ハワイにいる日本人はどうもキリッとした感じに欠けています。ハワイの穏やかな気候のようにのんびりしている日本人が多いですね。そんな中、さらに気になるのは、アメリカに来たからと「日本人の心」を忘れてしまっている人々。特に20代、30代の若い世代の方々が、アメリカにはまりたがっているのかどうかは分からないですけれども、「日本人らしい心」を置いてきてしまっているように見受けられます。
私は大学卒業直後に勤めた会社で、いきなり単身で3年間もオーストラリアに行くことを命じられてから15年近くに渡って、香港、ヨーロッパ、東南アジア、グアム等々の世界を回る人生だったので、いろいろな文化や習慣の人々と交流するチャンスがありました。新しい出会いの度に冷や汗をかいたり、恥をかいたりの繰り返しでしたが、外国の人々と交流する方法や、そのためにはどんな努力が必要かを学びました。
ここで、ずばりお聞きしますが、あなたは自分が「国際力」がある本当の「国際人」だと思いますか? 先日、日本の学校とハワイの学校の交流のお世話をした時に、イゲ州知事のご夫人ダーンさんは、はっきりと「ハワイ州はこれから国籍は関係なくグローバルに、世界と交わっていく」とおっしゃっていました。日本側は2020年の東京オリンピックを意識していて、国際的なボランティアができるよう、国際人教育が盛んになっていて、多人種社会のハワイは国際交流に最適と考えられているようで、これからハワイ語学研修等が増えそうです。それには受け皿の私たちハワイにいる者が、「国際人」とは何たるかが分かっていなければならないですね。
「国際人」として、どんな国の人ともコミュニケーションできるためには、教養とアクションを積まないといけません。「Monkey see, monkey do」。最初は真似から始めてもいいでしょう。世界でどんなものが流行っているのか、何を中心に世界は回っているのか、流行っている本を読んだり、友人とも国際人とは何かという話題を話しましょう。自分だけで空回りしててもダメです。
どんどん積極的に、ハワイ大学やKCC等でやっているNon-Creditコースを受けたり、アダルトスクールに行ったり、ハワイカイにある国際的なJAIMS(Japan-America Institute of Management Science)のクラスに行ったりして、普段の生活では入ってこない教養を取り入れていくことです。
そして、どんなに国際的な立ち回りができる「国際人」になれても、「日本人らしい心」を無くしてはいけません。私はいつもお客さまをエレベーターまで見送ってお辞儀をして別れます。アメリカ人には「なぜエレベーターまでついて来るの?」と聞かれたりするけれど、お辞儀をして挨拶をするのは日本の良い慣習と思って守り続けています。日本人であるままで、あるがままの自分で「国際人」になれたらいいですね。
(2017年1月1日掲載)