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~お受験嫌いなママが明かす「ここだけの話」~第254  【日米子育て4つの違い】

①学校への送迎
 ハワイと日本の子育ての最大の違いといえば、ハワイでは毎日の通学を始め、どこへ行くにも親の送迎が必要だということです。日本の公立小学校では集団登校で子どもたちだけで学校に行きますし、私立小学校では低学年でもバスや電車で通学しています。昨今のインバウンドブームで日本を訪れた外国人がびっくりすることの一つに、こうした子どもの自由度が挙げられますが、日本がいかに安全で公共交通機関が発達しているかを象徴していますよね。ハワイでは子どもたちだけで登校しても良いのですが、安全上の不安やバスしかない交通の不便さに加え、何かあれば保護者が監督不行き届きや児童虐待に問われてしまうことから、親が送迎するのが常識になっています。放課後も同じ理由で留守番は御法度。仕事をしている親はAプラス(学童保育)に預けるか、仕事の時間を調整してお迎えに行っています。

②長い夏休み
 6〜7月の2カ月にわたる夏休みをどのように乗り切るか、親は毎年のように悩みますが、サマープログラムに入れることが多いですね。一番気軽にトライできるのは、州公園局が地域のコミュニティセンターで主催しているサマーファンです。7週間ほどの長期プログラムで費用も安く便利ですが、先着順で申込日に満員になるので注意してください。ディストリクトごとに申込日が違い、今年はディストリクト1の申込日は5月19日です。詳細はこちらから。https://www.honolulu.gov/parks/program/summer-funprogram.
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 他にも私立校のサマースクール、民間施設やスポーツ教室などが主催する夏の特別プログラムが多種多様にありますが、料金は高額です。子どもを伸ばすことができるプログラムを賢く選ぶ必要があるでしょう。ホノルルマガジンやハワイペアレントなどの地元誌で毎年サマープログラムの特集が組まれるので、参考にするとよいかもしれません。

③習い事への取り組み
 ハワイの公立校では体育・音楽・美術といった副教科における内容が薄く、情操教育を目的にした習い事が盛んであること。高校になって始まる部活動は選抜制で、幼少期からプライベートクラブで修練を重ねてきた生徒に有利に働くこと。スポーツや芸術で秀でた成績を残すと大学から奨学金を得るチャンスが増えること。このような理由からハワイでは習い事が非常に盛んです。
 ハワイの小学生に人気の習い事といえば、サッカー、水泳、ピアノ、フラ、公文、テニス、フラッグフットボール、野球、バレエ、ウクレレ、演劇、絵画などでしょうか。日系家庭では日本語補習校や放課後の日本語学校に通うお子さんも多いはずです。最大の課題は親が送迎をしなくてはならず、スポーツなら土日に試合があったり、スナック当番が回ってきたり、親子ともに全面的にコミットしなくては続かないのが現状です。親同士でライドシェアをしたり、工夫をしてなんとか乗り切っているご家庭も多く、ハワイの子育てで親が一番苦労する点だと思います。

④塾や家庭教師は必ずしも必要ない
 日本と違って良いと思う点は、大学入試のために塾に頼らなくともやっていけることだと思います。学校で大量の宿題やプロジェクトが出されます。高校生になると授業も選択科目制で、難易度の高いAPクラスなどがオファーされるので、基本的には学校の勉強をきちんとすると十分な学力がつく仕組みになっています。補足的にサマースクールや学習塾を利用することはありますが、日本のように進学塾に通うのが当たり前という風潮はありません。

スピアかずこ
1964年愛媛県生まれ。大阪•京都•オレゴンで学生時代を過ごす。京都女子大学短期大学部卒業。88年ハワイに移住し結婚。ハワイの公立校で教育を受けた長女は現在アメリカ本土で大学院生、次女はハワイ大学へ通う。雑誌やウェブでの執筆活動を精力的に行っている。共著に『ハッピー•グルメ• ハワイ』(双葉社刊)

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2025年3月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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