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マノア・チョコレート・テイスティングルーム

 

僕には、いいビッグアイランドの思い出がある。20年ほど前、初めて妻を3日間コナに連れて行ってあげた。行く前から、もしかしたら彼女はあんまり喜ばないのではないかなという不安があったのだが、案の定、到着早々掘っ建て小屋擬きの建物の群れを目にして彼女は、一体空港はどこにあるのかと訊いた。ゲートはなくタラップを降りるのだと知ってショックを受けている彼女の顔を横目に、僕は自分のと彼女の超重い機内持ち込み荷物をえっさと担ぎながら、転び落ちないようにするのが精一杯だった。

スーツケースが出てくるまで結構長く待ち、レンタカーカウンターで、前の客の返却が遅れたからという理由でさらに待たされた。やっとこさコンバーチブルに乗り込んでホッとしたのも束の間、それもまた失敗だったことがすぐに発覚した。というのは、なぜかこの日彼女は頭の上からつま先まで黒づくめ。太陽光線を全身で吸い込むハメになってしまったのだ。誰か知らない人が白い石で綴った愛の言葉が点在する延々と続く真っ黒な溶岩の原を車窓から眺めながら彼女は、こんな人里離れたところで週末3日間一体何をするのかと心配そうに尋ねた。

しかし、目的地のリゾートに到着して状況は好転。贅沢に揃ったアメニティに彼女は歓喜した。グルメ三昧にショッピング、農園ツアーと充実した休日を過ごした後、なんと彼女は次の3連休にも来れるかな、と尋ねたのだ。その後何回か訪れ、結局僕たちは結婚式もビッグアイランドで挙げた。

そんなビッグアイランドもあれから随分変わった。マカダミアナッツとコナコーヒーくらいしかなかった農園も、今ではロブスター、アバロニ、蜂蜜、バニラをはじめ素晴らしい食材を栽培する新しいファームが次々と生まれ、ハワイは高級食材の産地として世界から注目を浴びるようになっている。僕はここ2・3年行っていないのだが、これらの名産物を賞味する数多くのチャンスに恵まれた。中でも最近特に感心したのはチョコレートだ。

ハイアット リージェンシー ワイキキ内のこぢんまりとしたテイスティングルーム

 

ビッグアイランド産の高級カカオは、オアフ島でも味わうことができる。その方法のひとつは『マノア・チョコレート』に行ってみること。8年ほど前に創業したカイルアに本拠を置くビーントゥバー(カカオ豆の選定から焙煎、板チョコレートになるまでの全製造工程を自社で手掛けるチョコレート専門店)で、ハワイだけでなく、タンザニア、エクアドル、ペルー、ブラジルなど遠い外国の単一産地のカカオ豆を使った最高級のシングルオリジンダークチョコレートを製造販売している。カイルアとワイキキに店舗があり、またホールフーズでも板チョコが売られている。ちなみに店名は、“厚い、固い、あるいは深い”を意味するハワイ語“マノア”にちなんだもので、マノアヴァレーのことではない。

昨年11月にパリで開催されたチョコレートの祭典“サロン・デュ・ショコラ”で、ハワイ島産のカカオ豆を使った滑らかで贅沢&濃厚な70%カカオハワイダークチョコレートが見事最優秀賞を獲得。国際的な脚光を浴びるようになった。この賞は、フランスのチョコレート愛好家の会 Club des Croqueurs de Chocolat(クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ)が海外2社に限り贈る大変名誉ある賞だ。

各種チョコレート。セットになっているが、個別に買うこともできる。
買えば買うほどディスカウントが適用される。

 

商品ラインナップには、ハワイ産のカカオ豆を50%使用したミルクチョコレートバーから100%外国産を使ったバーまで10種類以上の板チョコが含まれる。正統派チョコレートのほかに、山羊乳独特のツンとした香りがほんのり漂うゴートミルクバーや、砕いたカカオニブとコナコーヒー豆でフレーバーとテクスチャーをアップしたブレックファーストバーなどのユニークなものもある。

 

マノア・チョコレートの板チョコは、夢見心地にしてくれる美味しさだ。信じられないと思うなら、ハイアット リージェンシー ワイキキ ビーチ リゾート アンド スパに新しくオープンした『マノア・チョコレート・テイスティングルーム』にぜひ一度立ち寄ってみること。カカオ豆を味見したり、チョコレートの発酵工程を学んだりでき、もちろん板チョコもすべてテイスティングできる。チョコホリックなら、ベリーからバナナ、ナッツフレーバーまで全部トライしてみることをおすすめする。個人的には、ビッグアイランド産のカカオ豆を使用した板チョコが群を抜いていると思う。そして、香しいアロマ立つ信じられないほど美味なブリューイングチョコレート(コーヒーに似た感じのドリンク。チョコレートティーと呼んでもいいかもしれない)はマストだ。

マノア・チョコレートのおかげで、僕のビッグアイランド熱が再燃してしまった。暖かい太陽の光をいっぱい浴びて、ファーム産の素晴らしい食材の数々を食べ歩きたいと思う。日傘を持って行くことさえ約束すれば、もう妻を説得する必要はないだろう。

 

 

マノア・チョコレート・テイスティングルーム/Manoa Chocolate Tasting Room
ハイアット リージェンシー ワイキキ ビーチ リゾート アンド スパ エバタワー1階
2424 Kalakaua Ave., Honolulu
808-754-3618
▶ 営業時間:9:00 – 22:00
▶ 取扱クレジットカード:ビザ、マスターカード、JCB

ショーン・モリス

ショーン・モリス◎ マーケティング会社社長。ハワイ随一のグルメ通として知られている食いしん坊。

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Twitter: @incurablepicure
Instagram: @incurablepicure

 

(2018年3月1日掲載)

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2018年3月1日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください

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