ファーム・トゥ・フォーク・マノア

エクササイズで何がつらいかというと、上向きの体操が多いことだ。腹筋、懸垂、腕立て伏せ… どれも重力に逆らうものばかり。それよりも僕は、下向きの動作が好きだ。座る、横になる、物を置く、食べものをお腹の中におさめるなど、ずっと簡単だ。

それに下向きは、万有引力という自然界の法則に従っているからはるかにナチュラルだ。僕はルールを守るまじめなタイプ。だから、脂肪分とカロリーの摂取量を抑え、合成保存料とかを含まないヘルシーなものを食べるようにすれば、もしかしたら下向きテーマを維持しながら、多少なりともより健康的な方向に進路調整できるのではないかと思っている。

２・３ヶ月前に開店した「ファーム・トゥ・フォーク・マノア」は、美味しくて、しかも平均的なテイクアウト店よりもヘルシーなランチやディナーが見つかるスポットだ。だから、エクササイズする時間がないときはこの店に行って、コクア・マーケットの元シェフ、ジャンピエールさんら３人の冴えた料理人が作る料理で食事を済ませるというオプションができた。必ずしもすべてが低脂肪、低カロリー、減塩、糖分控えめの、いわゆる“完璧なヘルシー料理”であるわけではないが、どれも新鮮さ満載であることは確かだ。

好きなプロテインとサイドディッシュを１つずつ選んで自分なりのハワイアンまたはローカルプレートを作る、という形式。プロテインは、ジューシーなイム風カルアポーク、フリーレンジチキンのロティサリーロースト、ポークとバターフィッシュのラウラウ、ローカルスタイルビーフシチューからチョイスできる。それほどヘルシーに思えないかもしれないが、他店のものと違ってここのは脂っこさを感じなかった。高カロリーのものをドカ食いした後にやってくるあの無気力感“ハワイアンパラリシス”に襲われることもなかった。ココナッツミルクを使ったヴィーガンカレーやハワイ産の魚のような、よりヘルシーなメニューもいくつか提供されている。

サイドディッシュには、ローカル産ミックスリーフのサラダ、野菜のサコタッシュ、わらびサラダ、紫芋、タロフムス、ロミサーモン、ポイなどがあり、どれもプロテイン同様にフレッシュであっさり仕立てだ。ポテトマカロニサラダ、クリーミーな燻製カジキのディップ、自家製タロチップスはカロリー高めだが、それでも決して胃にもたれるようなレベルではない。

そしてもうひとつの魅力は、使用している材料の７割がローカル産であること。だから、地元経済にも健全だ。ワイアナエで育てられた豚からポイやチップスに使用されているサトイモまでハワイの自然の幸満載のメニューから、この店のサステナビリティへの確かな姿勢がうかがえる。

値段もうれしい。たっぷりの量のプロテイン１つとサイドディッシュ１つがセットになったミニプレートは９ドル、プロテイン２つとサイドディッシュ１つのレギュラープレートは13ドルと非常に良心的だ。どちらもライス（白米または玄米）とハウピアが付く。追加のプロテインは５ドル、サイドディッシュは４ドル。

ファーム・トゥ・フォーク・マノアは、魂に健全で、体にちょっぴりヘルシーで、お財布に優しい。だから、一度この店に行き、どっしりと腰を下ろし、健康的な食事をしっかりお腹に収めて万有引力に身をまかせてみては？

◎ファーム・トゥ・フォーク・マノア/Farm to Fork Manoa
1009 University Avenue
☎808- 425-4767
▶ 営業時間：毎日 11:00am – 7:00pm
▶ 取扱クレジットカード：ビザ、マスターカード、アメリカンエキスプレス、JCB

(2019年3月1日掲載）

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2019年3月1日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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