アレルギー性皮膚炎を患いながら
も元気に過ごしてるボバ君です
昔から「食が体を作る」と言われてきましたが、ペットの健康にも、食事の影響はとても大きいです。飼い主さんたちの責任も甚大です。今回は飼い主さんから受けたペットフードに関する質問を紹介します。
①愛犬、愛猫にあげるべきご飯を教えてください。
残念ながら、そのペットの健康状態はもちろんのこと、飼い主さんたちの個人的な信条にも依存するところが多く、1つだけをお勧めすることは難しいです。ただ、健康的な成犬、成猫の場合、押さえておきたいのはこの表記「A AFCO Statement」です。ペットフードに表記が義務付けられており、AAFCOという団体が定める基準を満たしているかを教えてくれます。フードによっては見かけによらず成犬、成猫に必要な栄養価がそろっていない物もあるので、この表記を確認すれば必要な栄養は全て整っていると思います。
②お家でご飯を作ってあげたいのですが、大丈夫でしょうか?
個人的な意見としては、市販のフードをまったく受けつけない子、またはがんなどの診断を受け、余命を好きなものだけ食べて過ごさせてあげたい子以外は、ご家庭だけでそれぞれのペットに必要な食事を用意するのは難しいと考えています。腸の形も人間と違い、ネコちゃんたちに至っては我々と違って完全に肉食獣の腸なので、専門知識がないと彼らの体に必要な栄養価を全てそろえるのが難しいと思います。特に成長期の子犬や子猫に、手作りご飯をあげることはお勧めできません。
③最近流行りのRawFood(生食)についてはどう思いますか?
広告などで、伝統的なペットフードに否定的な意見を持つ方々がRawfood(生の野菜や肉)を推奨しているのを見掛けます。技術が進歩した最近は、冷凍肉や脱水処置を施したものを自宅に郵送するサービスなどもあるようです。以下の二つの項目さえクリアできれば、僕はあまり問題ないと考えています。
・衛生面での配慮:生食は細菌の繁殖など取り扱う際に気を付けなければいけないことがいくつかあります。特に小さいお子さんや、免疫力が低下している可能性があるお年寄りと一緒に住んでいるペットには、衛生的な安全性という観点から、生食は適していないといえます。
・バランスの取れた食事:生食にこだわる会社は、生の食材を使うことにフォーカスしすぎて、成犬成猫に必要な栄養をそろえられない可能性もあります。しっかりAAFCO Statementを見つけて、理解することによって必要な栄養を全て与えていることを確認してください。
* * * * *
ペットの食事の質問は日々尽きませんが、人間同様、年齢によって体に必要なものも変わります。定期的にかかりつけの獣医師さんと相談してみるのもよいかもしれませんね。
Dr. Makoto Sakamoto
獣医師(D.V.M)。大阪府出身。タフツ大学・獣医大学卒業。2023年共同オーナーとして『アイナハイナ・ベタリナリー・クリニック』を開業。
アイナハイナ動物病院
Aina Haina Veterinary Clinic
820 W Hind Dr. Ste, 1224
Honolulu
TEL 808-453-5000
診療時間
https://ainahainavet.com
※このページは「ライトハウス・ハワイ 2024年7月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。