今回は、自分の反省をこめてコラムを書いています。反省とは、ビジネスを日本からハワイへ進出させたいとよく私のところへ相談に来る皆さまへの対応のことです。
ハワイは日本から来た人が急にビジネスを始めるには、どちらかというと厳しい土地柄だと思います。生活も日本と同じようにはいきません。何よりきつく感じるのは、物価の違いで、金銭面に関しては、日本より厳しいと感じる人が多いでしょう。
そんなネガティブな要素を、もちろん相手に愛情があるからこそですが、相談に来た人々に、ザブザブと頭から冷水をぶっかけるように言い続けてきました。夢を持って頑張っている人に、「そんなのは甘いわよ」、「覚悟はあるの?」と、ハワイに来ない方が良いと言わんばかりのことをずっと言ってきました。
ある日、私の20年来の友人が、ハワイに移住して自分でビジネスを始めたいと相談してきました。その彼女に私はいつものごとく、「大変よ、無理よ」と繰り返しました。そんな私に、友人は何度目かの連絡で、「一度とにかくハワイへ行くから、何月何日だけ付き合ってね」と短いメッセージを送ってきて、渡布の目的は教えてくれなくなってしまいました。「梨さんに言うと駄目出しばかりされるからもう教えないわ」と言われてしまったのです。彼女はハワイを短期であっても訪れて、自分の目でリサーチをすると固く心に決めていました。そんな姿にハッと気づかされたのです。
起業の苦労は例え日本国内であっても必ずつきまとうものです。本人の目標やその主軸がきちんとしているならば、ハワイに愛情を持って来ようとしている人を、他人が遮る理由等ないでしょう。起業して失敗するも本人次第。自分で起こした行動が招くことなのですから、挑戦してみればいいことなのです。
それよりもハワイの良さをひとつも教えてあげていない自分を反省しました。ハワイの「ケアフリー」の風土、思い煩わされることが少ないこの雰囲気の中で、起業の苦労等は、体験できれば人生面白いと思えば良いことではないでしょうか。
私がハワイで起業して35年、思えば子どもや孫たちが暮らし、最愛の主人が永眠るこの土地を本当に愛しています。これから私のように、ハワイに愛情を持つ人々がもっと増えていくといいですね。
(2017年2月16日掲載)