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第10回【婚約者から依頼されている婚前契約書に サインしても問題ありませんか?】

Q. 1年半遠距離で交際しているアメリカ人の婚約者がいます。そろそろ結婚をしようということになり、正式に結婚が決まったら私はハワイに引っ越すことになっています。しかし、婚約者は「結婚する前に婚前契約書にサインをしてほしい。そうでないと結婚できない」と言います。婚約者と結婚したいと思いますが、このような書類にサインをしてよいのでしょうか?

A. アリモニーは、離婚の訴状を通して、もしくは訴状に対する返答を通して、リクエストすることができます。アリモニーが必要な多くのケースでは、離婚が成立するまでの一時的なアリモニーをリクエストするために、裁判所で申し立てをします。

 ハワイ州では、州で定められた計算表がある養育費や明確なルールが存在する財産分与とは異なり、アリモニーの有無、金額、期間に関して計算表や明確なルールは存在しません。それぞれのケースの状況に基づいて、裁判所が判断を下すことになります。アリモニーに関するハワイの法令「Hawaii Revised Statutes § 580-47(a)」では、裁判所はアリモニーの支払いを命じるかどうかを決める際、以下の13 のファクターを考慮しなければいけないことになっています。

  1. 双方の財力
  2. アリモニーを求める側の自活能力
  3. 結婚の期間
  4. 結婚の間の生活レベル
  5. 双方の年齢
  6. 双方の健康状態(精神的なものも含める)
  7. 双方の結婚の間の職歴
  8. アリモニーを求める側の就労能力や技術
  9. それぞれが必要な生活費用(ニーズ)
  10. それぞれが子どもの世話をする責任と養育費支払いの責任
  11. 支払う側がアリモニーを支払い後に自分の生活費をまかなえるかどうか
  12. 双方の離婚後の経済状況
  13. どのくらいの期間アリモニーが必要になりそうか

     これらの13 のファクターに加えて、ハワイ州の判例では、(1)アリモニーを求める側が結婚の間の生活レベルをキープするためにいくら必要か、(2)アリモニーを求める側がアリモニーなしで自分の生活費をどの程度支払うことができるか、(3)アリモニーを支払う側が結婚の間の生活レベルをキープするためにいくら必要か、(4)支払う側がアリモニーを支払った上で自分の生活費をまかなえるか、の4 つを考慮することになっています。

     ご相談者の場合、夫が医師で、結婚も25 年と長く、その間専業主婦だったとのことで、アリモニーをもらえるケースになります。しかし、その金額や期間は、夫の収入や今までの暮らしぶり、夫がこれからどれくらい働けそうか、などによって変わってきます。また、今まで働いていなかったとしても、健康上や年齢などの理由で働くことが難しい場合を除いて、ハワイの裁判所は働く努力をしなければいけないとみなすでしょう。

    アリモニーの支払いは一定期間。不倫への慰謝料はなし
     アリモニーの支払いはほとんどのケースで一定期間の支払いになります。期間終了前でも、どちらかが亡くなった場合、もしくはアリモニーを受け取る側が再婚した場合は、支払い義務はなくなります。また、アリモニーの期間や金額は、一度裁判所の決定が下された後も、どちらかの当事者の経済状況が変わった場合、変更を求めることが可能です。

     時々アリモニーと慰謝料を混同されている方がいますが、アリモニーは配偶者に離婚後の生活費をサポートするために支払うもので、不倫に対する慰謝料とは異なります。また、ハワイの離婚はNo Fault Divorce といって、離婚に夫婦のどちらに非があったのか、有責なのか、ということは問われず、不倫をしたことや精神的苦痛に対する慰謝料は存在しません。

宮本直子
Naoko Miyamoto Attorney at Law

父親の転勤で高校3 年生よりアメリカ在住。1997年カリフォルニア大学バークレー校政治学部卒業。2000年ハワイ大学マノア校法科大学院(ロースクール)修了。2001年ハワイ州裁判所・ハワイ地区米国連邦裁判所弁護士登録。ハワイ州最高裁判所を経て2001年より離婚やその他の家族法を専門に扱うクライントップ& ルリア法律事務所で家族法専門の弁護士として勤務後、2022年9月に『宮本直子法律事務所』を開設。

宮本直子法律事務所
735 Bishop St, Ste. 310, Honolulu (Dillingham Transportation Bldg.)
TEL 808-444-7890
E-mail: info@miyamotohawaiilaw.com
https://www.miyamotohawaiilaw.com/japanese-page
※実際のアドバイスは個々の状況により異なりますので、詳細は弁護士にご相談ください。

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2023年4月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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