
1964年に誕生した日本初の海外パッケージツアーブランド『ジャルパック』。社会情勢、旅のあり方や販路の変化に応じて、多面的な取り組みを進めるジャルパック・インターナショナル・ハワイの五明田 豊社長に話を聞いた。
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昨年10月にハワイへ着任しました。入社以来、約30年間ずっと東京勤務で、初めての転勤がハワイでした。
1997年、入社後に配属されたのが経理。添乗員となった同期らがヨーロッパでの話をするのを横目に、気が沈んで始まった社会人生活でした。ところがすぐに先輩たちと良いチームができ、充実した5年間となりました。会社のお金の流れを把握できたことは、その後どの業務においても役に立っています。
以降約5年ごとに異動があり、海外商品企画や営業を経て、人事部へ。6年ぶりとなる採用業務を任されましたが、前例を知る社員がいないためノウハウもわからずゼロからのスタートでした。東京の有名大学では大企業でなければ相手にされず、「それなら関西の六大学へ」と足を運ぶと、「ハネムーンはJALPAKさんで行きました」という担当者の方々と出会い、意外なきっかけから信頼を得て受け入れてくれました。過度な期待を持たず、ダメなら次の手を試すという姿勢で黙々と動き続けたことが、結果につながると学んだ経験でした。
ハワイ転勤の辞令は驚きましたが、2014年から6年間、海外企画商品造成のため、年に4〜5回ハワイを訪れていました。それ以前もハワイの現地手配営業に携わっており、ホテル関係者とも顔なじみだったので、「初めての転勤。しかも海外」とはいえ、転機になる予感はありませんでした。ところが生活してみると、想定外の価値観や習慣の違いに戸惑いました。
引っ越し、家具の購入、クレジットカード、インフラ…。出張だけでは知り得ないことばかり。エンターテインメントも少ない中で思ったのは「ゴルフが趣味でよかった〜」ということ。良くも悪くも島国であることを肌で感じ、同時にアメリカ独特の合理的な考え方に基づく社会のあり方にも触れています。
旅のあり方についても改めて考える機会になりました。米本土からの観光客が午前中はホテルのプールでゆったり過ごし、夕方にはワインを開けている。日本人とは違った旅先での時間の使い方を、目の当たりにしています。
旅先で過ごす時間や体験はそこでしか得られないものです。私自身、2年前にイタリアを初めて訪れ、約2000年前に造られたコロッセオを目の前にして、自分の悩みがちっぽけに思えました。
『DIE WITH ZERO』という、お金の「使い切り方」に焦点を当てたベストセラー本がありますが、日本の皆さん、若い方にも、ぜひ自分のためにお金を使ってほしいと思うのです。「旅」で得たことは、その後の日々の生活や人生に生かせます。そのきっかけを作ることが、私たちの仕事の大義だと考えています。
厳しい現状の中で、私のハワイでのミッションは明確です。コストを抑え、収益を高めること。オフィス移転、日本からの送客回復に加えて、オリジナル商品の販売企画も進めています。時間もかかるでしょうし、すべてがスムーズにいかないことも想定して、柔軟に調整しながら、継続的に取り組んでいきます。

ごみょうだ・ゆたか◎1974年神奈川県生まれ。1997年、神奈川大学国際経営学部卒業、株式会社ジャルパック入社。財務部(経理)配属、約5年ごとに海外商品企画、ランドオペレーター営業、人事部、2014年海外企画商品グループ長、コロナ禍で経営企画部、Web販売を経て、2023年海外企画商品事業部長、2025年10月ハワイ着任。
※このページは「ライトハウス・ハワイ」 2026年6月号掲載の記事です。