環境問題を考える 今、アクションを起こさないと ハワイの海が 死んでしまう…

美しい海に囲まれている私たちの住むハワイ。そのハワイの海が、悲鳴をあげています。

1950年代から便利だと使い始めたプラスチックが、今ゴミとして陸から海へ流され、海岸にたどり着いています。

特にオアフ島の東海岸には、貿易風の関係でありとあらゆるものが流れ着き、水面だけではなく、水中、そして海底深くにまでプラスチックのゴミが積もっています。

1年間に800万トンものプラスチックのゴミがハワイの島々に流れつき、それが劣化してできた微小なマイクロプラスチックを、魚や渡り鳥が餌と間違え食べてしまっているのです。

美しいハワイの海を後世に残すため、今すぐアクションを起こさなければいけません。今回は環境問題に対する2名のAdvocator(提唱者)にハワイの海の現状と私たちができることについて語っていただきました。

 

ハワイの環境を真剣に考える人❶ 来迎秀紀さん

海・モアナからの叫び声  海に住む生き物たちを脅すプラスチックの誤飲

ハワイに引っ越してきてすぐ友人に『ビーチクリーンアップに来ない?』と誘われ、ガーリックシュリンプで有名なフクビーチへ朝からウキウキ気分で車を走らせました。到着して目にしたのは、今でも忘れられない衝撃的なビーチ。まだ数歩も踏み出していない足元には、貝殻と珊瑚の破片ではなく、青、白、緑、黒、赤色のマイクロプラスチックが散らばっていました。

サスティナブル・コーストラインズ・ハワイが用意してくれたにシャベルいっぱいの砂をこすと、足元には篩の網目を抜けた砂と消費文化の欠片とも言えるマイクロプラスチックが散乱していました。ふと顔をあげると緑に映える雄大な峰と貿易風に乗った雲が流れているのに、目線を海に移すと打ち寄せる廃プラスチックで汚染されたビーチ。この瞬間、僕の漂流プラスチックゴミとの戦いの旅が始まったのです。

今の非持続的消費生活を続けると2050年の海には、魚の量よりプラスチックゴミの方が多くなると言われています。プラスチックゴミは海洋生物の命を奪いながら拡がっているのです。ミッドウェー諸島では、100円ライターやプラスチックの塊が動物の器官に詰まり、傷つけ、1度も空を飛べず息絶えた海鳥のヒナがたくさんいます。土に還る体とは裏腹に土に還れないプラスチックの山が散乱しているのです。プラスチックの誤飲は海鳥だけでなく海ガメ、イルカ、クジラ、アザラシなど250種以上の海洋生物に見られ、甚大なる被害を与えています。海ガメは14個以上のプラスチック破片を誤飲すると生存率は50%、1個で22%低くなるとの研究結果も出ています。打ち上げられたクジラやイルカの体内から大量のプラスチックが発見されるケースは、残念ながらもう珍しいことではなくなっているのです。

 

網に絡まれ、身動きの取れないまま死んでしまったウミガメ
海岸に漂着したものは、大きなものから小さなものまでさまざま。果てしないこの作業に、ぜひ多くのボランティアの参加を望みます
何も知らずヒナにプラスチックの紛れ込んだ餌を与える親鳥。ミッドウェー諸島ではたくさんのヒナや海鳥が犠牲になっています(写真:Chris Jordan)

 

世界で一番深いマリアナ海溝の深海微生物からは、有害化学物質の高い汚染濃度が検出されました。世界中の砂浜や海中5000mまでの海水のサンプルからもプラスチック由来の化学物質を確認。化学的に安定しているはずのプラスチックが自然環境の中で壊れ、地球上の生命すべてにとって欠かせない大切な海を汚染し、腐海に向かわせているのです。

 

マイクロプラスチックに呑まれていくハワイの砂浜。写真:Sustainable Coastlines Hawaii
必ずと言っていいほどビーチクリーンで目にするゴーストネット。

 

人工プラスチックが生産され100年も経たない消費生活から拡がった海洋汚染問題。人は地球と同様、体の大半が水分で構成され、水なしでは命を維持できません。新しい命は、母体の羊水で守られ誕生するように。

私たちの日常生活から起きた問題は私たちが解決できるはず。『地球規模で考え、足元から行動する』を合言葉に六つのR( Refuse, Reduce, Reuse, Recycle, Recover, Revolutionize)を意識すれば、また以前の美しい海を取り戻すことができるでしょう。私たちは、立ち止まらず、1歩1歩駆け足で今すぐ行動を起こす必要があるのです。

 

ハワイの環境を真剣に考える人❷ 品川佑紀さん

鳥や海洋生物が無残な形で死んでいく・・・ それでもまだプラスチックを使いますか?

私たちの生命源、海が危ないことを知っていますか? 今プラスチックによる海洋汚染が着々と進んでいます。私たちが住むここハワイにもたくさんのプラスチックが遠くから海を渡って毎日ビーチに流れ着いています。「えっ、どこに?」「全然プラスチックなんて見ないけど」と思った方もいると思いますが、オアフ島は特に東と北東側のビーチにプラスチックが集中しています。海には、「北太平洋ゴミベルト」と呼ばれる、大きさが日本の面積の4倍以上にもなるプラスチックの浮遊ゴミが存在し、日本とカリフォルニア州の間をグルグルと漂流。その途中にあるハワイにも大量のゴミが押し寄せているのです。

夏に開催されるモロカイ島ビーチクリーンアップに参加した私は、今まで見たことのない大量のプラスチックを目にしました。ビーチの砂が見えないほどプラスチックゴミで溢れ、一番上の大きなゴミを拾うと、その下には小さく砕けたマイクロプラスチックがビーチの砂のようにたくさんありました。拾っても終わらない永遠の作業。その側で新たなゴミが流れてくるのです。海がもがき苦しんでいるようで胸が痛みました。ネットが絡んで巨大化した物を見かけましたが、非常に重く、取り除くのに長時間がかかります。もし生き物に絡まったら、確実に死んでしまうでしょう。

漁具は丈夫で海に浮かぶように作られているため、漂流物として頻繁に見かけます。一方、生活用品は耐久性がないため、波や風、紫外線などによって粉々に砕かれマイクロプラスチックとなり、多くが海底に沈んでしまい回収は困難です。それらは、眼に見えない化学物質となり海に成分が残り、『海のスープ』『プラスチックスープ』と言われる状態になります。プラスチックが自然界に還ることはないのです。

プラスチックにより生活は便利になりました。しかし、海洋汚染が進むと多くの生き物が死に、食物連鎖のバランスが崩れて大変なことになってしまいます。現に魚、貝、微生物などの小さな生物からもプラスチック成分が検出。さらに、私たちに必要な酸素は、70〜80%が海から作られていますが、海洋汚染のため、今後減っていくはずです。

人間は地球上で、他の生物と共存しながら生きています。なのに私たちがその大切な地球を破壊しているのです。未来の子どもたちにもビーチで遊び、おいしい魚や海藻などを食べてほしいと思いませんか?

日本語が記載されたゴミがハワイに漂着するように海は繋がっています。私たちのゴミもどこかにたどり着いているでしょう。ゴミは人間からしか出ません。使い捨ての時代、たった1回のために使うストローや持ち帰り容器、フォークなどの使用を止め、自分ができることから始めてみませんか? 1人1人の意識の改善と行動がこれからの未来を創っていくのです。

 

細かく砕けたマイクロプラスチックなどを、篩を使って丁寧に集めているボランティアの人々
トラックに積み込まれた海の漂流物を目の前にして驚く子どもたち
ゴーストネットに絡まり命を落としたサメ。ハワイ、カホオラヴェ島で(写真提供:Greenpeace)
魚が食べたプラスチックの残骸

 

 

(2019年1月16日掲載)

※このページは「ライトハウス・ハワイ2019年1月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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