初めてのマイホームを買ったときのワクワク感を僕は今でも憶えている。あの頃の僕らには、大きな夢がいっぱいあった。楽しい“ペンキ塗りパーティ”まで計画していたのだが、やってみると現実は随分違っていた。楽しいどころか、ペンキはあちこちに飛び散るものだということを今更ながら発見。髪の毛や顔や腕にこびりついた白ペンキを垢すりみたいにゴシゴシ擦り取る毎日だった。そして最近はと言うと、わが家の家計は修理・改装に牛耳られている。夢に描いたあの素敵なマイホーム完成への希望は薄れる一方だ。もしも本当にお金持ちだったら、トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキやザ・リッツ・カールトン・レジデンス、あるいは近々オープン予定のマンダリン・オリエンタルのような、近年ホノルルのあちこちに出現している家具付き最新ブランドラグジュアリーコンドテル(ホテルコンド)を迷わず購入するのだが。

 

 

ザ・リッツ・カールトンのユニットに住んだら、ラグジュアリー・ロウで働く僕の妻はエレベーターに2つ乗るだけで通勤できる。そして僕らは、今夜はすし匠にするか、それとも新しくオープンしたキオラあるいはラヴィにしようかなんて思いながら日々暮らすだろう。もちろんこれらの店が高価なことはわかっている。しかし、それも僕ら貧しいものがいつの日が実現することを願って描くリッチな生活構図の一部なのだ。いずれにせよ、質量ともに充実した3コース($79)と5コース($119)を提供する「ラヴィ」は、僕らにも手の届く贅沢だ。以前アズーアのシェフであったシェイマス・アルウィン氏が舵を取るこの店は、上品でしかも馴染みのある味わいのフレンチインスパイアドキュイジーヌを楽しませてくれる。

 

 

 

メニューは、基本的に前菜、主菜、デザートの3つにざっくり分けられている。スモールプレートのセレクションは、菊芋の豆腐にのせたアメリカ産キャビアとコナアバロニ、ロブスターレムラード(セロリルートとリンゴ添え)、マリネビーツとゴートチーズのクレムー(ホイップゴートチーズとゴールデン&レッドビーツのマリネにラズベリー、フリゼレタス、すり黒ごまを添えたサラダ、ラズベリーシャンパンヴィネグレット)、ラスエルハヌートの効いたニイハウ産アンテロープのタルタル(粗いみじん切りアンテロープ生肉にうずら卵、刻んだブラックオリーブ、フライドエシャロット、チリペッパー、紫蘇、ミント、チチャロンを添えて)、アスパラガス&ポーチドエッグ(野菜とチャービルのナージュ、エリンギ、グリュイエールチップス、クリスピーバックウィート、豆苗、マーシュ、チャービル)、エスカルゴのダンプリング(刻んだエスカルゴ、エシャロット、セロリ、キャラウェイシード、フェンネル、ブラックペッパー、ラードンのキャラメリゼ、クルトン、わらび、ヒラバラファームベビーレタス、グリーンガーリック風味チキンコンソメ)など。ほぼすべてがうなるほど美味しかった。

 

 

主菜は、アメリカン和牛ステーキ ボルドレーソース ポムアリゴ(ホワイトチェダーチーズカードがたっぷり入ったホイップクリーム)と焼きマウイオニオン添えが花形メニューのように思えるが、僕らの心を奪ったのはそれよりもメイン産ホタテのロースト カリフラワー添えだった。本日のハワイ産魚(当日は、グレースナッパーのハム包み焼き にんにくとアンチョビ味のアンショイアードソース 椰子の新芽のピューレとタケノコとズッキーニ添え)もしっとり素晴らしい出来上がりで、負けないくらいの逸品だった(別日に行った友人の意見は違ったが)。

 

 

 

21日熟成のダックブレスト ピュイ産レンズ豆とレッドエンダイブのピクルス、マウイ産クレソン、オレンジスパイス風味ジュ(エシャロット、タイム、ダックファット、バニュルスビネガー、オレンジジュース&シロップ、鶏の肉汁のソース)添えは、フレーバーのコンビネーションが素敵だった。キングサーモンパリジャン(ジャガイモとリーキのソース、フライドポテトボール、ほうれん草の白味噌とタイムバターソテーを添え)は絶妙なバターポシェだったが、塩味がかなり強めだった。

 

 

 

テット・ド・モワンヌチーズ(セミハードタイプの牛乳チーズ、マノアハニー、くるみ、グリーン)、定番の栗の代わりに紫芋を使ったモンブラン(カシスクリームに浸ったブルーベリーとブラックベリー、カシスのジュレ、ココナッツメレンゲのアクセント)、チョコレートスフレ(刺激の少ないワイアルアチョコレート使用)、ガトーサヴァラン(コハナ・アグリコルラム、バニラ、オレンジゼストとシロップが染み込んだケーキ、飴がけフラワーとドライオレンジ、クレームフレーシュシャンティ)でスイートフィナーレとなった。

 

 

$79も$119のコースも内容を自分でチョイスすることができる。バリューで言えばすべて主菜にするのが正解かもしれないが、僕は前菜もいくつか混ぜることをおすすめする。しかし、もしも僕らがザ・リッツ・カールトンのコンドテルに住めるようなお金持ちだったら、好きな前菜を好きなだけオーダーするだろう。そして食後は、ピカソの絵画とバカラのシャンデリアとジャコメッティの彫刻で飾られた上階の豪華マイホームに帰るのだ。

 

 

 

◎ラヴィ /La Vie
ザ・リッツ・カールトン・レジデンス、ワイキキ・ビーチ 383 Kalaimoku Street., Honolulu,
☎808-524-0447
▶営業時間:6:30 – 11:00am(朝食)、5:00 – 9:00pm(ディナー)
▶ 取扱クレジットカード:ビザ、マスターカード、JCB、アメリカンエキスプレス

ショーン・モリス

ショーン・モリス◎ マーケティング会社社長。ハワイ随一のグルメ通として知られている食いしん坊。
ソーシャルメディアも発信中
Twitter: @incurablepicure
Instagram: @incurablepicure

(2019年9月16日掲載)

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2019年9月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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