ハワイのコーヒーの香りに魅せられた2人の男がいる。ひとりはハワイでコーヒーショップを展開し、ひとりはそのコーヒーの味をそのまま日本に持ち込んだ。2人の男のコーヒーにかける情熱が結実したのが、「ホノルルコーヒー」。その思いを日本進出1号店となる東京臨海副都心のダイバーシティ東京で聞いた。
緑と茶色のツートーンカラーがトレードマーク。飲んでみれば、とても濃厚な味わい深い香り。それがホノルルコーヒーカンパニーのコーヒーだ。ハワイでの創業は1991年。ハワイ島コナ地区にあるコーヒー農家の中から、地域や栽培状況などで厳選した農家とのみ契約。毎日オアフ島にコーヒーを直送している。自社工場で焙煎したコナコーヒーは、ハリウッドのスターがその味を求めてハワイを訪れるという逸品。ハワイでのホノルルコーヒーカンパニーの店舗は、アラモアナセンター、モアナサーフライダー・ウェスティン・リゾート&スパなど6店に限られていた。
それが今回、日本全国に600店以上を展開する大手フードチェーン「フジオフードシステム」と提携し、初めての日本出店が実現した。ホノルルコーヒーの日本第1号店は、東京・台場に登場した新スポット、ダイバーシティ東京内。話題のスポットへの初出店だけに注目度は高く、開店初日から多くの来客で賑わっていた。
その記念すべき開店初日に、ハワイから店舗を訪れたホノルルコーヒーカンパニーのエドワード・シュルツCEO、そしてフジオフードシステムの社長であり、ホノルルコーヒー日本展開のための新会社ホノルルコーヒージャパンの会長となった藤尾政弘氏にお話をうかがった。
初めにホノルルコーヒーに惚れ込んだのは藤尾会長の方だった。
「このコーヒーとの出会いは、15年前。モアナサーフライダーのお店で飲んだコーヒーはとにかく独特な香り。こんな香りは日本になかった。ブランドのロゴもいい。何とか日本にこの香りを運びたい、そんな思いは当初からありました」と藤尾会長。シュルツCEOが続ける。
「私がCEOになって藤尾会長に出会ったのがちょうど1年前。とても激しいパッションの持ち主でした。コナコーヒーへのこだわりと情熱、そして食にかける想いの熱さはすごかった。そして深く共感しました。ハワイのコナコーヒーは、世界のコーヒー豆総収穫量の1%以下という希少なコーヒー。我々はそれこそ宝物を扱うように丹念に育ててきました。それを託すには、最良のパートナーでした」
ハワイのコナコーヒーは、ブルーマウンテン、キリマンジャロと並び「世界3大コーヒー」と呼ばれる。「そんなコーヒーを日本に持ってくるのだから、中途半端な覚悟ではできません。この香りとブランドは大きな武器。それを食のプロである我々がどう使うことができるか。でも、我々には必ず日本人向けに最強のものができるという確信がありました」
と藤尾会長。日本での出店にあたっては、日本から社員2人がハワイに渡り、コーヒーのことを徹底的に学んだ。ハワイからはバリスタ2人を含む5人が日本のホノルルコーヒー店舗で徹底的に研修を行った。日本人スタッフは、ハワイから派遣されたバリスタから多くを学んだという。
「お台場を皮切りに横浜、大阪にも出店を予定しています。まずは5年で80店舗。コーヒーの最高品質を日本の方々に広め、喜んでいただくために、我々はあらゆる努力をします」
と藤尾会長。有名なホノルルコーヒーに馴染んでいた日本人ファンも多いのだろう。お台場店では、「これ、ハワイで飲んだ」「この味が日本で飲めるなんてうれしい」という声が聞こえていた。「日本とハワイでは、コーヒーに関する考え方や扱い方は違うでしょう。でも、お客様に最高の商品をという思い、商品への愛情は同じでした。それはお客様に必ず伝わるはずです。私は日本でも必ず成功すると思っています」
とシュルツCEO。藤尾会長が締めくくった。
「このコーヒーに惚れて15年。ようやく日本に紹介することができたコナコーヒーの香りは、やはり格別です。それは、ハワイでシュルツCEOが込めた情熱の結晶だからでしょう。その情熱も、ぜひコーヒーから味わっていただけたら、うれしいです」
2人の男の熱い思いをぜひ一度、味わってほしい。
東京都江東区青梅1-1-10 ダイバーシティ東京プラザ2階
▶ 営業時間:9:00am~10:00pm
▶ Webサイト:honolulucoffee.co.jp
1450 Ala Moana Blvd., Honolulu
☎ 808-949-1500
▶ 営業時間:月~木 8:30am~9:00pm、金&土 8:30am~10:00pm、日 8:00am~7:00pm
2365 Kalakaua Ave., Honolulu
☎ 808-926-6162
▶ 営業時間:6:00am~10:30pm
▶ Webサイト:www.honolulucoffee.com
(’Eheu Summer 2012年号掲載)