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~お受験嫌いなママが明かす「ここだけの話」~第249  【子どもの送迎】

 ハワイでは、地元の公立校に通っていても、基本的に通学には親の送迎が必要です。さらにはスポーツや習い事にも親の送迎が必須です。8月から新学年が始まり、新しいスケジュールをこなすのに大忙しのご家庭も多いと思いますので、今回は送迎についてお話しします。
 ハワイで通学に親の送迎が必要とされている主な理由は、子どもの安全を守るための親の責任が重いこと、公共交通機関がバスしかなく自力での通学が難しいことことの2点が挙げられます。ハワイでは13歳以下の子が大人の監督者なしに留守番していると、親が児童虐待に問われる可能性があることは広く知られています。また、性犯罪や誘拐など悲惨な事件もアメリカでは数多く報告されていることから、日本に比べて親の監督責任は大きいのです。かつてはハワイでも地域によってはスクールバスがありましたが、財政的な問題で現在は運行されていません。こうした事情から、特に小学生は親が送迎しているのが現実です。徒歩や自転車で通学すること自体は法律違反ではないので、実際にそうしている子どももいますが、通学途中で事故や事件に巻き込まれる可能性があることを自覚し、安全に通学できるよう親の配慮が必要かと思います。
 送迎をする上で、保護者として気を付けたいことは、とにかく遅刻しないこと! ハワイの公立校の始業時間は、毎朝8時です。そして帰りのお迎えの時間は2時半前後、アフタースクールのプログラムであるAプラスに預けていても5時半が最終ピックアップの時間です。仕事や通勤の事情で送迎が大きな負担になっている家庭も少なくありませんが、遅刻は厳禁です。特にAプラスは、遅刻が度重なると登録を抹消されますので要注意。頻繁に遅刻する子がたまにいますが、見ていると、子どもではなく親が時間を守れないのです。遅刻が常習的になると、子どもも時間にルーズに育ってしまうので、気を付けましょう。
 中高生になるとバス通学の生徒が増えます。親は助かりますが、子どもが遅刻していないか、帰りに不必要な寄り道をしていないか、ある一定の監督は必要かと思います。また16歳になると運転免許が取れるようになるので、高校生になると車通勤する子も出てきます。ここも日本と大きく違いますね。車の運転に伴う責任は重大なので、高校生が自動車通学をすることに対しては賛否両論あるかもしれませんが、中高生は子どもがきちんと自立できるようになるまでの移行期間です。子どもの性格や家庭の考え方にもよりますが、最終的には遅くても大学生の間に運転免許を取得するのが、アメリカでは望ましいのではないかと個人的には感じます。
 さらにお稽古事についてですが、親が時間を工面して送迎しなくては、習い事やスポーツをさせることができないのがハワイの実情です。学校の部活にお任せで、試合にも子どもが電車やバスで自由に行ける日本とは比べ物にならないほど、親の負担は大きいです。けれども課外活動は大学進学に大きく影響するだけでなく、子どもの人間形成にも重要ですので、子どもがやりたいことがあれば機会を与え、伸ばしてあげましょう。親はみんな大変なので、ご近所やチームメイトとライドシェアをして常に助け合っています。そこは持ちつ持たれつで、協力し合える仲間を増やしていきましょう。そうした子育て仲間は、子育て期間が終わってもよき友人としてお付き合いが続く、人生の財産になると思います。
 最後に、毎日の送迎はくれぐれも安全運転を心掛けましょう。学校周辺では、禁止されているUターンやスピードの出し過ぎは厳禁です。

スピアかずこ
1964年愛媛県生まれ。大阪•京都•オレゴンで学生時代を過ごす。京都女子大学短期大学部卒業。88年ハワイに移住し結婚。ハワイの公立校で教育を受けた長女は現在アメリカ本土で大学院生、次女はハワイ大学へ通う。雑誌やウェブでの執筆活動を精力的に行っている。共著に『ハッピー•グルメ• ハワイ』(双葉社刊)

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2024年10月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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