小学生の頃、夏休みにハワイのサマーファンに参加したのがハワイとの出会いです。多様な文化を持つハワイで視野が広がることを実感し、ハワイの大学へ進学しました。
卒業後はOPTで日系旅行会社に勤務しました。ハワイの経済を支える産業の一つである観光業で働き、ハワイの素晴らしさを日本から訪れる方たちに伝えたいと思ったからです。
帰国後は、私が経験したように、日本の学生たちにも、国際教育による多角的な視点を、旅を通して培ってほしいと思い、同じ旅行会社に就職。教育旅行を担当しました。その後、法人営業をしたときはラグビーワールドカップやオリンピックなどを絡めた営業に奔走しました。
2020年、ハワイに戻るチャンスを得て、同じ旅行会社のハワイ支店に再入社が決まりました。パンデミック直前だったので大急ぎでハワイへ。ところが1週間勤務した後にロックダウンに。その間は他業界の動向を調べて、新規事業のアイデアを考えたりしていました。
そんな中で決意したのが別業界へのチャレンジでした。それまでは「旅の素晴らしさを伝えたい」という一心で働いてきましたが、添乗で訪れた国々が持つ「食文化」に魅了されたことを思い出したのです。これからは「食」の素晴らしさを伝えていこうと、2021年に製麺会社のサンヌードルに転職しました。
異業種への転職だった上、前の職場と比べると小規模のため、さまざまなタスクを一人で行う必要があり、慣れるまで苦労しました。それまで営業社員がいなかったので、セールスチームを立ち上げることから着手しました。人事業務に力を入れ、採用活動を積極的に行ってスタッフを増員しました。今では7名のチームとなり、全員が各地域で営業を頑張っています。この他、資料や対応マニュアルの制作や円滑に作業を進めるための提案など、自分なりに改革を進めました。入社して間もない私の提案に耳を傾けて行動させてもらえることがありがたく、仕事に夢中になりました。
困難な状況に陥りそうなときに思い出すのは、前職で何年もかけてお客様を獲得した経験や、苦労してスポーツ事業を成し遂げたこと。「あきらめなければ、どんなことも乗り越えられる」と信じています。
サンヌードルは、代表の夘木が1981年に日本から来て創業して以来、ハワイに根付いてきたローカル企業です。その中で、日本人としてハワイに寄り添った営業活動をすることを何よりも大切にしています。
そのような気持ちでお客さまである飲食店と関わるうちに、麺を売るだけでなく、メニュー開発、プロモーションのお手伝いやポップアップイベントの斡旋、新規開店の協力など、サポートさせていただく範囲が広がってきました。
また、観光客にもハワイのソウルフードであるサイミンやドライミンなどのお土産品が知られてきています。ハワイで愛されてきた麺を世界に発信することも新たなミッションとしつつ、異文化を尊重するハワイで日本の麺文化をもっと広めていきたいと思っています。保存剤や人工着色料などを使わない麺は、一歳の私の娘もおいしそうに食べています。麺をきっかけに少しでも多くの人を幸せにすることが私のゴールです。
そのためにも、今後、会社を引っ張っていく存在になれるよう、努力していきたいと思います。
とどろき・ひろひと◎東京都出身。ハワイ大学マノア校経済学部卒業。ホノルルの日系旅行会社に勤務。日本へ帰国後、同社グループ会社に勤務。教育旅行や法人営業を担当後、スポーツ事業に携わる。2020年にハワイへ移住。同旅行会社のハワイ支店に再入社し、セールスおよびマーケティングを担当。コロナ禍で退職を決意。2021年、Sun Noodleにセールスとして入社。現職へ。
※このページは「ライトハウス・ハワイ 2024年11月」号掲載の情報を基に作成しています。