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~お受験嫌いなママが明かす「ここだけの話」~第240  【公立校の入学手続きと越境について】

 ハワイの公立校は3月1日に入学手続きが始まります。キンダーガーテン(以下略キンダー)入学の年齢に達した子どもへ州教育局や学校から手続きの案内が来ることはないので、親が自発的に入学手続きをしなければなりません。州教育局HPに詳しい案内があります。https://www.hawaiipublicschools.org/
 ハワイの小学校は日本の幼稚園年長に相当するキンダーから始まります。キンダーの入学対象年齢は、その年の7月31日で5歳であること。該当するお子さんをお持ちの親は、地域の小学校で入学申請書類をもらい直接提出または郵送するか、オンラインで手続きを行ってください。
 必要な書類は①入学願書②母国語の調査書③出生証明書(外国人はパスポートまたは学生ビザ)④保護者のID⑤居住証明書(賃貸や住宅ローン、電気水道代の請求書など)⑥ツベルクリン陰性証明書⑦健康診断書⑧予防接種証明書⑨必要な場合は服用薬の申告(アレルギー発作など緊急時の対応への委任状を兼ねる)が必要です。①②は日本語でも書類が用意されています。健康診断書や予防接種証明書の取得には時間がかかることもあるので、早めに準備するようにしてください。

■越境入学の場合
 ハワイでは申請すれば越境入学が認められます。住んでいる地域の公立校の環境が望ましくないと思う場合や、通勤の都合でAプラス(学童保育)の終了時間である午後5時30分までにお迎えが間に合わない場合などは、GE(Geographic Exceptions/越境制度)を申請してすることができます。
 越境申請は通常の入学願書受け付けに先立つ1月1日~3月1日までに、学区内にある本来行くべき公立校のオフィスに越境願書を提出します。今年は既に受け付けが開始されているので、希望者は手続きを急いでください。
 越境願書は学区内の小学校から越境を希望する学校に回され、各校で書類審査の後、3月1日から2週間以内に受け入れの可否が本人へ郵送で通知されます。入学を許可されたら、郵送通知を受け取った10日以内に入学の意思を伝えると同時に、学区内の学校にはリリース・フォームと呼ばれる転校に必要な書類を作成してもらいます。入学が拒否され場合は、10日以内に再審議を申し立てすることも可能です。人気校の中には抽選制を採択している学校もありますので、その場合は学校からの案内に従ってください。
 公立校ランキングで上位に入っている学校へは、毎年越境の希望者が殺到しています。人気校の越境枠は激戦となっているので、2~3校を併願する場合も多いようです。越境という選択肢があることは素晴らしいのですが、小学生にとっては家の近所に友達がいて親子共に地域でのネットワークができたり、通学時間が無いなど、学区内の学校に通うメリットも大きいので、越境については慎重に検討したいものです。
 中・高校になると、越境を希望する理由も変わってきます。越境先の小学校の友達と同じ学校に通うため、引き続き越境するケースは多いですが、その他、アカデミックなプログラムや部活動の内容に魅力を感じて、越境をするケースが増えます。いずれにしても、生徒数が多く規模が大きい中高では、小学校より越境の受け入れ率が高くなります。
 ただしスポーツが目的の場合は要注意です。ハワイ公式リーグの規定ではアスリートのリクルートは禁止されてて、公式試合の参加資格には細かな規定があります。詳細は各校に常駐しているアスレチック・ディレクターに相談してみるといいかもしれません。

スピアかずこ
1964年愛媛県生まれ。大阪•京都•オレゴンで学生時代を過ごす。京都女子大学短期大学部卒業。88年ハワイに移住し結婚。ハワイの公立校で教育を受けた長女は現在アメリカ本土で大学院生、次女はハワイ大学へ通う。雑誌やウェブでの執筆活動を精力的に行っている。共著に『ハッピー•グルメ• ハワイ』(双葉社刊)

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2024年1月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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