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第4回【ハワイ特有の大問題。ワンちゃんの花火恐怖症について】

来院したラニちゃん、

足を痛めてしまいマコト先生のところに来ました…

 アメリカで7月の大イベントと言えば7月4日の独立記念日ですよね。ハワイはもちろん、アメリカ全土でこの日は多くのワンちゃんたちにとって恐ろしい1日に違いありません。アメリカのワンちゃんたちの3分の1はある程度の音恐怖症を抱えていると言われているからです。今回はこの音恐怖症、特に花火に対する恐怖症に苦しむワンちゃんたちに僕らができることを紹介します。
 花火恐怖症の原因は、犬の聴覚や視覚の感受性が人間よりも遥か
に優れているためと考えられます。また、恐怖を感じる原因とし、過去に花火の音や明るさに直面したトラウマがある場合もあります。恐怖を感じているワンちゃんたちによく見られる症状は、体の震えやたくさん吠えること、さらに嘔吐や下痢、食欲不振など、多岐にわたります。わが子のような愛犬が怖がっている姿を見るのは、つらいですよね。
 そんな愛犬たちのために、自宅できることを紹介します。家族みんなで独立記念日や年越しを少しでも楽しめるよう試してみてください。
①家の中で音や光を遮断する:
できるだけ壁の厚い部屋を用意し、窓やドアを閉めて、音や光を遮断します。静かで落ち着いた環境を作り、好きなおもちゃやベッドを用意して、少しでもリラックスできるようにしてあげましょう。
② 音に慣れさせるトレーニング:
花火の前日などに、花火の音に慣れさせるトレーニングを行います。YouTubeなどで花火の音を再生することで、徐々に音に慣れていくようにトレーニングします。まずは本当に小さな音から初めて、ワンちゃんが怖がらなければおやつなどをあげて褒めてあげ、徐々に音量をあげてください。
③マッサージや優しいタッチ:
愛犬がリラックスできるように、マッサージや優しく撫でてあげることも効果的です。
④自然療法やサプリの使用:
自然療法の中でも、ハーブやアロマテラピーが症状を和らげます。ラベンダーやカモミールなどのハーブや、ラベンダー、ユーカリ、ティートゥリーなどの精油を使用しましょう。この他、不安を和らげる市販品の例としては、「Zenidog」や「Adaptilフェロモン」などがあげられます。
⑤鎮静剤の使用:
上記の全てと並行して、鎮静剤を使用することによって、トレーニングや自然療法の効果を相乗的にあげることが期待できます。個人個人によって処方される薬は大きく変わるので、詳しくはかかりつけの獣医さんに問い合わせてみてください。
 薬をあげることに抵抗がある飼い主さんもたくさん当院に訪れますが、怖がってブルブル震えているよりは、薬の効果でぐっすり夜通し寝てくれた方が断然いいと思う旨を説明しています。対策をせずに放っておくと、症状がどんどん悪化していく可能性もあるので、早期に対策を始め、必要であれば獣医師に相談することも大切だと思います。

Dr. Makoto Sakamoto
獣医師(D.V.M)。大阪府出身。タフツ大学・獣医大学卒業。2023年共同オーナーとして『アイナハイナ・ベタリナリー・クリニック』を開業。


アイナハイナ動物病院
Aina Haina Veterinary Clinic
820 W Hind Dr. Ste, 1224 
Honolulu
TEL 808-453-5000
診療時間
https://ainahainavet.com

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2023年7月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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