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ハワイを代表する、グローバル人材育成教育のプロであり、長年に渡り日本とハワイにおける、教育研修や異文化交流事業を支えてきた宮原まゆみさんに、人生の転機について伺った。

 

 

小・中学校合わせて6回の転校を経験しました。特に小学校2年生のときは、都会から鹿児島の小さな島に転校し、方言が分からず、いじめられることもあり、不登校児になってしまいました。島になじめず、ずっと海を眺め、学校に登校するふりをしては滝壺に隠れ、見当たらない私を近所の人が探しに来ることもありました。ところが、次に転校した指宿市で素晴らしい先生との出会いがありました。人になじめず一人でウサギに餌をあげたり、花壇の手入れをしている私のことをどこからともなく見守り、みんなの前で私を褒め、特別な存在だと言ってくれたのです。「自分も人の役に立っている」と自信がつき、中学や高校でも先生や友人に恵まれ、私は変わっていくことができました。教師、そして教育が重要であることを実感し、この経験が私の後のキャリア形成に影響を与えていきました。

高校時代、米国に留学したい旨を父に告げると、親子の縁を切るかのような勢いで大反対されました。ところが、母は海外で学びたいという私の夢を後押ししてくれ、最終的には、父も「自分で責任を取り、留学費用を貯めるなら」と理解を示してくれました。都市銀行に3年勤め、留学費用を貯めました。夢が叶って、21歳のときにハワイのブリガムヤング大学に留学することができ、1年の予定が卒業を目指す友人たちに触発されて、卒業を目標に勉学に励み、学位を取得しました。

卒業後は、日本に帰り、結婚、出産を経験しました。そして、キャリアを積むため、ジャパンタイムズで募集していたユナイテッド航空のコンシェルジュの職に応募しました。子どものいる主婦が採用されることはこれまでなかったそうですが、最終選考では、留学の経験が多いに役立ち、面接では堂々と質疑応答に応えることができました。その結果、無事に合格、採用されました。

その後、家族でハワイに移住。到着した1993年1月7日は、皇太子殿下の婚約が発表された縁起の良い日なので、決して忘れることはできません。

 

 

「人間力」のあるグローバルな人材育成を目指す

1994年、日本とハワイを結ぶ「リボンプロダクションズ」を設立。通訳や司会業務に加え、日本の生徒をハワイに迎え国際交流や異文化体験を通して、世界のどこででも自信を持って生きていける「人間力」のあるグローバルな人材育成を目指してハワイ教育研修を企画・運営しています。設立以来24年で、日本全国の小学生から大学生、4万人以上のホームステイや国際語としての英語指導、異文化交流、平和学習を含めたハワイ研修を実施しています。

このような活動を通し、生徒たちがハワイに来ることで、さらに日本を知り、日本人としての自己を確立することに役立っています。

今年は、厚生省規格職業能力評価委員会のメンバーにも就任しました。さらに、日本とハワイの教育の架け橋となり、グローバルな人材育成や能力開発の面でも、貢献していきたいと思います。「覚悟を決めて、努力すれば必ずできるよ」と自分の経験を通して言ってあげることで、若い世代に希望と夢を与える存在になりたいと思います。

主人と出席した娘の結婚式での思い出の1枚

 

 

みやはら・まゆみ

◎福岡県出身。筑紫女学園、ブリガムヤング大学ハワイ校卒業。住友信託銀行、ユナイテッド航空勤務を経てハワイに移住後、リボンプロダクションズ設立。通訳業務、イベントコーディネート業務に加え、教育支援団体として、異文化交流事業を企画・運営。米国認定ハワイグローバル教育財団役員。ハワイ福岡県人会理事でもある。日本での講演多数。

(2018年10月1日掲載)

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2018年10月1日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

 

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