皆さんは、ストレスがたまったときどうしていますか? ハワイでは友人と集まり冗談を言って笑いあったり、何か心が癒されることをしたり、とにかく自分の精神をポジティブに持っていけるように頑張る人が多いのではないでしょうか?
ところが昨今日本では、「涙活」というものが流行っています。涙活とは、発案者によると〝1カ月に2〜3分だけでも能動的に涙を流す時間を設けることによって心のデトックスを図る〟ものだそうです。今や、涙を流したい人が集まり映像や音楽などを鑑賞して涙を流すイベントが日本各地で行われています。そこで知り合う仲間は「涙友」などと呼ばれているそうです。
一見「泣く」という行為にはネガティブなイメージがあります。今以上に気分が落ち込んでしまいそうにも思えます。しかし「笑うよりも泣く方がストレス解消には役立つ」ということが、多くの実験で立証されています。
悲しい、悔しい、うれしい、感動したなど、感情が揺り動かされると大脳が刺激を受け、その脳内にある視床下部というところに刺激が伝わります。視床下部は「自律神経」をつかさどっている部分です。自律神経は、カラダを活発に動かす「交感神経」と、カラダをゆったり休ませる「副交感神経」のバランスをとる役目をしています。
大脳から感動による刺激が視床下部に伝わると、自律神経はカラダをゆったり休ませる「副交感神経」優位の状態にしてくれるので、ストレスが軽減されるのでしょう。
逆に「交感神経」優位の状態が続くと、寝付けない、眠りが浅い、肩や首がこる、冷え性、イライラするといった不調が出てくるのです。現代人が抱えている多くの不調は交感神経優位の状態が続いていることが要因だと言えます。ストレスは精神的な疲労に加えて、肌内部に活性酸素を発生させ、シミや吹き出物を引き起こしますし、美容に関しても重要なポイントです。
涙活は、感情のこもった涙によって効果が現れるもの。涙の「量」よりも「質」で、「うれし涙」と「共感の涙」が最も効果の高い涙なのだそうです。
しかしながら、人前で泣いてストレスを解消するということには抵抗があります。私が涙活イベントへ行くことはないと思います(笑)。私の場合は、幼い子どもから「ありがとう」の手紙をもらったり、絵を送ってもらったりしたときに感動して泣くことはありますが、私の日常を考えると圧倒的に笑っている方が多いです。好きなテレビを見たり、本を読んだり、庭に出て庭いじりをしたりしてストレスは発散できているのです。
しかしストレスを発散できないという問題を抱えている人は、ぜひ涙活をしてみてください。涙活は一人で行っても良いのです。涙を体の中にためないようにして、心も体も健康な状態で毎日を過ごしましょう。
(2018年2月16日掲載)