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ハワイ在住日本人を保護し、昨今では新型コロナ関連情報の収集や発信も行う在ホノルル日本国総領事館。今年4月に着任した井澤幹生首席領事に、イランやアフガニスタンの大使館赴任などを含め人生の転機を伺った。

 外国語に興味があり、大学ではペルシア語を学んでいました。最初の転機があったのはそのときです。卒業後に外務省へ入省予定の先輩と話す機会があったのです。外交官が、国と国との関係を促進し、世界の平和と安定に貢献できる仕事だということを知り、その後の人生で携わっていきたいと思うようになりました。

イランで、おもてなしの心を持つ国民性に触れる

 1991年にペルシア語の専門職として入省し、在英国日本国大使館員としてのペルシア語の研修を経て、93年にペルシア語が使われる在イラン日本国大使館へ赴任、1年半の語学研修を含めて4年半勤務しました。その後2006年に再赴任しました。

 合計約9年間のイランでの経験は自分の価値観に大きく影響しました。日本で生まれ育った私にとって、当初、イランは文化や歴史が違うだけでなくイスラム教に基づく社会・政治体制ということもあり、多くの違いを感じました。しかしながら、イランの人々とのお付き合いを通じ、おもてなしの心に厚く、人情味あふれる国民性に触れていきました。国を超えて人と人がつながる体験は大きな気付きでした。2回目の赴任では妻と二人の息子も一緒に暮らしましたが、彼らの人生にとっても良い経験となりました。

 一方で、治安情勢が不安定になったこともあります。2009年の大統領選の際には、デモや騒乱などでテヘラン市をはじめ国内が騒然とし、外出がはばかられることも。その中で、在留邦人の安全確保に努めました。

 2017年に赴任したアフガニスタンでの3年間は、より一層厳しい治安情勢でした。治安だけでなく、貧困、病気、災害などの厳しい現実を突きつけられる日々。そのようなアフガニスタンにおいて地元の人々が自立して生活できるように、乾いた土地に水を引き農地を作るプロジェクトを進めている日本人医師がいらっしゃいました。しかしながら、凶弾に倒れられ、大きなショックを受けました。

 残された者として何ができるか? アフガニスタンをはじめ、自分が赴任する地で、こうした「意志」をしっかり紡ぐことが私の使命であると思いを強くしました。

視野を広げ、日本とハワイの関係強化に貢献を

ホノルルに着任したのは、今年4月です。ハワイへ来るのは22年前の新婚旅行以来でした。外務省勤務においてハワイへ赴任することはないだろうと考えて新婚旅行で来たのですが、予想外にも今回赴任することとなりました。ハワイは自然も社会も人もすばらしく、何よりその歴史は日本と深いつながりがあります。日本から多くの方が訪れる場所でもあります。

 これまでもいろいろな国へ赴任してきましたが、その都度、視野を広くする機会を与えてもらっていると捉えています。各地で大切なご縁をいただけることもありがたいことです。

 ハワイでもどのような経験ができるのかを楽しみにしています。日々学ばせていただくことを糧に、今後の日本とハワイの関係をより深めていくことに、少しでも貢献できるよう努めていきたいと思います。

乾燥したアフガニスタンの冬は厳しく、山並みには雪が降り積もる

井澤幹生

イザワ・ミキオ◎東京出身。1991年に東京外国語大学外国語学部ペルシア語学科を卒業。同年4月に外務省へ入省。1992年に在英国日本国大使館、1993年と2006年に在イラン日本国大使館、2010年に在オーストラリア日本国大使館、2017年に在アフガニスタン日本国大使館にて勤務。2022年4月、ハワイに着任。

※このページは「ライトハウス・ハワイ」 2022年8月号掲載の記事です。

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