(Text: Maiko Izon / Photo: Taku Miyazawa)
2016年秋、個性的な個人経営の店舗が軒を連ねるオアフ島のワード・ビレッジ内にオープンした人気の「サウスショア・マーケット」。下記で登場するアリーやモウラが経営するショップを始めハワイで人気急上昇中のローカル・デザイナーのブランドや人気のカフェなどが一堂に会する話題のエリアとして注目を集めている。お土産やギフトにはもちろん、自分用にも持ち帰りたいハワイxモダンなおすすめアイテムが盛りだくさん!
◎ MORI BY ART + FLEA
3カ月毎に注目ローカル・デザイナーのアイテムが店頭に並ぶ人気店。アパレルを始め、ジュエリーやカードなどバラエティー豊かな品揃え
◎ FLOTSOM & CO.
ダイバーであるオーナー自らが海で見つけた貝殻やビーチグラスを使った手作りジュエリーやビーチテイストのユニークなアイテムが並ぶ
◎ KEALOPIKO
モロカイ島のデザイナーが手がけるアパレルブランド。ハワイの自然や文化をモチーフにした色彩豊かなオリジナルのテキスタイルアイテム
◎ CAMERON HAWAII
Tシャツやバッグ、ボディーケアアイテムなど、「旅」をテーマに女子心をくすぐるデザインが評判のハワイ発の新ライフスタイルブランド
(Text: Maiko Izon / Photo: Taku Miyazawa)
ハワイのローカル・アーティストたちを集めたアートとファッション、音楽の人気イベント「アート+フリー」の創始者、アリー・イシクニ。このイベント開催をきっかけにローカルアーティストやデザイナーが大衆に注目を浴びるようになり、年を追うごとにローカルクリエイターのクオリティーは上がっているとも言われている。そんな一大ムーブメントを築き上げている彼女に、現在のローカルクリエイターの現状を聞いてみた。
「イベントをスタートした2010年の当時から、ハワイにはアーティストやデザイナー、ミュージシャンなど大きなポテンシャルを持つ若手クリエイターたちがたくさんいるのは知っていました。なので、誰もが気軽に参加し訪れられるイベントとして『アート+フリー』を始めました。月に1度のイベントは、最初は数えるほどの参加ベンダーのみでしたが、次第に評判を呼び、現在では800近くのベンダーが登録しています。多くのハワイのローカルアーティストたちはやってみたい思いはあっても、その術を知らないことがほとんどです。
ですが、イベントに訪れた人が同世代で出店しているアーティストに出会い、自分でもやってみようと興味を持つ。イベントのお客さんだった人が、次はアーティストとして参加することは珍しくありません。イベントや常設店は、こうしたポテンシャルのあるアーティストたちのブランド作りのきっかけとしてサポートできれば、という思いで運営しています。イベント参加から常設店への出品、それぞれのステップでターゲットのマーケティングやブランディングについてなど各ベンダーの特長が最大限に引き出せるよう導き、いずれは独立して路面店を出すことをゴールに一緒に取り組んでいます。
評判を聞きつけて参加を希望してくる米国本土や海外のクリエイターたちとも手を組みコラボレーションをすることで、ハワイと参加クリエイターの地域との懸け橋にもなり、ローカルクリエイターがハワイの外で活躍できるきっかけづくりにもなっています」。
多くのハワイ出身のクリエイターがグローバルに活躍する日もそう遠くなさそうだ。
(Text: Maiko Izon / Photo: Taku Miyazawa)
ハワイのコンテンポラリーアートとの暮らし」をテーマに、15年前に『リビング・ウィズ・アート・プログラム』を始めたモウラ。インテリアデザイナーとして活躍する中で”アート”と”暮らし”の空間を提案し続けている。サウスショア・マーケット内のモウラの店舗も必見だ。
「ちょうど1990年代後半は、カハラエリアで建売住宅の建築が盛んに行われていました。私はインテリアデザイナーとして、そうした建売住宅のインテリアデザインに携わっていたんです。アートを取り入れたインテリアデザインを作るのが好きだったのと、古くからの友人がギャラリーを運営していたこともあり、2人のアイデアで”レンタルアートプログラム”を始めました。デベロッパーにローカルアーティストを紹介して、各住宅にローカルアーティストの作品を貸し出すプログラムです」。それが『リビング・ウィズ・アート・プログラム』を始めるきっかけだったという。
「私の手がけるインテリアデザインは、コンテンポラリーアートとの相性が良いので、基本的にはローカルのコンテンポラリーアーティストの取り扱いがメインです」。当時は、コンテンポラリーアートに合うようなお洒落な家具をハワイで手に入れるのも難しく、米国本土や海外を旅しては、気に入った家具を買って、借りていた倉庫に集めていたモウラ。そして、買いためた家具と自分が気に入っているローカルデザイナーやアーティストの作品を集めてオープンしたのが、フィッシュケーキだ。「その昔は、圧倒的にハワイの風景を描いたアートが多かったですが、最近では、コンテンポラリーアートや若い人たちが手がけるモダンアートなども増えてきました。もっとたくさんのハイクオリティーなローカルアーティストが輩出されることを楽しみにしています」。
現在、本店以外にサウスショア・マーケット内にも出店するモウラの店内は、ローカルアーティストの作品を使い、コンドミニアムの部屋に見立てたリアルなインテリアデザインの提案をしている。ヤシの木やハイビスカスではない、感度の高いハワイのコンテンポラリーなアートのある暮らしを楽しんでみては?
(’Eheu Spring 2017号掲載)
※このページは「’Eheu Spring 2017」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。