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第17回【なかなか見極めが難しい!
病院に連れいくべき時、様子見できる時】

まだ2 カ月ですが兄弟たちに勇敢に立ち向かうジュジュちゃんです

「うちの子がこんな様子なのだけど、病院に連れて行った方がいいでしょうか?」と質問をいただくことがよくあります。病院はスケジュール的にもお財布的にも負担となるため、僕の意見で自宅で様子を見られるケースと、病院に連れていくべきケースを簡単に説明します。

■消化器系の問題
 飼い主さんからの質問で一番多いのは、下痢や嘔吐などの消化器系の症状が見られた時です。人間と違って、犬猫の嘔吐、下痢は頻繁に起きる症状で、原因は本当にたくさんあり、できうるテストを全て行っても正確な原因がわからないことも多々あります。そんな中で、どういった場合は、家で様子を見るだけで良いと言えるのでしょうか。
 まずは嘔吐に関して。一般的には単発の下痢や嘔吐、特に普段の行動や食欲に全く変化がない場合は、まず様子見でもいいのではないかと思います。下痢でも本人が元気に過ごしていれば、たとえ少量の血が混じっていたとしても数日様子を見れば良くなる可能性が高いと言えます。嘔吐の場合も頻繁でなく、いつも通りの行動をとっているわんちゃん猫ちゃんは、数日様子を見ても良いと思います。お家でできる簡単な治療法は消化しやすく、脂分の少ない食事を少量で頻繁に用意してあげることです。鳥のささみやご飯を煮込んだものなどが一般的です。
 では、いつ病院に連れて来るべきか。嘔吐のケースでは、言わずもがな何度も何度も嘔吐を繰り返す場合、48時間以上経過しても一向に食欲が改善しない場合、異物を飲み込んでしまった確率が高い場合などは、すぐかかりつけの獣医師さんに連絡してください。下痢のケースは、5日経っても症状に改善が見られない場合、明らかに元気がない場合、またはネバネバした真っ黒の便(Melena、下血)が見られた場合は、獣医師に連絡してください。

■傷、けが
 次に多い質問は、体に傷を負ったりけがをしたりした時です。人間同様、簡単な擦り傷や切り傷(皮膚の下の組織が見えず、出血もしていない)なら、獣医師にかかる必要もなく自然治癒で良くなる可能性が高いと思います。僕個人の意見としては簡単な傷なら、しっかり流水で流した後は特に塗り薬などは塗る必要はないと考えています。
 必ず獣医師に見せるべき傷は、他の動物からの咬み傷や引っ掻き傷です。後に感染を起こす可能性が高いので、早めの抗生物質治療が必要になることが多いです。その他、5分止血しても止まらない傷や明らかに痛そうにしている傷(びっこを引く、触られるのを避けるなど)は診てもらうことをお勧めします。
 たとえ些細な症状でも大きな問題が現れ始めている可能性もあるので、心配なら獣医師に診てもらうのが安全です。上記のアドバイスは簡単に獣医師に連れていけない場合に参考にしてくださいね。

Dr. Makoto Sakamoto
獣医師(D.V.M)。大阪府出身。タフツ大学・獣医大学卒業。2023年共同オーナーとして『アイナハイナ・ベタリナリー・クリニック』を開業。

アイナハイナ動物病院
Aina Haina Veterinary Clinic
820 W Hind Dr. Ste, 1224 
Honolulu
TEL 808-453-5000
診療時間
https://ainahainavet.com

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2025年1月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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