ハワイの小学校には日本とは違う習慣の違いが存在します。勉強には関係ない事柄ですが子どもたちの生活には関係しますので、いくつかご紹介しましょう。
まずはグッディーバッグをクラスメイトに配るギフトの習慣です。バレンタインデー、ひな祭り(ガールズデー)、ハロウィン、サンクスギビング、クリスマスなど季節の行事のときに、お友達に配る小さなギフトバッグ(グッディーバッグ)がハワイではとても盛んです。ロングスなどの量販店やパーティーグッズ店などでは、かわいい柄入りの透明な袋が売られていて、特にクリスマス、ハロウィン、バレンタインデーにはそれ用の柄の袋が出回ります。そこにお菓子、小さなおもちゃ、文房具などを詰めて、クラスメートに配るのです。ほんの気持ち程度のグッズを詰めるのがお約束ですが、特別な日にたくさんのグッディーバッグをもらうと、子どもたちはとても喜びます。さらには学年末の最終登校日に、サンキューギフトとしてグッディーバッグを作る人も多いですね。
また自分のお誕生日に、クラスメート全員にグッディーバッグやカップケーキを持っていくのもハワイならでは。最初は「誕生日は人から祝ってもらうものでは?」と思ってしまうかもしれませんが、「誕生日の喜びをみんなにシェアする」のがハワイ流。なぜカップケーキなのかというと、切り分ける必要がなく手づかみで食べられ、先生に負担をかけることなく簡単に配ることができるからです。市販のケーキミックスやフロストを使って子どもと一緒に手作りしたものを持っていくと、子どもは喜びます。
プレイデートもハワイならではの習慣です。日本では公立校に通うと、近所に友達がたくさんでき、子ども同士で放課後や休日に遊ぶ約束をしたりしますが、車通学が多いハワイでは、親を介して遊びの約束をするプレイデートが主流です。お互いの家で遊ぶことが多いですが、映画や公園に連れ出すこともあります。スリープオーバー(お泊まり会)になることも。いずれにしても親が介在しないとできませんので、仲良しの友達との楽しい時間を意識して作ってあげてください。呼ばれ呼び返しているうちに、家族ぐるみでの交際に広がり、生涯の友ができますよ。
親がボランティアで学校行事に参加する回数が多いのも特徴です。クラス行事の手伝いや遠足の付き添い、リーディング学習の補助業務、コピー取りに至るまで、先生を補助する役割が親に求められます。先生とのつながりができ、子どもの様子も知ることができるので、できるものには参加することをおすすめします。
先生へのギフト習慣も日本とは大きく異なります。クリスマスと学年末にギフトを贈るご家庭が多いようですが、現金や高額なギフトカードは受け取ってもらえませんので、スターバックスなど先生が使いやすそうな少額のギフトカードやチョコレートなどのスイーツ、レイや花束が多いでしょうか。時にはクラスペアレントが集金してクラス一同でギフトを贈ることもあります。何を贈ろうか悩む必要もなく個々の金額の負担も少ないので、クラスギフトは概ね歓迎されることが多いですね。Teacher Appreciation Weekと呼ばれる先生への感謝週間には、今日はフルーツの日、お花の日…といった具合に1週間日替わりでテーマがあるので、テーマに合わせてりんごを1個持っていったり、小さな花束やレイを持っていったりします。
どれもやらなくてもいいことですが、小さなことが子どもには大切だったり嬉しいことだったりするような気がします。ぜひ楽しい学校生活を過ごさせてあげてくださいね。
スピアかずこ
1964年愛媛県生まれ。大阪•京都•オレゴンで学生時代を過ごす。京都女子大学短期大学部卒業。88年ハワイに移住し結婚。ハワイの公立校で教育を受けた長女は現在アメリカ本土で大学院生、次女はハワイ大学へ通う。雑誌やウェブでの執筆活動を精力的に行っている。共著に『ハッピー•グルメ• ハワイ』(双葉社刊)
※このページは「ライトハウス・ハワイ 2025年10月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。