ハワイスパオーナー ハワイ州認定エステティック・インストラクター エツヨ・ソールド

恵まれた日本での生活を後にして、ハワイに移住。手術・離婚・実家の倒産などを乗り越え、エステティシャンとして後進に技術を指導。

家族みんながエステやマッサージが大好きという家庭に育ちました。父は週に３回はマッサージを受け、母は週3回美容院に通い、姉はフェイシャル好き。そんな家族の影響か、13歳の頃にはお顔のお手入れを開始。化粧水、乳液をつけ始めていました。

　高校卒業後、美容全般が学べる東京モード学園に入学。クリエイターの卵たちが集まる学校で、あのときほど自分が田舎者に思えたことはなかったですね。学校も創造性を磨くためにと海外旅行を奨励。私も世界の建築や芸術に触れるため世界各地を旅し、本物を見る目を養いました。

　卒業後は、美容関連がメインのモデルをしつつ、歌舞伎座の予約の受付をしていたのですが、海外からの英語での予約に悪戦苦闘。英語を学びたいという気持ちが高まり、ハワイに留学しました。ところが留学中に、持病の肺気腫が再発し入院・手術。手術は成功しましたが、保険がなければ５００万円はかかったはずなので、ゾッとしました。

　一度帰国し、留学中に知り合った男性と遠距離恋愛の末、結婚してハワイに戻ってきました。新生活を始めるため、家を買いたかったのですが、私は職歴もクレジットカードもない状態。まずは仕事に就こうと日本で身につけた美容の技術を高く評価してくれたDFSに就職。日本語が話せ、美容のバックグラウンドがあることで厚遇されました。

私の結婚により明るみに出た家族の秘密

　主人とは価値観の違いから１年半後に離婚。でも、このことは日本の両親には言えませんでした。なぜなら、結婚のときに日本の戸籍謄本が必要となり取り寄せたところ、父には非嫡出子が２人もいたことが記載されていました。それまで家族全員、隠し子の存在を知りませんでした。特に60代になっていた母のショックは相当なもの。父は「戸籍謄本を取り寄せたおまえが悪い」と私を責めました。私の結婚がきっかけで父の秘密が明るみに出たので、離婚をしたなんて言えませんでした。

　ハワイに移住してからずっと、エステティシャンになりたい気持ちはあったものの、英語に自信がなくチャレンジできずにいたところ、景気の悪化でDFSをレイオフ。逆にこれがきっかけで、ライセンスを取る決意が固まりました。学校に通い、マッサージとエステティシャンのライセンスを取得後、次の夢はインストラクターになるためのライセンスの取得。しかし、生活のために勤めていたスパはとても忙しく時間がない上、ハワイにはまだエステのインストラクター養成の学校はありませんでした。数年後、待ちに待った学校がハワイにできたときには、母が大腸がんになってしまいました。さらに追い討ちをかけるように、父の会社が倒産。家族は家、土地、所有している財産のすべてを失いました。私自身も精神的に不安定になりましたが、再婚した夫に支えられ、ついにライセンスを取得しました。

エステティシャンとして幅広い知識を伝える

　誰にでも大変なことは訪れる。人生は理不尽。そんな中強く生きていかないといけないとハワイで悟りました。恵まれた環境で育った私ですが、ハワイに来てからはずっと懸命に働き続け、ついに自分のサロンを２年前にオープン。ハワイの不思議な力に導かれて、ここまで来ましたが、まだ終点ではありません。レールは先まで続いています。美容技術に終わりはありません。最新の美容技術を習いたい人のために引き続き教育者として、最高の技術を紹介していくのが今の私の目標です。

(2019年7月1日掲載）
※このページは「ライトハウス・ハワイ 2019年7月1日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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