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店内にアパレルとシェイブアイス店が並ぶカイルアの『Island Snow』。そのシェイブアイスはオバマ前大統領もお気に入りだ。先月にはワイキキに新展開を遂げたばかりのジェームス・コダマ社長に転機を伺った。

 

 

母が日本人なので東京で生まれ、2歳のときにハワイへ来てカイルアで育ちました。

大学卒業後は、サーフブランド『ローカルモーション』に勤務。趣味がカヌーなので海関連のアイテムを扱う仕事が身近だったのです。

働くうちに、洋服とシェイブアイスを一緒に売ったらどうかなどのアイデアを試したくなり、1979年に会社アイランドスノーを立ち上げました。2年後、インターナショナルマーケットプレイスに初出店。ワイキキに店を持ったことで世界中の人たちとの人脈が広がったので、フランチャイズ展開に挑戦。米本土やカナダ、オーストラリアに出店しました。1983年にはロイヤル・ハワイアン・センター(以下RHC)に約6平米の小さなキオスクを開店。この他、卸売を始めたり、いろいろなチャレンジをしました。どれも経験のないことでしたから、失敗は数知れず。パタゴニアやディーゼルをハワイで初めて販売したのですが、時代はまだ1990年代で、あまり売れませんでした。商売はタイミングが大切だと学びました。 最初の10年余りは思うように売り上げが伸びず、洋服の販売に集中する方向性を打ち出しました。そして、アラモアナセンター内の現在のビクトリアシークレットとピンクの店舗スペースに巨大な店をオープン。その後、RHC内にも広いスペースで出店し、事業を広げていきました。

 

ゴールはリタイヤすること、計画を進めていたが…

2006年、27年間走り続けてきた私はリタイヤを考えるようになりました。好きなカヌーをしてゆっくり暮らしたいと思ったのです。長男は「会社を継ぐ気持ちがない」と言ったので、2008年にRHCのショップを、全従業員の雇用を条件に、ストリート系アパレルショップに譲りました。同年、アラモアナ店も閉店。カイルアにオープンさせていた店舗は、リース期限の2010年に閉める予定で、徐々に幕を引く準備を整えていきました。

そんな中、大学生の長男が「やはり会社を引き継ぎたい」と! ビジネスでは転機は何度もありましたが、人生の計画が大きく変わったのはこのときでした。

 

ビジネス成功への鍵は人。ウィンウィンが大切

もう遅い。最初はそう思いました。でも息子が2010年に卒業したとき、変わらぬ強い意志を聞き、もう一踏ん張りしようと決心しました。

カイルア店のリース契約を更新し、販売数を増やすためにスペースを倍に拡大。2年後にもう一店舗をカイルアに開店。息子も従業員も必死で働き、店は再び勢い付いていきました。2年前には次男も加わり、1980年代から私たちが販売している『ステューシー』の専門販売スペースをカイルア店内に作り、今年はそのブティックをRHC内に開きました。

今は念願のリタイヤに一歩近づき、週2回の勤務に。来年は創業40年を迎えます。従業員をはじめ、人に恵まれ、ここまで頑張れました。ビジネスで重要なのは人です。全員がウィンウィンになる会社が成功するのだと思います。

長年続けている趣味のカヌー。リタイヤ後はカヌーをして暮らすことが楽しみという

 

 

James Kodama

◎1953年東京生まれ。2歳でハワイへ移住。ハワイ大学でビジネスを修了。1979年に『Island Snow』創業。インターナショナル・マーケット・プレイス、ロイヤル・ハワイアン・センター(RHC)、アラモアナセンターに規模を拡大しながら店舗展開。今年4月にはRHC内のB館1階に、カイルアに続き、2つ目のチャプターストアとなる『ステューシー・ホノルル』をオープン。

(2018年5月16日掲載)

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2018年5月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

 

 

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