先月、3度目の日本の中学生の教育旅行がありました。我が社で日本とハワイ側のすべての手配と全行程の指揮を引き受けました。毎朝5時起きの3日間は、早朝に弱い私にとっては非常に辛いことでしたが、子どもたちの笑顔に励まされ、なんとか無事に終えることができました。
PR会社としては特殊な仕事ですが、日本とハワイの子どもたちが交流できること、子どもたちの未来に役立つという意義は価値があると思っています。2020年の東京オリンピックで、この子たちが海外からの訪問者や選手を英語で迎えることができたら素晴らしいですね。
しかしながら、このような企画にはトラブルが付き物。ハワイといえどもここはアメリカ。国と州、および施設のルールに従うことが必須です。今回、日本側の担当者が、この点を理解してくれませんでした。
まず、ハワイの人はボランティア精神にあふれています。協力してくれたハワイの学校も100%のご好意で日本の中学生を引き受けてくれ、心からウェルカムの姿勢で迎え入れてくれました。
しかし交流中、学校にハワイ在住の日本人2人が、私に予告もなく尋ねて来て、日本から来ている関係者とプログラムとは関係のない打ち合わせを始めました。あげくに、この2人が翌日訪れる学校に急に参加したいと強引に言ってきました。訪れる学校は米軍基地内にあり、全員の名簿やパスポートなどを事前に提出していなければ入れません。手続きも数日かかるため硬くお断りしたのですが、日本の町長からの依頼だと言って引き下がりません。私が恥を忍んで学校の担当者に連絡してみましたが、答えは当然ノーでした。
ところが翌日、なんと断ったはずの2人がバスに乗っていてショッ ク。基地のゲートで降ろされるかと思いきや、なぜか「全員チェック」は免れて学校に到着。2人以外は事前に申し込みをしていたおかげかもしれません。学校側は、今回が3度目ということもあって私を信用してくれており、すんなり中に入れてくれました。2人は何食わぬ顔で、頭数に入ってもいないのに学校支給のランチを食べ、1日を終えました。許可のない2人が参加していたことで終日ハラハラしていた私のことは気にかけてもいません。特別に参加させてもらったことへのお礼もなく、ランチも勝手に食べ、直前の申し出に対する謝罪もなく、研修の内容には口を挟んでくるなど…。これには我慢強い私でも怒りを覚えました。
私が日本人だからと、安心しきっているのでしょうか? それとも未だに海外での振る舞い方を知らない日本人なのでしょうか? 日本でいろいろ準備や練習をし、この交流を楽しみにして来ている子どもたちのことも考えず、許可のない2人が突然入り込んで来たことで、交流プログラムそのものが危うく予定通りに進まなくなるところでした。無事に終ることができたことは本当に幸いなことだったと思います。
(2017年12月1日掲載)