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。