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保険は、自分の不幸に賭ける一種のギャンブルだ。「今月きっと病気になるからとか、絶対に歯が抜けるあるいは虫歯になるに違いないから保険会社に500ドル賭ける」と言っているようなものだ。そして、毎月毎月負け続ければ運が良かったとする。一方で勝てばある程度の支払いが出るのだが、それは治療をしてくれた医者に行く。だから結局のところ、これは断じて勝ちたくないギャンブルなのだ。もし病気になったら、車で木にぶつかってしまおうか、そうすれば医療と自動車の両方の保険金が出るだろうし…なんてとんでもないことを時々思ってしまう。だが自分の病気を資本化するようなそんな不健全な発想をするよりも、むしろ食習慣をもっと健康的にすればいいのではと考え直した。

先日、XOレストランの姉妹店「AVレストラン」で食事をしたのだが、これがまた僕が今まで出会った中で最高と呼べるヴィーガン料理だった。ヘルシーであり、またそれ以上に環境に優しいヴィーガンダイエットは、地球への負荷だけでなく体への負担も軽減してくれる。ただ問題は、僕が食べることが大好きな人間であることだ。

幸いにもAVレストランはあらゆるレベルで素晴らしく、そんな心配を吹き飛ばしてくれた。巷のヴィーガン料理の大半は、単に動物性タンパク質の代わりに、味やテクスチャーの似た植物性タンパク質を用いているだけなのだが、この店では違う。$140のデガステーションコース(14~16品)のメニューは見事な逸品揃いで、まるで僕のような雑食動物のために拵えられたようだった。肉をはじめとするすべての動物性タンパク質がそれらとそっくりの食材と入れ替えられ、創造性豊かな技と堂々たるプレゼンテーションで供された。シェフ・ド・キュイジーヌを務めるハリソン・イーネスさんに創作を任せるというオーナーシェフ、ケネス・リー氏の策は大正解だった。

コースは、リバーススフェリフィケーションを取り入れたローストトマトを添えたビーツタルタルのタルトレットでスタート。フレーバーとテクスチャーが口の中で美味しく弾けた。続くは、透明の葛ゼリーにフムスとザアタルを重ねた目にも美しいクリスタルクロスティーニ。

そのあと、トマトとイチゴのソフリットを絡めたグリルドカリフラワーをチャコールクレープにのせ味噌バーニャカウダをかけたオープンフェイスタコス、チャイブとピッツァ風味のエマルジョンがアクセントのヴィーガンシュリンプと野菜詰めサクサクポテトカンノーリ、そして胡麻と辛子と黒酢と醤油が香るエリンギとテンペと豆腐の担々トルテリーニと続いた。

インテルメッツォは、ハリッサジャムとイングリッシュキューカンバーを飾りに添えたセロリのガスパチョソルベ。甘さと辛さが交差する風味とひんやりとした食感が、次に“たこやき”を控えての爽やかな口直しになった。トルティーヤピューレとタコソースが添えられたこのヴィーガンソーセージのたこやきは、和風というよりむしろメキシカンな味わいだった。

続く和ナスの握り鮨は、フライドディルピクルス、すりごま、七味、そしてふりかけピューレがさっと焼いたナスにナイスアクセント。次に登場したトリュフ仕立てのエリンギとバナナブロッサムの小籠包は、まさに拍手喝采の絶品だった。そのあとは、鶏のドラムスティックに見せかけたビール衣の和風カレーコロッケ。これはニンニクとオニオンパウダーに漬け込んだカシューナッツのランチドレッシング(近々、タルタルソースのように刻みピクルスを足す予定)でいただく。

パン粉をまとったポータベロマッシュルームとヴィーガンエッグサラダのカツサンドは、スモーキーなカツソースに一層引き立てられ、ヴィーガンであることを忘れてしまいそうだった。最後に、トロトロのヴィーガンモッツァレラが詰まったワッフルドッグ ディジョンマスタードがけ(オプショナル/+$8)が出てきて料理コース終了。

ハニーデューメロン味のパチパチキャンディーをまぶしたヴィーガンホワイトチョコの球に入ったメロンソーダ、チアシードとハイビスカスソースとデーツシロップでいただく口当たり爽やかなプリックリーペアのソルベ(少なくとも週替わり)、そしてココナッツドゥルセデレチェを垂らした温かいマカダミアナッツクッキーの3種のデザートでフィナーレを迎えた。

$140という値段は、特にパンデミック中の今はなかなか手が出しにくい額だが、ただ、これは単なる食事ではなくびっくりするほど素晴らしい体験である、ということだけは言える。一つひとつの料理がユニークで、しかも全体的に見事にまとめられており、ノンヴィーガンの僕でさえ心底楽しむことができた。ここで健康的な食事をしたら医療保険が要らなくなるというのならありがたいのだが、残念ながらそうはいかない。メニューが変わるたびに通いたいから、またもや月々の出費が増えてしまいそうだ。

AV Restaurant 

AVレストラン

Phone:  (808) 888-3528(予約はYelp!にてのみ)

1135 11th Avenue

【営】火~土 5:30 – 10:30pm(目下、日・月曜定休日)

【取扱クレジットカード】ビザ、マスターカード、アメリカンエクスプレス、JCB(カード会社手数料は客負担)

ショーン・モリス

◎ マーケティング会社社長。ハワイ随一のグルメ通として知られている食いしん坊。
ソーシャルメディアも発信中
Twitter: @incurablepicure
Instagram: @incurablepicure

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2021年10月1日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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