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~お受験嫌いなママが明かす「ここだけの話」~第239  【ハワイの給食と食育について】

ハワイの公立校では、小~高校まで一貫して給食(スクールランチ)が出ます。ただし強制ではなく、お弁当(ホームランチ)を持参してもよいことになっていて、給食費は学校に支払ったデポジットの中から食べた分だけが差し引かれていくシステムになっています。8年生までは2ドル50セント、9~12年生は2ドル75セントなので、物価高のハワイで子育て中の家庭には、大変ありがたい料金になっています。また経済的に援助が必要な家庭は、給食費の減額申請をすることもできます。子どもたちには減額申請していることは一切わからないようになっているので、必要な場合は気兼ねなく申請してください。減額申請に必要な条件が記載された申請書類は年度始めに配布されますが、各学校のオフィスでいつでももらえます。
 気になる給食のメニューはというと、ある日はローストターキー&グレービー、マッシュポテト、グリーンビーンズ&コーン、缶詰フルーツと全粒粉ロール、別の日はペパロニ・ピザ、グリーンサラダ、バナナ、マフィンといった感じです。野菜やフルーツは缶詰か冷凍ものがほとんどで、栄養価的にはまだまだ改善の余地ありです。


 そんな中、ハワイ州教育局では今年10月、新しいメニューを導入する取り組みが行われました。ナショナル・ファーム・トゥ・スクール月間である10月限定ではありますが、州内60校で、ハワイ産のスイートポテトがメニュとして提供されました(写真)。サステナビリティーの取り組みの一環として、今後ぜひ継続発展してほしいプロジェクトです。これを機会に給食の内容が向上していくことに期待したいですね。
 給食といえば、食育に対する日米の意識の違いにも触れておきたいと思います。日本の小学校では教室内で先生と一緒に給食を食べ、「好き嫌いをしない」食育が行われていますが、ハワイでは先生は同席せず、ランチモニターと呼ばれる係の監督のもと、全員一斉にカフェテリアで食事します。ランチモニターは子どもたちが食事中に騒がずに食事をするよう監督するのが主な目的なので、食事のマナーや偏食についての指導は行いません。それぞれが好きなように食べているので、嫌いなものには手を付けず捨てている子どもも大勢います。大勢が列になって配膳を待つので、食事の時間が短く、食べるのが遅い子は時間切れになってしまうことも多いですね。
 こうした事情から、食べ物を大切にすること、偏食を治すことなどは、家庭内で気を付ける他なさそうです。家に帰って来たときにお腹がペコペコなら、給食をきちんと食べてないかもしれません。苦手なメニューの日はお弁当を持たすなど、その子に合った方法を工夫しながら、子どもを健やかに育てていきましょう。
 さらにハワイの学校では休み時間にスナックを食べてもよいことになっています。またAプラスに預ける場合も、Aプラス開始時にスナックタイムが設けられています。なるだけヘルシーで傷みにくいものを持参しましょう。かわいいデザインの断熱仕様のランチバッグが売られているので、その中に保冷剤を入れて持っていくと暑い日でも安心です。スナックの人気メニューは、フルーツや野菜スティック、クラッカー、グラノーラバーなどが多いようです。水分が出る葉野菜やマヨネーズ入りのサンドイッチは、午後にはくたびれてしまうので、Aプラスには避けた方が無難です。水筒もハワイでは年中必要ですが、日本のようにお茶ではなく、お水を持参します。

スピアかずこ
1964年愛媛県生まれ。大阪•京都•オレゴンで学生時代を過ごす。京都女子大学短期大学部卒業。88年ハワイに移住し結婚。ハワイの公立校で教育を受けた長女は現在アメリカ本土で大学院生、次女はハワイ大学へ通う。雑誌やウェブでの執筆活動を精力的に行っている。共著に『ハッピー•グルメ• ハワイ』(双葉社刊)

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2023年12月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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