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ホノルル フェスティバル財団理事長 / 久保哲也

「文化の交流やお互いを理解し合うことが世界の平和につながると信じています」

くぼ・てつや●北海道出身。1994年、モントクレア州立大学卒業後、NYのJTBインターナショナル入社。シカゴ、サンフランシスコ、東京、ロサンゼルスを経て、2017年にロサンゼルスのJTB USAへ。20年、バンクーバーのJTB International社長就任。22年にJTBハワイ取締役社長&CEO。現在、ホノルルフェスティバル財団理事長、JTBグッドウィル財団会長、日本ハワイ旅行協会会長、ハワイ日米協会理事なども務める。

1995年3月に始まり、この3月に第30回を迎えるホノルル フェスティバル。日本、ハワイ、太平洋地域の文化に触れるハワイ最大級の文化交流イベントへと進化を遂げたフェスティバルを開催する非営利団体ホノルル フェスティバル財団理事長で、JTBハワイ社長の久保哲也氏に話を伺った。

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2022年にJTBハワイ社長に就任されました。旅行業一筋ですか?

 もともと「人がハッピーになる環境をつくる仕事」がしたいと思っていました。ニュージャージー州の大学でツーリズムを専攻しましたが、志望していたのはイベント業界。単位の関係でJTBのインターンシップを経験したことで、旅行は人を幸せにする頻度が高いと実感し、そのご縁で入社して30余年になります。

ハワイ着任後、ホノルル フェスティバル財団理事長に選出されました。このフェスティバルへの思いをお聞かせください。

 1995年の第1回開催時の資料を読むと、当時の強い思いが伝わってきます。ハワイは、日本からの移民の方々が築いてきた歴史と文化が深く根差す特別な場所です。当時、日本から年間170万人が訪れていたハワイで、「私たちは本当に十分な交流と相互理解を生み出せているのだろうか」という問いから、このフェスティバルは始まりました。

 文化交流と相互理解は、世界平和につながる。その思いは、今の私たちもまったく同じで、それを改めて確認できたときは嬉しかったです。

フェスティバルを通して、文化・世代・国境を越えた交流をどのように作ってきましたか?  

 私たちが作るのは「つながる場」と「参加したくなる環境」です。そこで地元ハワイの方や日本・太平洋地域から参加の皆さんが、自然にそして活発に交流されているんです。

 例えば、日本から参加した大学の書道部が、巨大な半紙に全身を使って大きな筆で書くパフォーマンスを披露したとき、拍手喝采の後に地元の方が舞台袖に駆け寄って学生たちに声を掛けていました。こうした光景が、あちこちで生まれています。

 法被を着て街を歩いていると、「お礼が言いたい」と呼び止められたこともありました。西オアフ在住の方で、毎年このフェスティバルのためにワイキキに一泊し、花火を楽しんでいると聞き、感激しました。

30年の間には、さまざまなエピソードがあったのではないでしょうか?  

 「長岡花火」の背景を知ったときは心を打たれました。ホノルル市長と長岡市長が姉妹都市に向けて話し合いを始めたのは2007年。12年に姉妹都市となり、同年、ホノルル フェスティバルで初めて長岡花火が打ち上がりました。大空襲で多くの犠牲を払った長岡市、戦争の始まりとなった真珠湾があるホノルル市。真珠湾攻撃を指揮した山本五十六氏の生誕地は長岡市。…長岡花火は「慰霊」、戦争と中越地震からの「復興」、そして「恒久平和」を願う花火です。悲しい歴史を背負った長岡市とホノルル市が共に打ち上げることに意味があります。

 また、2011年に東日本大震災が起こったのはホノルル フェスティバルの直前でした。このとき急遽、ジェイク・シマブクロさんがフェスティバルの中でチャリティーコンサートを開催してくださいました。

 マウイの山火事の翌年は「マウイ御輿コンテスト」で、優勝チームに加えて準優勝チームも招待しました。すると優勝チームが「パレードで一緒に担ごう!」と言い、学校同士の新たな交流が生まれました。

 この年、パレードで火を吹いて練り歩くホノルル大蛇山の山車を引くために、毎年ボランティアに来ていたラハイナ・ルナ高校の生徒たちに、大蛇山の皆さんが法被を送ったことも印象的でした。皆が目を輝かせて喜んだ表情は忘れられません。

 期間中に至る所で意義ある出来事が生まれていく。それこそが、このフェスティバルを続ける理由です。

今年は30周年ならではの見どころがあるそうですね。  

 30周年オープニングセレモニーで、「鏡開き」と「マグロ解体ショー」を行い、お酒と切り立てのマグロを皆さんに味わっていただきます。ハワイ・コンベンションセンターではこの他も2日間を通して食べて体験して楽しめるイベントが詰まっています。またアラモアナセンター、ワイキキビーチウォーク、新たにインターナショナルマーケットプレイスでも随時パフォーマンスをご覧いただけます。花火のタイミングでは、ワイキキのサンセット・オン・ザ・ビーチでマハロセレモニーを行い、平原綾香さんが『ジュピター』を歌います。中越地震以降、長岡の人々を勇気づけてきた、特別な曲です。

 シスターイベントでは第10回『ホノルル・レインボー駅伝』や、日本のポップカルチャーを世界へ発信するアーティストが出演する『ASOBIEXPO(アソビエキスポ)HAWAII』など、世代を超えて楽しめる企画がそろっています。

最後に、30周年を迎えてのメッセージをお願いします。  

 「感謝」 — この一言に尽きます。今年は「アロハ そしてマハロ — 文化の祭典30年」を掲げています。参加者、来場者、スポンサー企業、ボランティアの皆さんがなくてはこのイベントは成り立ちません。ぜひ会場に足を運んでいただきたいです。そして率直な声もお聞かせください。私たちも進化していきます。

 皆さんが笑顔で交流し、互いに文化や価値観を知ることの積み重ねが、いつか、争いのない世界の平和につながると信じています。

期間中は、30年前から変わらぬテーマ「パシフィックハーモニー」「世界平和交流」と
綴られた法被を着て各所を駆け回る久保財団理事長

 インタビュー:ライトハウスハワイ編集長 大澤陽子

このページは「ライトハウス・ハワイ」 2026年3月号掲載の記事を基に作成しています。

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