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~お受験嫌いなママが明かす「ここだけの話」~第237  【SAT/ACTの試験対策】

 

 アメリカには日本のような大学入試はありませんが、全国共通の力テストであるSATまたはACTを受験し、そのスコアを入学願書とともに大学に提出します。
 ハワイの公立高校ではACTを採用し、11年生の春に全員が受験します。受験料は無料です。また9~10年生を対象にACTの準備テストであるPACTをオプショナルで実施しています。
 SATとACTは内容構成が違うので、どちらのテストが点数を取りやすいと感じるかは人それぞれ。いずれのテストも何度でも受験でき、ベストスコアを大学に提出することができます。またスーパースコア制を採用している大学へは、教科ごとのベストスコアを寄せ集めて提出することもできます。
 公立校の生徒がSATを受験する場合は私費、また11年生春以外に追加で受験するACTも私費で申し込むことになります。SATは年4回、ACTは年7回あり、何度でも受験できますが、回数を増やせば点数が右肩上がりに高くなるのかといえば、大抵の場合そうではないようです。というのも長年に渡り積み上げてきた学力が試される内容のテストなので、付け焼き刃の対策ではなかなか点数アップに結びつかないからです。ただしコツはあります。

①11年生前の夏休みにSAT講座やラーニングセンター、家庭教師、対策本などで集中的に試験のテクニックを身に付ける。

②数学については苦手分野があれば特化して克服する。

 最初の点数が低い場合は、試験対策をしっかりとりながら繰り返し受験することで、かなり効果が上がると思いますが、最初からある程度点数が取れている場合は、そのときの出題や体調によって点数は上下しますが、あまり大差は出なかったという卒業生の声が多く聞かれました。テストと聞けば「受験勉強させなきゃ」と親は思いますが、実際の体験談を聞く限りでは、テクニック対策以外はあまり効果が期待できなさそうです。特に英語については小学生の頃から読書を奨励し、語彙や読解力を深めていく必要があるようですので、長い目でじっくり取り組みたいですね。
 あと11年生はクラブ活動や学校の勉強で多忙を極める1年です。学校が始まってしまえば、SAT対策のための勉強の時間はなかなか取れないのが現状です。11年生で受験したテストスコアに満足できない場合は、12年生前の夏休みに集中してテスト準備をし、8月または10月に受験したスコアを提出してはいかがでしょうか。試験の申し込みは約3週間前に締め切られますので、早めに申し込みを済ませてください。ギリギリだと満員で受験ができなかったり、遠方の会場での受験になったりして大変ですので、気をつけましょう。またテストの結果が願書提出に間に合うよう、早めに計画して受験を済ますようにしてください。特に早期出願(11月締め切り)を狙う場合は要注意。10月の受験結果は願書提出に間に合わない可能性大です。
 最後になりますが、最近の傾向として、SATやACTのスコアの採用を入学願書の条件から除く大学が増えています。上記①のような対策を取った学生の点数が高くなる傾向にあるので、テストスコアは細工された学力で真の学力と結びついていないと判断する大学が増えてきたのです。これも時代の傾向だと思いますが、大学側は「考える力」「独創性」「探究心」「リーダーシップ」など、テストスコアでは測れない力をより一層学生に求めています。
 充実した高校生活を送り、それが受験結果として身を結びますよう、応援しています。

スピアかずこ
1964年愛媛県生まれ。大阪•京都•オ
レゴンで学生時代を過ごす。京都女子
大学短期大学部卒業。88年ハワイに
移住し結婚。ハワイの公立校で教育を
受けた長女は現在アメリカ本土で大学
院生、次女はハワイ大学へ通う。雑誌
やウェブでの執筆活動を精力的に行っ
ている。共著に『ハッピー•グルメ• ハワ
イ』(双葉社刊)

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2023年10月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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