来院したミスティーちゃん、
日本への旅行のために、必要書類の確認に訪れた8歳のチワワです!
はじめまして! アイナハイナ動物病院の獣医師の阪本マコトです。これから、飼い主さんたちからの質問にお答えしていきます。読者の皆さんもぜひ質問をお送りくださいね。
今回は、今年の夏休みなどでの一時帰国を、長期的に、できることなら愛犬、愛猫も連れて行きたい方へ、必要な手続き(2023年現在)について、基本情報を説明します。
日本へ行く際は比較的シンプルで、ハワイ生まれ、またはハワイに6カ月以上滞在歴があるワンちゃんやネコちゃんの出国条件は4つです。
①国際基準を満たしているマイクロチップ(15桁)の装着
②日本到着の40日前までに到着予定の空港の検疫所への事前届出
③出発日から数えて10日以内に ハワイの動物病院で出国前検査
④後日、証明書の取得
なぜハワイから日本へ行く際はワクチンも血液検査も必要ないのでしょうか? それはハワイは数少ない狂犬病が存在しない指定地域に認定されているからです。
さて、問題は日本からハワイへ帰ってくるときです。ハワイはアメリカ唯一狂犬病が存在しない州ということで、厳しい水際対策が敷かれています。必要な条件は以下です。
①マイクロチップの装着
②最低でも2回の狂犬病ワクチンの接種(2度目は1度目から30日以上間隔を開ける必要あり)
③狂犬病抗体の血液検査(2度目の狂犬病ワクチンから最低2週間間隔を開ける必要あり)
④ハワイ到着の10日前までに、ハワイの検疫所への書類提出
⑤出発日から数えて10日以内に日本の動物病院で健康診断書作成
⑥利用するハワイの空港へ届出申請
抗体検査結果が戻るまでに最短でも4週間ほどかかるため、狂犬病ワクチン接種から換算すると、3〜5カ月前から準備する必要があることがわかります。ですので、ハワイから一時帰国する場合、出発前に必要書類を全て提出しておけば、戻った際に空港から直接ワンちゃん、ネコちゃんを引き取ることができます。 もう一つ注意しなければいけないのは、航空会社によって預けられる犬種、または時期が違うことです。利用予定の航空会社と早めに連絡を取り、必要事項を確認することをお勧めします。
事前の準備さえしていれば愛犬、愛猫と一緒に一時帰国することも十分可能です! 詳しい条件などはアメリカの農務省ウェブサイト、そして日本の動物検疫所ウェブサイトで確認できます。
なお、鎮静剤や抗不安薬をあげるかどうかをよく聞かれます。獣医師さんによって判断が違うのですが、健康状態などにより選べる薬やサプリが限られる場合もあるので、かかりつけの獣医師さんに相談するとよいでしょう。僕個人としては長時間クレートに閉じ込められるのを不安がる場合は何かしらのお薬かサプリをあげることを勧めています。
Dr. Makoto Sakamoto
獣医師(D.V.M)。大阪府出身。タフツ大学・獣医大学卒業。2023年共同オーナーとして『アイナハイナ・ベタリナリー・クリニック』を開業。
アイナハイナ動物病院
Aina Haina Veterinary Clinic
820 W Hind Dr. Ste, 1224
Honolulu
TEL 808-453-5000
診療時間
https://ainahainavet.com
※このページは「ライトハウス・ハワイ 2023年4月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。