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有名な日系アメリカ人パーソナリティーがなぜ少ないのか、僕は不思議に思う。頭に浮かんでくるのはせいぜいヨーコ・オノとウォーリー・ヨナミネくらい。しかしGoogleで検索してみたら、なんとワーナーブラザーズCEOのケビン・ツジハラ、アイアンシェフアメリカのマーク・ダカスコス、“If I can’t Have You”でヒットを飛ばしたイヴォンヌ・エリマン、ジェームズボンド次回作“No Time to Die”を監督するキャリー・フクナガなどなど、数え切れないほどの名前が出てきた。

同じ日系アメリカ人である僕は、異なった国民性・民族性の混合から生まれる素晴らしいクオリティーを世に知らせてくれている彼らを誇りに感じる。ただ皮肉にも、ラテンのエッセンスを取り入れたマツヒサノブ氏の料理を除き、大方のジャパニーズアメリカンレストランについては、同じことが言えない。理由は、度を超えた味付けで全体的なバランスが崩されてしまっていることかもしれないし、あるいは素材の持ち味が尊重されていないことかもしれない。

先日、サラトガ通りにある「カストロズ・キューバン・フード」に行ってきたのだが、オーナーシェフでコロンビア人のルイス・カストロさんが、以前アメリカ人の口にあわせた和風テイストのフュージョン料理で知られる某人気レストランで働いていたと知り、もしかしたらせっかくのラテン料理になんかしっくりこないフレーバーが加えられているのではないかと不安になった。ところがなんのことはない、彼のサンドイッチを2口3口して、そんな心配は一気に吹き飛んだ。

 

ハワイのどこにでもある極ありきたりのものとは異なった解釈の食をシェアしたいと考えた彼は、オアフ島にラテン系の店があまりないことに目をつけ、馴染みやすくシンプルなラテンキュイジーヌを提供することにした。

だからメニューは、ローカル産卵と熟成チェダーチーズとディル風味クレームフレッシュをブリオッシュバンズに挟んだブエン・ディアと呼ばれる朝食サンドイッチ、ポノポークハムとローストポークをチャバタパンにのせたクバーノ、12時間かけてじっくり煮込んだ牛肩ばら肉とグリーンゴッデスアイオリをチャバタに挟んだロパ・ビエハ、ポーチュギーズリングイッサソーセージとキノコのチミチュリをバゲットにのせたチョリパン、黒豆フムスを塗ったオリーブブレッドにアボカドスライスをのせたアボカドトースト、ゆっくり煮込んだ豚肩肉をシラントロ、ハラペーニョピクルス、ロメインレタス、ローストガーリックアイオリといっしょにバゲットにのせたパン・コン・レチョンといったサンドイッチ類が大半だ。

サンドイッチ以外では、サーモンボード(自家製スモークサーモン、ピクルス、イタリアンケッパー、ディル風味クレームフレッシュ、オーガニックエッグのゆで卵、オニオンベーグル)やガーデンブレックファーストボード(ロースト野菜、黒豆フムス、パセリモホソース、焼き豆腐、オリーブブレッド)、伝統的な牛肩肉のミートタマルと季節野菜のヴィーガンタマル(どちらもバナナの葉包み蒸し、ソフリット添え)などがある。

あと、ビーツ&キヌアサラダ(赤味噌ヴィネグレット)、レンズ豆のカレーサラダ(ローストカリフラワー、クレソン、シラントロ、ローストバターナッツスクウォッシュ、ヘンプハーツ、焼き豆腐)、ヴィーガンポケ(キュウリ、オゴ、シーアスパラガス、ハワイアンソルト、ごま油)、ケール&ビーンサラダ(バルサミコ酢、オリーブオイル)、メディテレーニアンポテトサラダ(ローストキノコ、カラマタオリーブ、カステルヴェトラーノ、シーソルト、フレッシュハーブ、オリーブオイル)などのデリサラダが約5種類揃う。

ドリンク類は、ハウスコーヒー、アメリカーノ、カプチーノ、コルタード、ラテ、モカのようなコーヒー飲料、イェルバマテ、プランテーション版イェルバマテ(どちらもフレーバーシロップまたは自家製リリコイシロップ追加可)、そして旬のハワイ産トロピカルフルーツを使用したフレッシュジュースが用意されている。

 

この店では、ビーツ&キヌアサラダに使われている赤味噌ヴィネグレットとやや和テイストのヴィーガンポケを除いてジャパニーズインフルエンスはほとんど見られない。どの料理もバランスよく、生き生きとした味わいを持っていた。もしかしたらラテン系の客は、僕が和フュージョン料理に対して感じるのと同じような思いを抱くのでは… と思ったが、なんのことはない、ハワイのエレメントを程よく溶け込ませた料理が大好評だとのこと。そう聞くと、僕も不正流用をもう少し寛大に受け止めるようにならねばなぁと反省した。いや、実はまったく否定しているのではなく、ジャパニーズアメリカンはダメだが、ジャパニーズラテンはOKだということ。

 

Castro’s Cuban Food

カストロズ・キューバン・フード                      

Phone:  (808) 630-0480

2113 Kalakaua Avenue

【営】火~日 7:00am – 2:00pm(月曜定休日)

【取扱クレジットカード】ビザ、マスターカード

ショーン・モリス

◎ マーケティング会社社長。ハワイ随一のグルメ通として知られている食いしん坊。
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※このページは「ライトハウス・ハワイ 2021年8月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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