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第1回【ハワイでの離婚の手続きについて 進め方や成立までの期間を教えてください】

Q. 5 年前にアメリカ人との結婚を機にハワイに移住しましたが、離婚を考え始めました。ハワイで離婚する場合、どのように進めていくのでしょうか? 離婚申し立ての条件や成立までの期間も教えてください。子どもが一人おり、夫にはまだ話していませんが夫は離婚には反対すると思います。

A. 最初のご質問の離婚手続きについて、日本では双方が合意しているのであれば、離婚届を出すだけで離婚できますが、アメリカでは裁判所を通す必要があります。ハワイの場合、夫婦のどちらかが原告「Plaintiff」となり、離婚申立書「Complaint for Divorce」を裁判所に提出するところから離婚の手続きは始まります。

 双方が条件(親権、子どもと過ごすスケジュール、養育費その他の子どもに関する費用の支払い、アリモニー「扶養料」、財産分与等)に合意している場合、裁判所には出廷せず、書類の提出のみで離婚をすることができます。しかし、さまざまな書類(資産と負債、収入と支出の申告書「 Asset and Debt Statement, Income and Expense Statement」、離婚判決書「Divorce Decree」、子どもがいる場合は養育費の計算用紙「 Child Support Guidelines Worksheet」、養育費の天引き命令書「Order to Withhold Income」など)を作成し、サインをして、裁判所に提出する必要があります。内容がよく分からないまま、もしくは配偶者に言われるままに書類にサインして、裁判所で離婚判決書「Divorce Decree」が受理された後、私のところに来られる方がたまにいらっしゃいますが、受理された離婚判決書「Divorce Decree」を覆すのは通常容易ではありません。内容がよく分からない場合はもちろん、理解できていると思われる場合でも、離婚判決書「Divorce Decree」にサインする前に、弁護士に相談し、確認してもらうのが最善です。

8 週間から10 週間1 年以上の場合も
 双方が離婚や条件に合意していない場合は、離婚申立書Complaint for Divorce」が送達された後、被告「Defendant」が 20 日以内に返答「Answer to Complaint for Divorce」を裁判所でファイルすることが大変重要になります。これをしないと欠席判決「default」という形で、原告の要求通りの判決が下ることになります。

 条件に合意がない場合は当事者同士もしくは弁護士を通しての話し合いや交渉を行い、それでも解決しない場合は調停をし、そして調停でも解決できない場合は裁判所の介入を求めることになります。

 合意のもとに必要な書類を裁判所に提出する形で離婚する場合、全ての書類を提出してから離婚が成立するまで、オアフ島の家庭裁判所では通常 8週間から 10週間です。裁判所の介入が必要な場合は、解決までに1年以上かかることもあります。

どちらに非があるかは無関係離婚の条件のみが争点
 離婚成立の条件ですが、ハワイは No Fault Divorceといって、離婚をするのに夫婦のどちらに非があったのか、有責なのか、ということは問われません。例えば浮気をした夫が離婚を申請し、妻が離婚をしたくない場合も、離婚の成立自体を争うことはできません。ですから、相談者のご主人が離婚したくないとしても、離婚することは可能で、離婚の条件のみが争点になります。

 また、ハワイで離婚を申し立てるには、ハワイ州に6カ月以上、そしてオアフ島(もしくは他の該当する島)に 3カ月以上居住する必要がありましたが、法律が変わり、この期間の条件はなくなりました。現在は、離婚申立書「Complaint for Divorce」を提出した時点で、ハワイ州のオアフ島(もしくは他の該当する島)に居住していることが条件になります。

宮本直子
Naoko Miyamoto Attorney at Law

父親の転勤で高校3 年生よりアメリカ在住。1997年カリフォルニア大学バークレー校政治学部卒業。2000年ハワイ大学マノア校法科大学院(ロースクール)修了。2001年ハワイ州裁判所・ハワイ地区米国連邦裁判所弁護士登録。ハワイ州最高裁判所を経て2001年より離婚やその他の家族法を専門に扱うクライントップ& ルリア法律事務所で家族法専門の弁護士として勤務後、2022年9月に『宮本直子法律事務所』を開設。

宮本直子法律事務所
735 Bishop St, Ste. 310, Honolulu (Dillingham Transportation Bldg.)
TEL 808-444-7890
E-mail: info@miyamotohawaiilaw.com
https://www.miyamotohawaiilaw.com/japanese-page
※実際のアドバイスは個々の状況により異なりますので、詳細は弁護士にご相談ください。

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2022年4月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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