アイランド・ヴィンテージ・ワインバー｜ショーン・モリスの新ハワイ食べある記

僕がハッピーアワーというコンセプトを楽しめることは滅多にない。ましてやそれをよく理解することもできない。第一、ハッピーアワーが開催されている時間帯は大方仕事をしているし、Eメールやレポートに目を通し、ミーティングや撮影を終えた頃には、そういう巷のハッピーな数時間は終わってしまっている。だから、僕にはレギュラープライスを払うしかチョイスがないのだ。第二に、旅行者以外で昼間の２時半に酒を何杯も飲む人なんているのだろうか？もちろんランチで飲むグラス１杯のワインのことを言っているのではないが。みんながみんな８時５時の仕事をしているのではないということは僕だって承知している。だから、もしかしたら、ただ単に嫉妬しているだけなのかもしれない。

「アイランド・ヴィンテージ・ワインバー」のような店は、そんな僕みたいな人間のために作られたのではないかと本気で思う。ロイヤル・ハワイアン・センター２階にある姉妹店アイランド・ヴィンテージ・コーヒーの隣に最近オープンしたこの店は、ホノルル最新の最もホットなワインバーだ。白16種類、赤24種類の計40種類のワインが揃うワインディスペンサーが壁沿いにずらりと並び、またサンセール、シャンボールミュジニー、リースリング、シャルドネ、ピノノワール、カベルネソーヴィニヨン、ヴィオニエ、ボルドーをはじめとする100以上もの選りすぐりの銘柄を集めたワインリストも用意されていて、まさにワインラバーのためのオアシスだ。ロイヤル・ハワイアン・ホテルと緑のガーデンを望むオープンエアのラナイ席があるのもうれしい。そして、スモールプレートやラージプレート、チーズ＆シャルキュトリーなど、クリスティン・リーさんが監修した創意あふれるフードメニューも見逃せない。

メニューは、仕入れ可能なハワイの旬の食材を取り入れながら随時変更されている。僕が特に気に入っていたルッコラと桃のサラダがオープン後まもなく終了したのは残念だが、トライする価値ありのアイテムはまだまだたくさんある。スタートには、ヴィーガントリュフオイルを添えたのり天風海苔チップスを。トリュフマカロニ＆チーズ、モッツァレラチーズのパン粉揚げ、スモーク風味のアイオリでいただく紫芋のフライ、アイランド・ヴィンテージの看板メニューであるポケ各種、スモークアヒのオニオンピクルスディップなど、もう少ししっかめのスモールプレートも揃う。

酔いが早く回ってしまうのを避けたいなら、ポケサラダ（柚子ごまドレッシング）、アヒバーガー（白菜のコールスローとわさびアイオリ）、あさりの白ワイン蒸し、牛肉のブレゼ（きのことアスパラガス）、豚バラの塩麹燻製、炙りサーモンベリーサラダ（柚子、スイートオニオン）、ハワイ産魚介類のシーフードプラター、風味超満載の和牛バーガーなどよりボリューミーなアイテムを選んで。

オーソドックスなチーズプレート、カプレーゼサラダ（ペストソースがけ）、クリーミーブッラータ（パルマハム、贅沢なフランキーズ・ナースリー産メレカリマホワイトパイナップル添え）もワインと相性抜群だ。シャルキュトリープラターは、サラミや生ハムなどいろいろな種類のコールドミートが楽しめるが、プロシュットが特に好きなら、パパイヤとルッコラを添えたシンプルなプロシュットプラターがいいかもしれない。

アサイボウル、サンドイッチ、フルーツ、トーストといった朝食アイテム、鮮魚、ガーリックシュリンプ、ローカルスタイルプレート、またスムージー、コーヒードリンクなどアイランド・ヴィンテージ・カフェで提供しているメニューも注文可能なので、アルコールが飲めなくても十分楽しめるのもこの店のいいところ。僕の妻もお酒ダメな人なので、これは大事なポイントだ。そして僕的には、仕事の後のハッピーアワーは、これからも決して叶わぬ夢であり続けるのだろう。