来院したタビー君
糖尿病の診断を昨年7 月に受けたものの順調に
回復し、今は診断前のように元気な13 歳です
新年、あけましておめでとうございます! 昨年は、個人的には新しい病院のオープン、二人目の娘の誕生などいろいろなことがありました。そして、こうして月々読者の皆さんに有益な情報をお伝えすることができて嬉しく思います。
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さて、今回のコラムでは、今年1年を愛するペットたちと元気に過ごすためにとても大切な定期検診/予防医療について簡単に解説します。
まずはじめに、当院では成犬、成猫になったペットたちは原則年に2回の定期検診をオススメしています。犬猫の寿命は人間より短く、彼らの半年は僕らの3〜4年に相当すると言われています。それを考えると、年に2回でも少ないですよね。普段自分たちの体の中で起きている変化をうまく伝えることができないからこそ、小さなヒントを見出す鍛錬を積んだ獣医師のもとで大事なワンちゃんネコちゃんを診てもらうようにしましょう。
病院によって多少の変化はありますが、だいたい予防医療を中心に据えている当院のようなところでは、定期検診に訪れたワンちゃんネコちゃんに以下の処置を施します。
・獣医師による身体検査
・(必要であれば)予防接種を打つ
・血液や便、尿などの検査
・ペット個人に応じて必要な治療
・(歯のクリーニングなど)の説明
この中でも一番大切なのは、獣医師による身体検査です。体重や歯石のたまり、心拍音の変化など、普段一緒に過ごしているだけでは気付くことが難しい体の変化をしっかり観察することによって、さまざまな病気や問題の早期発見につなげていきます。
また、身体検査だけではわかりにくい体内の臓器の様子や寄生虫の有無を調べる検査も、ワンちゃんネコちゃんの健康状態を詳しく把握するためのとても大切なピースになります。ペットも人間と一緒で早期発見、そして早期治療こそ長生きの秘訣ですよね。
当院では何よりも飼い主さんとの対話に重点を置いて、まず第一に理想の検査や治療の説明をします。しかし、全ての飼い主さんが理想の検査や治療を全てできるわけでもありませんし、全てのワンちゃんネコちゃんがそれらに耐えられるとも限りません。そこから飼い主さんやペットそれぞれの状況に応じて一番ふさわしいプランを作るよう心掛けています。
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新しい年が始まり、新たな目標が立てられる時期。愛犬愛猫との新しい年も、健康が第一です。年2回の定期検診を通じて、ペットの生涯にわたる健康をサポートしましょう。飼い主の愛情と定期的な検診が、ワンちゃんネコちゃんたちにとっての最高のケアとなります。
Dr. Makoto Sakamoto
獣医師(D.V.M)。大阪府出身。タフツ大学・獣医大学卒業。2023年共同オーナーとして『アイナハイナ・ベタリナリー・クリニック』を開業。
アイナハイナ動物病院
Aina Haina Veterinary Clinic
820 W Hind Dr. Ste, 1224
Honolulu
TEL 808-453-5000
診療時間
https://ainahainavet.com
※このページは「ライトハウス・ハワイ 2024年1月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。